父島お化けガイド
はじめに
小笠原は東京の1000キロ南に浮かぶ諸島ですが、ここは本当に別天地です。リピーター率がかなり高いことからも、小笠原の魅力がうかがえます。先の大東亜戦争の時は、米軍は空港の利のある硫黄島を落としたわけですが、もちろん要塞と呼ばれた父島も多くの爆撃に悩まされたそうです。父島を廻ってみると、戦争の名残をいくらでも見つけだすことができます。道路工事をすると、いまだに相当数の不発弾が出てくるそうです。こういった日本が引き起こした戦争の惨禍を忘れないために、父島の怪談を集めてみました。肝試しなどの興味本位では行かない方がよろしいかと思います。なお、これらの話は、父島の土地勘の無い方は読んでも面白くありません。念のため。
1.大滝の野戦病院跡
ここはまったく洒落にならないので行かない方が良いと思います。大滝のジャングル(これが本当にジャングルなんです)の中に、大戦中の陸軍野戦病院の跡があります。昼夜を問わず、遊びでここに入ると、帰ってから高い熱を出して寝込むそうです。私が聞いたのはある宿(清瀬の宿です)のおかみさんの話ですが、旦那がやはり高熱で数日間寝込み、ひどい目に遭ったようです。また、夜に行くと「伝令!」の声が聞こえるとの話があります。地元の人も、そこに行く必要があるときは必ずお供えの清酒を用意するそうです。合掌。
2.境浦の浜江丸
ある人が教えてくれたのですが、浜江丸の周りで素潜りして遊んでいた人が水の中で「危ない。上、上!」とのかけ声を聞いて上を見上げたところ、浜江丸の錆だらけの鉄の部品が張り出していて、そのまま浮いてきたら頭に怪我をする所だったのだそうです。境浦の岸辺にいた人(小笠原タクシーの運ちゃんです)が声をかけてくれたものと思い、礼を言ったら「そんな声はかけていない」と言われたそうです。浜江丸から岸まで100メートル近くありますから、声は届くはずもありませんし、水の中の人の様子が見えるはずもありません。いいお化けで良かったですね。私も浜江丸のそばで素潜りしてみましたが、そういったことはありませんでした。
3.トンネル1
大村から扇浦に行く道にいくつかトンネルがありまして、境浦に出る二つ前の長いトンネルを、昼間に彼女と一緒に歩いて行きました。二人で会話しながらトンネルの中を歩いたのですが、「どうも二人以外の話し声も聞こえるようだ」と考えながら話していました。その時の私の頭の中には女性のイメージが頭に浮かびました。次の日に父島タクシーの運ちゃんに聞いてみたら、「ああ、あそこは女の幽霊が出るよ」とあっさりいわれてしまいました。私は一応サイエンティストの端くれですので、運ちゃんに「幽霊を信じますか?」と聞いてみたところ、「信じるも信じないも何も、この島ではいっぱい見るんだよ」という重みのあるお答えでした。迷信とかそういった類の話ではありませんね。
4.トンネル2
これは奥村から夜明山に上がっていく方にあるトンネル(長崎展望台の方)ですが、夜にはやはり出るそうです、女の幽霊が。トンネルだけではなく、この道沿いでも会えます。すごい形相をしているという話を別々の二人から伺いましたが、細かい話は二人ともしてもらえませんでした。あまりしゃべりたくない何かがあるようです。
5.三日月山
ウェザーステーションに上がっていく道の途中に「三日月荘?」という名前の宿舎の跡があるそうです。ここで女性の幽霊に遭遇できるそうです。なんでもこのあたりであった自殺(心中かな?)に関係があるとかないとか・・・。やはりこの話も伝聞ですので、詳しい話は分かりません。
6.宮之浜
看護婦さんのお化けが出るという噂です。幽霊はいずれとして、ここは夜に行くと明かりが全くなくて、とても怖いです。清瀬から峠を越えると、自分の手すら見えません。歩いていく肝試しならここがよいでしょう。