1月
胸部レントゲン検査
肺、心臓、胸椎、肋骨など胸部の臓器の病変を知るためにX線を照射してフィルムに濃淡の像を映し出す検査を胸部レントゲン検査あるいは胸部X線検査といいます。
間接撮影と直接撮影の2通りの方法があります。1本のフィルム上に連続して撮影する小さいサイズの撮影を間接撮影といい、大きなサイズで撮影する撮影を直接撮影といいます。直接撮影のほうが間接撮影よりも被曝量も少なく、また精度の高い情報を得ることができます。また正面撮影に加えて、側面撮影を受けると、さらに細かい情報がわかります。
胸部レントゲン検査は肺炎、肺結核、肺がんなど肺の炎症、腫瘍性病変の発見ばかりでなく、肝がん、胃がん、膵がん、大腸がん、甲状腺がん、前立腺がんなどの肺や骨などへの転移、心拡大などの心臓病の診断にも大切な検査です。さらに気管支炎、肺気腫、気胸、胸膜炎、肺線維症、肺門リンパ節の腫大、大動脈の蛇行、石灰化などの高血圧性変化、胸部大動脈瘤などさまざまな病気が発見されます。
胸部レントゲン検査を受けるときは衣類はなるべく身に付けないようにしましょう。最近の胸部レントゲン検査では非常に感度が高くなっており、身につけた衣類の線が写り、病変と区別が困難となることがあります。
X線が通る部分は黒く写り、通りにくい部分は白く写ります。肺に異常がなければ、肺の部分は黒く写り、中心部の心臓は白く写ることになります。肺に炎症や腫瘍がある場合は、病変部が白く写ります。肺がんの場合は不整な円形の白い影が映り、肺結核の場合は境界がぼやけた雲のような白い影が映ります。心拡大の場合は、中央の心臓部が大きく白く写ります。肺炎、心不全などにより胸水が溜まっていると肋骨と横隔膜の交わる部分が鈍角になります。
X線は胎児に影響を与えることがありますので、妊娠初期の撮影は避けましょう。健診などの胸部レントゲン検査で異常が疑われたときには、胸部CT検査、喀痰検査、気管支内視鏡検査、腫瘍マーカーなどの精密検査を受けましょう。
2月
心電図
心電図は心臓の電気的信号を体表面につけた電極から検出し、波形として記録することにより、心臓の活動状態を知るための検査記録です。 心臓の筋肉が全身に血液を循環させるために収縮と拡張を繰り返すときに、微弱な活動電流が発生します。心電図はその電流の変化を波形として記録して波形の調律(リズム)と電圧の大きさ(電位)を表示します。 安静時心電図検査はベッドに寝た状態で実施しますので、容易に行え、また安全な臨床検査です。
心電図検査により狭心症、心筋梗塞などの虚血性心疾患、不整脈、高血圧症、心肥大、心膜炎、動脈硬化症などさまざまな病気が発見されます。心電図には運動負荷を行って記録する負荷心電図があり、健診などでも広く行われています。 さらに不整脈あるいは狭心症などが臨床的に疑われる場合には24時間、あるいは48時間の通常の生活を携帯型の小さな装置ですべて記録してコンピュータで解析するホルター心電図検査もあります。
胸が締めつけられる痛みがみられた場合には狭心症、心筋梗塞の疑いがあるので必ず心電図検査を受けましょう。また内分泌疾患である甲状腺機能亢進症では心拍数が増加する頻脈がみられ、甲状腺機能低下症では心拍数が減少する徐脈がみられることがあります。高度な徐脈がみられる場合には心臓ペースメーカーが必要となることがあります。
心電図検査ではまたカルシウムイオンやカリウムイオンなどの血液中の電解質の詳しい状態もわかります。これらの電解質は心臓の収縮に必要なイオンです。もし心電図でこれらの電解質に異常が疑われたときには、内分泌ホルモン、腎臓を含めた精密検査を受けましょう。
心臓が止まると生きていけません。家族に突然死した人がいる場合には若いときから1年に1回程度の心電図検査が必要です。また 登山、水泳、ジョギング、マラソンなどのスポーツなどをする人あるいは喫煙者は定期的な心電図検査が必要になりますので、健診などで適宜受けましょう。もし平低T波、陰性T波、ST低下など虚血性変化がみられた場合には高血圧症の有無を含めて循環器科で精密検査を受けましょう。
3月
検尿
尿は血液が腎臓で濾過されて生成されます。したがって検尿により血液の状態や腎臓の機能、尿が生成されてから排泄されるまでのすべての経路の異常がわかります。また腎臓は体の維持に不要な老廃物や毒素を尿として排泄します。さらに細胞が生きていくための活動に必要なナトリウム、カリウムなどの電解質(ミネラル)の調節をする役割もあります。
腎臓に障害があると尿に蛋白質が漏れ出すことがあり、 尿蛋白といいます。腎炎やネフローゼ症候群などでみられます。また尿に糖がみられることがあり、尿糖といいます。尿糖は糖尿病などで血液中の糖(ブドウ糖)が170〜180mg/dlを超える場合や、腎臓自身の機能障害のためにおこる腎性尿糖の場合があります。
尿に血液が混ざっている場合を血尿といい、ごく微量の血液が尿に混ざっている場合を尿潜血(微小血尿) といいます。尿潜血陽性の場合には腎炎、膀胱炎などの尿路感染症、尿路結石(腎結石・尿管結石・膀胱結石)、腎がん、膀胱がんなどが考えられます。
古くなった赤血球は肝臓や脾臓で壊され、赤血球の中の血色素(ヘモグロビン)はビリルビンという胆汁色素として腸内に排泄されます。腸内に排泄されたビリルビンはさらに腸内細菌により分解されてウロビリノーゲンに変わります。ウロビリノーゲンの一部は腸管から吸収されて再び肝臓へと戻り、腎臓から尿中に排泄されます。正常でも尿中にウロビリノーゲンは少し含まれますが、溶血性黄疸や肝臓の障害などがあると、尿中にウロビリノーゲンは増加します。
尿中に白血球が出てくる場合は尿路感染症です。代表的なものは大腸菌による膀胱炎です。
検尿する時は食直後は避け、またビタミンCを多く含むサプリメント、清涼飲料水、ドリンク剤などは摂らないようにしましょう。多量のビタミンC摂取により尿糖、尿潜血などで本来は陽性にもかかわらず陰性となってしまう偽陰性となることがあります。
検尿により糖尿病などさまざまな病気が発見されることがありますので、健診などで定期的な尿の検査を受けましょう。