2004.4.13 今年度最初の研究会。

会計もこのHPも担当が変わりました。
世代交代といえばそうですが、それは頼りになる院生が顔を見せなくなることを意味するわけで。

そんな不安の中、何と新顔が10人!先生も入れると合計で20人となりました。
20人・・・おそらく研究会始まって以来の人数ではないでしょうか。
まずは顔と名前を覚えなくてはなりません。
2004.4.20 新歓等の日程を決めつつダラダラと。

来週からは眞面目にやります、はい。
2004.4.27 今日からやっと本格的なスタートです(笑)

まずは3時半から勉強会なるものを開始しました。
授業の関係で、3時半集合の人と4時半集合の人がいるのを受けた措置です。
言語学の基礎からきちんと教える、という講義が国文には存在しないので、
ソシュール以来の様々な概念を確認する必要があるだろうと。
特に今年は留学生の方が2人いらっしゃるので、まずは基礎からということになりました。
かといって、コペンハーゲン学派がうんぬんとまではしないと思いますが。

4時半からは、研究発表の近づいた3年生の相談タイムにしました。
最初は自分が何に興味があるのかすらわからないものです。
ぼんやりとしすぎて上手く言えないというのが、まさに今の3年生のようです。

「人は語れない事柄について沈黙しなければならない」というヴィトゲンシュタインの言葉が頭をよぎります。
「言葉にならない思い」を汲み取るか否か。難しいところです。
2004.5.11 3時半からの勉強会は、町田健先生の「よくわかる言語学入門」を読んでます。もともと日本語教師を目指す人向けなので、非常に分かりやすい。まさに「よくわかる」です。逆に簡潔すぎて誤解しそうな箇所もありますが、入門にはもってこいかと。
久しぶりに「通時」「共時」とか「構造」「体系」といった概念に触れました。懐かしい・・・。深く考えるときりがない概念ではあります。

後半の部は、M1長本さんの発表でした。
題目は、「文学作品の会話中の文末詞に見られる性差−明治期を中心として−」
次の一歩をどこに踏み出すのかが大きなポイントになると思いました。
このまま単純に対象を広げる、ジェンダー、文末表現など方向性はいくつかあります。
それをすんなり決められれば苦労はないですが(笑)

「文末詞」か「終助詞」か。広島大学に在籍する以上、1度は考えておきたい問題ですね。
方言学ではまだ「文末詞」を見ることが出来ますが、言語学や現代語を対象とした研究では「終助詞」が用いられています。
「モダリティ」とどう関わるかも考えなくてはなりません。
個人的には、談話レベルやコミュニケーション過程の研究が盛んになってきた状況を考えると、「文末詞」に込められた考えや姿勢は再評価できるものだと思うのですがいかがでしょうか?
2004.5.18 今日は最初から発表となりました。
谷口君(4年)のミニ発表です。

最近の若者ことばで気になるものをチョイスして議題にしてくれました。
また、若者ことば批判に対する批判、も。
確かに、最近の若者ことば批判の多くは感情論に偏っているように思います。
研究に携わる者としては、その批判も研究の対象にするとより考えが深まるでしょうね。
いくら「正しい日本語」は無いと訴えても、あの類の批判が消えないのは何故でしょう?
2004.5.25 先日、金田一春彦先生が亡くなりました。
直接お会いしたことはありませんが、僕らがその御業績から多くの恩恵を受けていることは間違い有りません。
ご冥福をお祈り致します。

前半はいつものように勉強会です。
音韻論に触れました。
最小対、異音、相補分布、自由異音などなど余計混乱した感が・・・。

後半は砂田さん(M2)のミニ発表。
最初、議題に乗せられたのは「私的言語はあるか?」だったのですが、
「人は分かり合えるのか?」という方向に話は進み、結構盛り上がりました。
盛り上がった原因は、僕が「分かり合えるわけがない」と言ったから(笑)
経験的なレベルと学問上の論理的帰結をどう整理していくかもポイントかもしれません。

あなたは誰かの気持ちを完璧に理解できますか?
2004.6.1 前半は勉強会。今日から意味論に入ります。
「人は<意味>という病に取り憑かれている」みたいなことを誰か言ってませんでしたっけ?
適当に発言するのはやめておきましょう(笑)
「意味」を追究すると「意味」の「意味」が気になってきて・・・、と言いたかったのです。

後半は3年生の発表でした。
発表会に向けての練習みたいなものです。
まずは形式の指摘を中心に。内容はまた来週ということで。
2004.6.8 勉強会は引き続き意味論です。
しかし一番盛り上がったのは「たぬきそばの特徴は何か」でした(笑)
きつねうどんといえば油揚げ。しかもそれは「油揚げがきつねの好物だから」という理由で、です。
では、たぬきそばは?という話題展開に・・・。
「たぬきうどん」の目撃談も出て来て混乱したところでお時間となりました。

