20111

浮腫

 

 浮腫はむくみともいい、からだを構成する細胞と細胞の間の液体、すなわち細胞間質液の増えた状態です。細胞間質液はまた、間質液、あるいは細胞間液、組織液ともいいます。

 浮腫は心不全などによる心血管性浮腫、肝硬変などによる肝性浮腫、ネフローゼ症候群などによる腎性浮腫があります。

 心血管性浮腫は心臓のポンプ機能の障害あるいは血栓のためにリンパ液の貯留により起こります。肝性浮腫は肝硬変などにより浸透圧を維持するたんぱく質(アルブミン)が減少するために起こります。また腎性浮腫はネフローゼ症候群など腎臓からたんぱく質が失われて、低たんぱく血症となるために起こります。

 軽度の浮腫は健康人であっても立位で長時間いた場合などでは夕方に起こります。浮腫があると皮膚に圧痕が残ります。圧痕はくぼみともいい、皮膚が物理的にへこむ現象です。皮膚に圧をかけると、皮膚の血管の血液が排除されるため、蒼白になり、圧をとれば、この蒼白は消失しますが、この現象は浮腫の存在とは無関係です。

 浮腫は橋本病などの甲状腺機能低下症でも見られます。この場合には、圧痕は残さず、粘液水腫といいます。川崎病(急性熱性皮膚粘膜リンパ節症候群)のときには硬い浮腫がみられ、硬性浮腫といいます。

 全身性の浮腫の場合、明らかな浮腫が起こるまでには、体重は10%程度の増加がみられています。したがって全身性の浮腫は体重測定をするとわかります。全身性の浮腫は脛(けい)骨前面のほか、からだのさまざまな部位で観察できます。すねである脛骨前面は下肢なので、上肢に比べ浮腫が起こりやすいこと、また皮膚の下面が骨であり、皮下脂肪もつかない場所なので、観察に適しています。

 腎性浮腫の場合には眼瞼に浮腫がみられやすいです。二重まぶたの場合には軽度の浮腫でも一重まぶたとなるので、眼瞼の観察は重要です。また腎性浮腫は朝に顕著になるので、朝一重まぶたになるか観察することが必要です。

 浮腫がみられる場合にはさまざまな原因がありますので、医療機関で精密検査を受けましょう。