2003.10.03


 発表:『フェイス侵害に対する言語行動について』 (山本)

  後期最初のゼミで、いきなりの恒例院生発表のプレ発表。といっても明日本番発表なんですが…
  フェイスが侵害されたときに、自分のフェイスを守るために人間がどのような行動をするのかということを見るべく、
  テレビ討論番組をちまちまと調べた結果を発表。行動の意味づけの難しさを知る…。
  ポライトネスの概念を用いてみましたが、なんとも奥が深い。
  誰に対しても説得力を持った分析をするのはむつかしいですなあ。さめざめ…。
  ところで、自分のフェイスに対する行動って、結構言われてるんでしょうか。ご存知の方、ぜひともご教授を。

  あと、いい加減にそろそろ『Politoness』の邦訳が出てくれないかなあと思う今日この頃。




2003.10.10


 特になにもなく

  来週の3年生発表のためのプレを予定するも、実は3年生は12月に発表すると判明。
  よって特にすることもなく、研究テーマを抱えて迷える子羊は先生にご相談。基本的にまったり。




2003.10.17


 週末が国語学会中四国支部のために、ゼミはお休み

  今週末に、島根で学会があるために、先生院生が総出。
  学生はつかの間の急速をお楽しみください。
  といっても、4年生は教育実習で悲鳴を上げている模様。耐えるのだ。




2003.10.24


 沖家室島調査 まとめ作業1

  今年の夏に行なった、沖家室調査のまとめ作業を行なう。
  期限は12月までとの指令のもと、全員一致できりきり作業を行なう。
  『間に合うかしら…』という疑問を振り払いながら、まとめてます。
  web公開しますので、乞うご期待。




2003.10.31


 沖家室島調査 まとめ作業2

  あっという間に10月も終了。そろそろ4年生と一部院生の顔色が悪くなってきます。
  差し迫る切迫感はとりあえず置いておいて、本日も調査のまとめ。
  それぞれのグループが、てきぱきと作業をしています。仕事が速い!




2003.11.07


 発表:4年生×3

 『岐阜県東濃地方の漢語的方言語彙に関する研究』 (木村)
 『場面による発話の変化に関する音響音声学的研究』 (大賀)
 『五島列島玉之浦町方言における語末音の撥音化・促音化に関する研究』 (河浪)


  再来週が卒業論文の中間発表のため、4年生が発表をしました。

  木村さんの発表は、岐阜県の東濃地方の「漢語的方言語彙」を調査した報告でした。
  漢語的方言語彙とは、地方の方言の中で、漢字を音読みしていると見られる言葉のことをさします。
  この漢語的方言語彙をピックアップして、それを使っているかどうか、
  また、本来の読み方や意味から、どのように変化されているかについて考察をしていました。
  例えば、「困憊(こんぱい)」という言葉があります。疲労困憊の「こんぱい」です。
  これが、本当の中国語では「苦しみ疲れる」という意味、つまり今私たちが使っている意味と同じなのですが
  東濃地方では、「迷惑」という意味で使われているようです。同じくネガティブな言葉ですが、意味が変化しています。
  こういう言葉を考察するということです。いろいろと証明する手段が大変そうですが、壮大なロマンあふれる調査です。

  大賀さんの発表は、ラジオ番組を録音して、同じアナウンサー(”パーソナリティー”とか”DJ”とかいったほうがいいんでしょうか?)が、
  ニュースを読むときと、その他のとき(フリートーク、お手紙紹介など)とが、話し方でどんな感じで違っているのかを
  音声中心で分析してみたという発表。音声分析ソフトを使った模様。
  いきなり表やグラフが出てきて、ど肝抜き。音声ってのは数字が出たり表が出たりと、なんだか理科系みたいで新鮮な気分。
  しかし、表の見方や術語などが独特ですな。なんとも難しい。
  普段ラジオを聴いていると、「おいおい、今ニュース読んだのってあの番組のちゃらんぽらんなアナウンサーかよ」ってことが
  しばしば起こるものですが、その違いが具体的になったら面白いなあと思います。

  河浪さんの発表は、五島列島の福江島の調査の報告。長崎港から5時間の距離はダテじゃなく、言葉の違いてんこ盛り。
  録音のテープを少し回してもらうも、全員がまったくわからぬ中、それを当然のように翻訳する河浪さんを見て、ネイティブの恐ろしさを痛感しました。
  撥音化とは、語の一部が撥音(ン)になることです。例えば、「はいなはれ」が「はいなはれ」になります。
  促音化とは、語の一部が促音(ッ)になることです。例えば、「だか」が「だか」になります。
  特定の音にこれが起こるのが玉之浦の特徴のひとつであるということらしいです。う〜む、勉強になります。聴きなれない言葉に、全員釘付けでした。
  ちなみに、河浪さんの報告の中に
  「ミンノミンニミンノハイッ」(右の耳に水が入る)というものがありました。
  近畿地方でも、その地方の言葉の特徴を端的に示す笑い話として、
  「コレチャウチャウトチャウンチャウ」「チャウチャウチャウチャウヤナイ」
  (「これチャウチャウと違うのではないですか?」「違う違う、チャウチャウではありません」)というものがよく言われます。
  それぞれの地方で、こんな感じの言葉があるのかもしれませんね。興味がわくところです。

