『自責と赦免』

明日は台風だと、ラヂオのニュースは告げます。
こんな夜は何故だかいつも同じ思いにかられます。
自責という思いに。
そして、台風はいつか去りますが、私の自責の思いが去った事はありません。
それでも、こんな夜は何故だかいつも同じ思いにかられます。
自責という思いに。
私のこと、少しお話しましょうか。



罪という意識に私はずっと囚われてきました。
私が棄てた男。自殺をして私の元に遺書が残りました。
罪という意識から私は未だずっと解放されてはいないのです。

私は彼を愛していました。彼は私を愛しておりませんでした。
しかし、彼が私を棄てたのではなく、私が彼を棄てたのでした。
そこらの細かい事情はそちらによく通じている方には大変よく頷けるものですが、通じていない方には理解不能かと思われます。
しかし、とにかく私が彼を棄てたのです。
愚かしいことをしたと思っています。私は今でも彼を愛しているのですから。
赦してほしいと切に思います。私は今でも彼を愛しているのですから。

しかし、涙一つ流れないのは、どうしたわけでしょう。
私のしたことが赦されるとは思っておりませんが、しかし、それでも私は毎日心の中で彼に問うているのです。
私を赦してくれますか。
私を愛してくれますか。
答えはNOと分かりきっております。
しかし、それでもなお問わずにはおれないのです。
私を赦してくれますか。
私の心はどこまで病めばいいのですか。

もう彼は永遠にいないのだという事実が私を狂わせてやみません。
そして私から全ての力を奪い去ります。
全てが虚しい。全てが哀しい。
あぁ、彼を愛さなければ良かったと思います。
しかし、全ては今更なのです。

思考は中断されます。
悩む事があまりに辛すぎるからでしょうか。
何も考えません。
まるで私がそこにいないかのように。

まるで私がそこにいないかのように。
まるで私がそこにいないかのように。
まるで私がそこにいないかのように。


彼は死に、私は自分を殺して生きるようになりました。
それでしか、私は自責の念から逃れる事はできず、しかし、本当に私が赦免されることは決してないこともまた、事実であります。



明日は台風だと、ラヂオのニュースは告げます。
こんな夜は、私の心にも台風がやってきます。
自責という名の台風が。
そして、決して通り過ぎることのない台風が。
今夜もやってきました。私の心に。
私の話は終わりです。





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