『愛憎』

思い出したくもない。そんな私の思い出。

愛していた。
心の底から愛していた。
それを認めたくなかった。
絶対に認めたくなかった。
かなわぬ恋だから。

でも愛していた。
そして、憎んでいた。
心の底から憎んでいた。
彼を殺して私も死にたいと本気で思っていた。

本当に憎かった。
本当に。

本当に愛していた。
本当に。

しかし、歪曲していた。
偏愛。極愛。
どんな愛でも説明などつかない。

昔ある人を愛していた。
その人のためなら死ぬことすらできると思った。
たとえその人がどんな人間になろうと愛すると思った。

そして、憎んでいた。
殺したいほどに。
一生縛られると思っていた。
一生。

その人以上に誰をも愛することなどないと思っていた。
その人のことでいくつもの恋を捨てた。
いくつもの愛を捨てた。

もう彼に囚われずに、彼は彼として一生残ることを分かった上で
それでも新たに恋がしたいと悟った時は
既に遅すぎた。

あれから2年。
彼は私の心の奥底で今も生き続け
愛憎は無感情と引き換えに閉じ込められた。

それでも私は他に誰かを愛したいと思い
でも愛せなかった。

あれから2年。
私には今好きな人がいて
好きな人がいて・・・・・

愛せるのかどうか、とても怖い。






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