大屋学研究

        参照シート2

 

  大屋学を進める上での、あくまでツールとして利用するものです。オリジナルではなく、下記著作からの全文引用です。一般論であり、著者の私見に基づく表ですが、これを大屋町に当てはめて検証してみることが重要と思われます。大屋町の場合とこの表の場合とで、どこが同じでどこが異なるか、また、大屋にはこの表にない事項があり得るか、あるとすればそれはどんなことか、このシートを参照して、考えてみたいと思います。

 大屋町広報1999年11月号でアンケート結果が出ていますが、その結果とも合わせて、たいへん参考になる資料であると考えます。

 

                    出典  祖田修『都市と農村の結合』

                 ※放送大学テキスト『大地と人間』(1998年)、21ふるさと京都塾編                   『人と地域を生かすグリーンツーリズム』学芸出版社(1998年)                   にも掲載されています。

 

 

都市・農村の魅力と欠点

 

    A  農村の魅力        B 都市の魅力         

経済的側面              経済的側面

●家族経営や兼業のもつ強みと面白さ           ●ビジネスチャンスの多さと成功の可能性

●やすい土地と広い家・屋敷・離れ座敷          ●市場・業界・政界・消費者情報などの収集に便利

●やすい生活費                        ●高等専門教育の機械と人材の豊富さ

●十分な物置の場所(使い捨ての回避)           ●就業機会の多さ

●山菜・きのこ・野菜などを利用した多数の漬物     ●多様な職種と選択可能性

●手作りの味噌                         ●賃金・所得の高さ

●庭先の果実                          ●先端的な消費生活

●家庭菜園の野菜                       ●集中・集積に伴う経済的利益・交通・運輸の利便

●通勤時間・信号や渋滞の少なさ  

                    ・・・・・・・など                             ・・・・・・・・・など

 

生態環境的側面           生態環境的側面

●水・空気のおいしさ                     ●完全に人工的な都市空間 

●冷涼な湧水・井戸水の利用              (スマートな高層建築、街路樹とフラワーボックス、都市公園)

●あふれる自然と景観美                                         ・・・・・・・・など

●移り変わる四季と成長する生命の実感

●十分な日照

●庭園の借景

●多様な植物・動物の存在と接触

●無農薬で安全で新鮮な食品の自給

●小川の清水と沢ガニ、岸辺の草花

●鳥の鳴き声や姿

●温泉

●集落を環流する小さな河川し池、鯉や亀の飼育

●物のリサイクル利用の可能性

●地域エネルギー利用の可能性

                   ・・・・・・・・・・など

 

生活−社会・文化的側面      生活−社会・文化的側面   

●社会の協同性・連帯性・義理人情              ●各種生活施設の整備

●親しみやすく暖かい人間関係 (内部の開放性)               (上下水道、ガス、道路、情報)

●ゆとりと安らぎ(農村的生活リズム)               ●買い物に便利

●治安の良さ                             ●先端的で華やかな生活

●子どもを育てるのに良い環境                   ●流行に遅れない

   (自然体験、遊び場の広さ、手づくりの遊び)        ●医療システムの充実

●感謝の念                              ●スポーツ・娯楽施設の充実

●心と体のバランスを保てる                      (サッカー、野球、遊園地、飲食店、    

●多様性・安定性・永続性                        映画、 演劇、ダンス盛り場)

●年齢や性にあった農作業がある               ●多様な接触・社交の仲間が多い   

●トータルな人間性の回復                     ●恋愛・結婚へのチャンスが多い

●自営の独立性・自由性                     ●文化施設の充実

●農閑期の自由性                                (博物館、美術館、図書館、水族館)

●伝統行事や新しいグループ活動への参加          ●教育施設の充実

●晴雨講読の可能性                         (大学、専門学校、研究所、各種生涯学習施設

●農村的な芸術・趣味・研究活動と素材の豊富さ         職業訓練施設、子どもの学習塾)

  (俳句、陶芸、木工、魚釣り、染色と織物、民謡 、     ● 知識・芸術・文化などの情報収集・交流の機会が

  各種伝統芸能、絵画、郷土史研究、方言研究、       多い

  農民文学など)                           ●社会参加の種類と機会が多い(社会奉仕、

●庭園・盆栽・菜園づくりの楽しさ                     社会事業、赤十字、NGO、各種市民運動)

                      ・・・・・・・・・など      ●しきたり、家柄、身分、慣習、因習、古い倫理から                                      の人間解放

                                    ●匿名性や秘密性

                                    ●ある種の無責任性

                                    ●変化と流動性

                                    ●刺激性と緊張性

                                    ●人生の生き方の多様性を許容する

                                                          ・・・・・・・・など

 

   C  農村の欠点      D 都市の欠点

 

経済的側面               経済的側面            

●就業機会が少ない                       ●地価が高い

●選択可能な職種の多様性が低い              ●事務所の賃貸料・家賃が高く、家が狭い

●一般商店やコンビニ・ストアが少ない又はない      ●通勤時間が長い 

●消費生活の華やかさがない                 ●交通マヒ

●交通・運輸の利便性が低い                 ●ゴミ問題・エネルギー問題など無駄が多い

                    ・・・・・・など                                ・・・・・・・など

 

生産環境的側面            生態環境的側面

●建築物など人工的な美がない                ●自然の欠如

●鳥獣の害がある(猪、猿、鳥、鹿など)            ●大気・河川の汚れ

                    ・・・・・・など         ●地下水の枯渇と汚れ

                                    ●飲料水の汚れ

                                   ●食品添加物入の既成食品の氾濫

                                   ●日照の不足

                                   ●都市災害時の大量死の可能性

                                   ●地下利用・高層化・暖房による温室化効果

                                   ●限りない都市農地や緑地の追い出しと

                                    宅地化・工場用地化

                                                           ・・・・・・・など

 

生活−社会・文化的側面      生活−社会・文化的側面

●かなりの農村に過疎性がある                ●画一化と個性の埋没

●生活・文化的施設の少なさ                  ●生活空間の過密性

 (図書館、集会ホール、スポーツ施設、劇場         ●学校格差と構内暴力

 美術館、博物館など)                      ●投稿拒否や家庭内暴力

●生活環境整備の低さ                     ●青少年犯罪の増加・悪質化

 (用排水施設、道路、鉄道、バス)              ●コミュニティの欠如

●買物場が少ない                        ●情報の過多

●基礎的および専門的な教育施設がない          ●過剰の競争性と過労死の可能性

●娯楽施設が少ない                      ●孤独と心身の健康阻害

●人権意識が低い(特に女性の地位)            ●震動・騒音・喧噪

●家の構造とプライバシーの少なさ             ●核家族化と高齢者の疎外

●対外的な閉鎖性                                             ・・・・・・・・など

●伝統固執的である

                      ・・・・・・など