  3者3様、それぞれの特徴がでた面白い発表でした。




2003.11.14


 発表:4年生×4



  次の日が卒業論文の中間発表のため、4年生が発表をしました。
  今回は宇根さんも加わり、4人が発表した模様です。
  「模様です」というのは、管理人である私が
  体調崩してゼミを休んだためです。
  みなさまもお体におきをつけください。

  したがって、今回どのようなことが行なわれていたのかは
  離れた場所でウンウンうなっていた私は知るはずもなく
  具体的な様子は書くことができません。
  決して何か内容が気に食わないとかいうわけではないので、ご容赦を。

  4年生のうち3人は、先週のテーマをさらに進めたようです。
  残る宇根さんは、野球場での『ヤジ』をテーマにした研究です。
  個性的な研究だなあと思い、進展を楽しみにしていたのですが
  どうなったのでしょう。

  ここで、当日の様子を知る人物の話を引用します。
  「不思議と、よくまとまっていました」
  なんだかよくわかりませんが、よい発表ができたようですね。
  4人の研究が進むことをお祈りしましょう。
  ついでに、体調も悪くならないようにお祈りしましょう。




2003.11.21


 沖家室島調査 まとめ作業3



  沖家室島調査のまとめを引き続き行ないました。
  11月もあっという間に下旬にさしかかり
  目標にしている「12月公開」が重くのしかかる…。
  



2003.11.28


 『新語における和語の造語力 −若者世代の女性誌にみられる新語−』 (宮本)



  3年生の発表会が近づいてきたということで、宮本さんが発表をしました。
  新しく作られたことばである「新語」のなかに、和語がどのくらいあるか、どのようなものがあるかを見て
  「和語は造語力が弱い」といわれている先行論に斬りかかりました。
  『non-no』を一冊丸々見て、文字をピックアップするという苦行を成し終えた、渾身の発表でした。
  あとは、「ひらがなとカタカナ」「和語と漢語と外来語」「新語と旧語」という
  それぞれのエッセンスがこんがらがらないようになると、説得力が増すと思いました。
  オノマトペが多い、『〜感/〜風/〜テイスト』などの雰囲気を表すものでも使われる語が違う など
  いくつか面白い特徴もみられました。今後いろいろと広がってゆきそうなテーマでした。
  
  それにしても、摩訶不思議なのは新語。
  『秋テイスト』『ピュア肌』ぐらいなら何とかわかりますが
  『ゆるりんレイヤードスタイル』『重ね着ワンピース』になると、何がなにやら。
  「?」マークが浮かびまくる男性陣とは対照的に、対象物をさっさかと思い出せる女性陣が超人に見えました。




2003.12.5


 『長崎佐世保方言における待遇表現−身内尊敬表現の用法−』 (谷口)



  3年生の発表会での、残る1人の発表者である谷口君の発表。
  彼の地元である佐世保のことばから、待遇表現(人に応じたことばの使い分け)について調査をし
  その結果を紹介してくれました。
  ある女性の自然談話を録音して、その中で『身内敬語』が出るのをひたすら待つという
  根気とバクチ運が必要な調査。
  『身内敬語』というのは、そのままの意味で、身内に対して使われる敬語のことです。
  「○×課長はただいま留守にしておられます」などのウチに対する敬語はダメと言われる昨今ですが、
  西日本では自分の家族に対して、敬語が使われるようです。
  例えば、
  ウチン バーチャンナ コガン シヨラシタトデスヨ
  (うちのお婆ちゃんは、このようにしておられたのですよ)
  という形に。ちなみに佐世保では「〜ス・〜ラス」が尊敬語です。
  敬意の対象が誰か、誰が誰に話しているのかなどの関係を見れば
  それぞれに内面化されている家族の概念とも言うべきものが見えてきそうですね。期待。




2004.1.9


 あけまして おめでとうございます



  というわけで、年始はじめ。
  今後の予定を計画し、今日は解散。
  そろそろ修士論文組がカツカツです。
  今年の春は、例年と異なり講読をすることに。
  どうなることやら。




2004.1.23


 『共同発話に関する語用論的研究』 (脇)



  とりあえず、尾崎君、脇君提出おめでとう
  というわけで、要旨発表を無事終えた脇君が、発表をしてくれました。
  共同発話という事象を分析した発表でした。
  言語事象の分析はもちろんですが、単純にそれに留まらず
  社会的な機能にまで目標を設定した所に注目しました。
  「親しさ」の形成について、いろいろと考察が深まりました。
  