後半は先週に続いて3年生の発表です。
いよいよ今週の土曜が本番となったわけですが、形式も内容も前回に比べずいぶん整っていました。
素晴らしい。
その努力こそが評価に値すると思います。内容は卒論に向けての良いきっかけにしてくれればと。
2004.6.15 「そろそろ調査の話をしようよ」
先生からの衝撃的な一言でした(笑)
「トマスの定理」に従って「現実」として存在しなくなることを期待したんですが、やはり無理だったみたいです(笑)

そんなわけで、まず合澤さん(4年生)の題目発表を。
大分県の佐賀関における性向語彙を研究する、とのことでした。
管理者と同郷なので個人的に非常に気になります。

ついでに管理者の博士論文に向けての決意発表を。
題目と幾つかのキー概念(予定)を報告しました。

3年生が合流して調査の説明を。
詳細はまたおいおいというこで。
2004.6.22 先生が風邪でダウンしました。
そんなわけで3時半からはのんびり雑談を。
谷口君と宮本さん(4年生)が教育実習から帰って来たので、その感想を聞きました。
「楽しかった」とのことで何よりです。
2人とも良い先生になれると思いますよ。極めて個人的な見解ですが。

3年生もそろったところでまたもや調査関連のことを。
調査(面接法)の一連の流れを説明しました。
また、沖家室島の属する東和町が宮本常一の出身地ということで、民俗学の話をしました。
方言学と民俗学、言語学と人類学というのはかなり密接な関係ですし、知識としても非常に有用で興味深い分野です。
最後に宮本常一の「土佐源氏」をコピーして配ったんですが、みんな読んだかな・・・?
2004.6.29 今回こそ本格的に調査内容を詰めることに。
その結果、8/18〜8/20ということで決定。
目的は沖家室島もしくは東和町の方言辞書編纂(数年かけて)。
調査項目の方向性も決まりました。

来週あたりから調査簿を作りたいですね。

調査初参加の人向けに面接法のレクチャーをしました。
やはりアクセントが難しいようです。
習うより慣れろ、ですね。正確でないデータになっても困りますが、フィールドワークって個人の能力に負うところが大きいですから。

フィールドワークは非常に良い経験になります。
管理者も多くの着想をフィールドから得てきました。
学部生にとって、いろんなことを考え、感じるきっかけになればと思っています。
2004.7.6 ついに?やっと?調査の班が決定しました。
近日中に、「’04沖家室島調査」のページを作って具体的な報告を随時していこうと思います。
来週は調査簿作りに入ります。
2004.7.13 調査簿作りが始まりました。
まずは6つの班に分けて、それぞれで項目を立てます。
6つの班分けと項目立ては、主に村岡浅夫(1981)『広島県方言辞典』南海堂、を参考にしました。
項目には、柳田国男・原安雄(1943)『周防大島方言集』(復刻版 1977 国書刊行会)中央公論社、も参考にしました。

来週は調査簿完成と絵カード作成の予定です。
2004.7.20 今週も調査簿作り。
何とか夏休みにずれ込まないようにと各自頑張ってみました。
班によってはほとんどを絵カードに頼るところもあって、その作成にまた一手間かかりそうです。

個人的には交通機関のチェックやカード作りなどの作業を忘れないだけで精一杯です・・・。
2004.10〜11 ある日のことでした。このHPのデータを入れている研究室のPCが、突然ネット接続できなくなったのです・・・。
データとビルダーを自分のPCに入れるのも辛いので、泣く泣く未更新のまま今日まで。
どれだけ閲覧者の方がいらっしゃるかはわかりませんが、ご迷惑おかけしました。

もちろんこの間も研究会は続けられていました。
博論、修論、卒論、研究発表とそれぞれにとっての大仕事をこなしつつ、今日まで研鑽を重ねております。
特に3年生は、研究発表と演習を経験することで成長しているように思います。

これからもより活発な活動とHP更新をしていきますので、よろしくお願いします。
2004.12.7 今日は、3年生の研究発表会プレ発表でした。

岡田さん「広島大学の学生における方言意識について」
長谷川さん「大分方言における気づかない方言について」

それぞれ随分まとまってきたように思います。
岡田さんの発表では、出身地域ごとの広島方言受容状況が分かってくると面白くなりそうです。
特に関西方言を母語とする人達や中間方言に注目したいですね。

長谷川さんの発表は、管理人の出身地が大分なので興味がわくところです。
大分からどこに移り住んだかが大きなポイントになりそうです。
ふと気になったのですが、他地域の方言に寛容な土地柄ってあるんでしょうか。
京都は厳しそうですねぇ・・・。こういうのを「ステレオタイプ」というんですね(笑)

本番は今週の土曜日です。
2004.12.14 先生が風邪でお休みです。Mも軒並みお休みです。
どうしましょう(笑)

というわけで、何の変更もなく管理者が発表を。
辻大介(1999)「若者語と対人関係」『東京大学情報研究所紀要」57,Pp17-42
を元に、若者の対人関係について問題提起してみました。

