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言葉の一人歩き −セクハラの定義は統一化するべき−

 セクハラとはなんであろうか。労働や教育など、公的な文脈における社会関係において他者を性的対象物におとしめるような行為を為すこと。特に労働の場において、女性あるいは男性に対して、当人が望んでいない性的行為またはそれに準ずる行為を女性または男性が行うことである。むろん、セクハラ行為は非難の対象になる。

 ただ、セクハラはその定義がはっきりしていない上、個人の感じ方一つでどうにでもなってしまうという面を持つ。今書いた定義は私の認識であって、他人はどう考えているかはわからない。これは問題ではないだろうか。俗には「性的いやがらせ」とされるセクハラも、職場において自分の隣に太った男性がいるだけでむさ苦しいのでセクハラだと訴える女性もいるのだ。それが世間的に通るかは別としても、裁判に訴えた場合に裁判官の良心によって判断されるので、その裁判官が偏った思想を持っていた場合、それがセクハラと認識されてしまう可能性もある。

 まがりなりにも検証作業のある強制わいせつ(悪質なセクハラならこれになるだろうが)とは違って、事実上、セクハラは当人の申告によって成立してしまうもの(セクハラをしたといった情報がながれた時点でその情報がウソであったとしても、その情報が一人歩きし、社会的にはかなりのマイナスになる。大方の会社においては社員がセクハラをしたかは二の次で、「セクハラをした」という情報が流れることを嫌うので)である以上、捏造も可能になってしまう。理論的には私怨を晴らす意味で他人を陥れることもできてしまうのである。

 もう一つはセクハラの定義がはっきりしていない以上、どこまでを不法行為のセクハラと認めるのかがはっきりしていない。一見セクハラのようでいて、そう認めるには不適当な場合が考えられる。ここを明確にしておかないと、たとえば身体検査で同性愛者が同性に対して身体検査の作業を行った場合に対象の人がセクハラとして訴える事や、裁判上でセクハラの有無を問うた場合にセクハラをうけたという側に事実かどうか確認する作業がありえるが、この点でセカンドレイプならぬセカンドセクハラをうけたとして、裁判官や争っている相手側に慰謝料を求めて訴える事も考えられる。

 後者においては驚いたことにその実例があったのだ。今年3月8日の毎日新聞の記事にセクハラを理由に懲戒免職された関西の大学の元助教授が処分の取り消しを求めた訴訟で、被害者として証人出廷を要請された元女子学生がセカンド・セクハラを受け心的外傷後ストレス障害(PTSD)になったとして、元助教授に慰謝料総額2080万円の損害賠償を求めて大阪地裁に訴訟を起こした例の記事があった。

 結論からいえば、元女子学生側が元助教授の処分取り消しを求めた訴訟の検証作業においてセカンドセクハラを受けた(PTSDになった)としても、それに対して元助教授に責任はなく、慰謝料を払う必要はない。

 そもそも元助教授はセクハラの事実がないと主張し、処分の撤回を求めて裁判しているのであって、その検証作業は当人の無実を証明しようとするものだから、正当な権利の行使であって不法行為ではない。捏造か否かを審議している以上、でっちあげとの反論をすることは正当な権利の行使である。それに対して損害賠償を求める事は、一度セクハラといわれたら、反論も許されず、すべて認めなければならなくなるという事だ。(反論すればセカンド・セクハラになるので)これは絶対に容認できるものではない。裁判所は元女子学生の訴訟を棄却すべきである。

 このようにセクハラの定義をはっきりさせていないことから、容易に捏造ができてしまったり、言いがかりにも等しいトンデモ訴訟がこれから多発する可能性がある。それを防ぐためにも速やかに法的な定義を作るべきである。