  発表の内容からはすこし話がそれますが
  「共同発話が親しさを形成する」
  「親しさを確認する手段として共同発話をする」
  どういう関係なのかと思ったり。
  互いに全く別のものなのか、
  それともその過程を繰り返して親しさを構築するのか。
  なんとも難しく、そして刺激的な内容でした。
  完成を期待したいと思います。




2004.1.30


 4年生の(提出済の)みなさま、おつかれさまでした



  もうはや1月も終わりですねえ。
  というわけで、来週月曜日が4年生の卒業論文の提出期限。
  数名は提出を終え、数名は追い込みにかかる。
  それぞれペースはあるでしょう。最終的に出せば勝ち。
  今日はその様子を聞いておしまい。
  来週は4人のプレ発表。忙しくなる予感。




2004.2.6


 4年生の(全員の)みなさま、おつかれさまでした

 『ヤジの民族誌学的分析』 (宇根)
 『場面による発話の変化に関する音響音声学的研究』 (大賀)
 『五島列島玉之浦町方言における語末音の撥音化・促音化に関する研究』 (河浪)
 『岐阜県東濃地方の漢語的方言語彙に関する研究』 (木村)


  あっという間に提出期限も終わり
  気づけば次の日が要旨発表というこの日
  4名の4年生がプレ発表をした模様です。
  一身上の都合で私がゼミに出席できなかったため
  当日の資料を見て、コメントをしてみます

  宇根さんの発表は、前にも述べましたが、
  球場に行き、ヤジを採取して分析するというもの。
  タイトルからしても、オリジナリティーが爆発しています。
  ヤジの形態や目的の分析を通して
  球場という場における客・選手という役割について触れていました。
  世の中、ヤジに対してはいろいろな思いがあるようで
  『ヤジなんて野蛮なものザマスわ。使う人なんて信じられません』
  という清廉潔白な人もいるようですが
  宇根さんが「採取したデータを打ち込むたびに心が痛んだ」とコメントしたように
  およそこの場に書けないようなヤジが飛んでいるのも事実。
  このようなやり取りが、何故成立しているのかについても、興味がわきますね。
  「これはウソよん」「これは役割としてのセリフよん」というような
  メタコミュニケーション上のカラクリが隠れているようにも思えます。
  「勉強不足で十分な論文ができなかった」と書いている宇根さんですが
  いやいや、よくがんばりました。えらいえらい。

  続いて、大賀さんの発表に。
  「ごめん、俺が悪かった」ということばが出そうになるほどに襲い来るグラフと数字。
  細かい分析は置いておきますが(←逃げ)
  ニュースはキャスターが違っても<速度一定><高さ一定>
  その他の場面では、キャスターにより速度も高さも異なってくるというようです。
  このことから、<情報を伝える>と<楽しませる>という
  ラジオの持つ2つの機能を踏まえて、スイッチングしているという結論でした。
  数十年前のNHKの放送では
  ニュースだろうがなんだろうが、同じような話し方だったそうです。
  それが、何故にスイッチングするようになってきたのかを考えると
  社会の中での「ラジオ」という媒体の役割の変化が見えてきそうです。

  続くは河浪さんの発表。
  例の「ミンノミンニミンノハイッ」です。
  膨大な数の自然談話のテープを、泣く泣く文字起こしした成果です。
  五十音図のうち、結構多くの音が語末に現れず、考察できないという
  自然談話の採取ならではの弱点に苦しみましたが
  それならではの、実際の会話を感じさせる特徴が魅力的な発表です。
  採取できた音で比較すると、先行研究で言われている周辺地域と違うもので
  玉之浦のことばに対して、よい貢献ができたと思います。

  最後に、木村さんの発表を。
  もともと中国語であった語彙が、日本の方言においてどのように残存(定着)しているかについて
  語形成・発音の観点から考察を行ないました。
  「もともと」という観点を、通時的にどこまで厳密にするかという点に
  とても大変な作業が必要となると思いますが、なかなか面白いものでした。
  人間、なかなか欲張りなもので
  よそのことばを取ってきては、ひっつけはっつけあちこち変えたりして
  便利の良いように変えたりする癖があるようで。
  ことばの世界に、著作権というものはないようです。
  漢語と和語の語形成上の特徴も指摘しており
  宮本さんの研究を思い出しました。
  「漢語」もそうですが、最近では「英語」もいろいろとありそうですね。
  「ツーショット」とか「テレビゲーム」なんて英語は向こうに無いって聞きますし。
  (後者は向こうでは「video game」なんだそうで)
  これを、
  「勝手にことば作って、あれまあはずかしい!」ととるか
  「なんともまあ、本当に器用なもんだなあ」ととるか、それは解釈の自由。





2004.2.24


 4年生の追い出し会



  尾崎君、宇根さん、河浪さん、大賀さん、木村さん、竹内さん
  ご卒業おめでとうございます。
  あなたたちのことは、忘れません。
  
  二次会でいらん歌を歌った皆様へ。
  あなたたちのことは、忘れません。










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