まず、辻論文が証明したように、世間一般の「傷つきたくないし傷つけたくない」「表層的で希薄な関係」という若者像は
「俗説」であることを確認しました。
ちなみに管理者は、これらが「非若者」による「若者」への一種の「スティグマ」ではないかとこっそり考えています。
「俗説」の確認を終えた後、辻先生が提案する「聞き手の共犯化」という概念にも疑問を投げかけました。
「責任逃れ」という点では見事に的を射ていますが、「共犯化」は違和感があります。
一体誰に(何に)対する「責任」で、なぜ逃れる必要があるのでしょうか?
別に怒られる訳ではないと思いますが・・・。

そして、結局「若者」の志向する関係とはどんな関係でしょうか。

このあたりはやはりゴッフマン(アメリカの社会学者)が役立ちそうです。
日々勉強です。
2004.12.21
今回は長本さんのミニ発表です。

ふと気づくと、あなたの財布がありません。誰かに盗られたようです。
あなたなら友達にどう報告しますか?
@「財布を盗られた」 A「財布が盗られた」

どちらも言える、という人へさらに質問です。
@とAの違いはどういう点ですか?

長本さんの調査によると、男性は@、女性はAを回答する傾向が見られたそうです。
おそらく@とAの違いは「視点」なのではないでしょうか。
性差は男女のコミュニケーションの志向、いわゆる「リポート」「ラポート」の差からくるものではないかと。

あなたならどちらを使いますか?
2005.1.11 明けましておめでとうございます。
本年も旧年中同様御贔屓のほどよろしくお願い致します。

新年最初の研究会は、年度終わりにふさわしく(?)時枝誠記の『国語学原論』を少しかじってみようと思ったのですが・・・。
管理者と先生以外にはウケが悪かったのです(笑)
結論から言えば、難解なのですね。
ちょうど管理者が考えていることと一致する箇所が多く、今読んでも大変興味深いのです。
抽象的なお話は学年の区切りにちょうどいいかと思ったのですが、抽象的にもほどがあったみたいです。反省。
来週はどうしましょうか(笑)

後半は管理者がミニ発表を。
いくつか言い放ったのですが、一番盛り上がったのは「今の人」という表現についてです。
中高年〜老年層の人が若年層を指して使う「今の人」(例「今の人は○○のような言い方をする」)という表現は、一体どういう心理状態で使われているのでしょうか。
「若年層=今」とすることで出来上がるのは「自分(たち)=非・今」という構図です。
「非・今」というのは一体どういう事なのか。また、そのようにラベリングすることでどのような効果があるのか。
「今」の捉え方やその価値に世代差があるのかもしれません。
それはある程度普遍的なものか、それとも現代的特徴を帯びたものか。

また、この日は修士論文の提出日でもありました。
無事に済んだようで何よりです。お疲れ様でした。題目は卒業論文と一緒に掲載する予定です。
4年生は焦らずに、とにかく書き上げることを目指してはいかがでしょう。
完璧である必要はないし、それを追求(あるいは追究)すると煮詰まるよ。管理者みたいに(笑)
仮・完成の内容を見直ししながら完成させた方が、精神衛生上絶対に良いはず。
まぁ進め方は人それぞれですからね。要は心理的なドツボにハマらないよう気を付けて欲しいわけです。
2005.1.18 今日は斉藤さんに修士論文の要旨を発表してもらいました。

題目は「コミュニケーション障害児に対する関与者の態度形成に関する研究」です。
言語学の領域を一歩出てコミュニケーション研究というレベルで捉えられる研究です。
「言語学ではない」という声が聞こえてきそうですが、そもそも「言語学」とは何が対象なのか、というのも考えてみたいところですね。

内容は大変興味深いものでした。
管理者の研究と少し重なる部分があって、多くの示唆を得ることができました。
一見とりとめのないインタビューを丹念に分析し、論文として形にするというのがどれほど大変なことか・・・。
本当にご苦労さまでした。
2005.1.25 今回は「男」と「女」について考えてみました。恋愛論ではありません。それも面白いですが(笑)

最近のイオングループ(ジャスコなど)のCMをご存知ですか?
ある奥さんが旦那さんに相談する場面から始まります。
その相談とは、小学校に入る息子がオレンジ色のランドセルを欲しがっている、というもの。
「オレンジだよ?何とか言ってよ」という奥さんに対して、旦那さんが「何とかって・・・」と困惑します。
結局「お前の好きにしろ」と旦那さんがにこやかに語りかけて終わる、というCMです。

生物学的(先天的)な性ではなく、社会的(後天的)な性を「ジェンダー」と言います。
「男らしい」「女らしい」というものの大半がジェンダー研究の領域に入ります。
その価値観は言葉によってラベリングされ再生産されていく、というのが彼・彼女ら(←ジェンダー研究者的表現)の主張です。
弱々しく情けない男性のことを「女々しい」と表現するのは、男性優位社会の典型例とされてきました。

「その通り!女性は不利だ!」or「まぁ、言いたいことはわかるけどねぇ・・・」
あなたの感想はどちらですか?
2005.2.1 2月になりました。ここ西条は大雪です。
今日の研究会は雪のため中止となりました。
夜からまたひどくなるらしいですし、帰れなくなっては一大事。

昨日は卒業論文の提出日でした。
4年生のみなさん本当にお疲れ様でした。
今週末には要旨発表会がありますよ。

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