2006.10.17. 大変ご無沙汰しております。
怠けている間に季節は変わり(西条は相変わらず夏ですが)、プロ野球の日本シリーズ直前になってしまいました。
日本ハムがリーグ制覇するなんて誰が予想したでしょうか。

そんなこんなでゆるりと更新してまいります。
夏の調査のまとめは今月末に行うことになってまして、その間は3年生の研究発表に備えるわけです。
プレ発表までの状況では、発表者と題目は以下の通り。

長谷川ひかる「若者ことばと方言」
真鍋朋代「徳島県下にみられる方言文末詞『ダ』について」

長谷川さんに関しては、プレ発表の時にちらりと見聞きしただけなので何とも言えませんが、新方言の研究がしたいみたいですね。
真鍋さんは、プレプレからみんなにあれこれ質問されていたので、ずいぶん形が整ってきました。やっぱり文末詞は面白い。ネイティブにしかわからない微妙な差異がミソなんです。この「ダ」(共通語なら「よ」に近い)の場合、形式的な側面より音声的な側面の方が、意味に及ぼす影響はかなり大きいようです。ただ、機能と意味(=効果として)をわけるなら、形式的なところでも機能はまとめられるのかもしれません。どうあれ、性差もあるようですし計画的な調査が必要ですね。

2006.10〜12 拝啓、ジョン・レノン・・・もとい忍耐強い素敵なみなさま、お元気でしょうか。
後期の報告が現在2回目というとんでもないことになりまして(笑)
管理人が右往左往、紆余曲折、五里霧中の状態でして、ご迷惑をおかけしました。

さて、今回は先日行われた4年生中間発表会と3年生研究発表の報告をしたいと思います。
まず4年生の発表について。題名は以下の通りです。

 金堂 尭人「スポーツ新聞の表記に関する研究」
 川口 真澄「コミック雑誌における人称代名詞の使用実態」
 錦織 斉太「現代出雲方言音声の実態」
 東 恭子「日韓の感動詞の比較研究」
 三ツ井 芳恵「方言接触による言葉の変化についての研究」

みんな着実に進んでいる印象でした。このまま順調に卒業論文を仕上げてくれると思います。
管理人としては、金堂くんの研究が気になります。もちろん良い意味で。
知らない間に色と言語の関係を追究する内容になっていて驚きましたが、とても面白いと思います。
金堂くんは、言語心理学(心理言語学)や認知言語学あたりに興味があるのかもしれませんね。
色とその印象は個人的なのか社会的なのか、どちらにせよ言語が深く関わっているように思います。

3年生の発表ですが、題目を忘れました・・・。
松岡くんは、出身である鳥取中部地方の方言を調べてくれました。西部・中部・東部における勧誘表現を取り扱うことで、形態とその伝播を考察していました。フィールドワークとインフォーマントの拡大がポイントですね。伝播状況と原因という動的な部分が明らかにできれば面白いと思います。

渡部さんは、副詞「すごく」について発表してくれました。
例えば、次のような例です。

(1)「このケーキはすごくおいしい」、
(2)「このケーキはすごいおいしい」

文法的には(2)は誤りです。そもそも副詞「すごく」は、形容詞「すごい」の連用形から転じたわけです。つまり、接続関係がおかしいわけですね。「副詞」という概念自体難しいのですが、渡部さんは、なぜこのような現象が起きるのかを統語論的に解明しようと試みました。
実は、管理人も学部生の頃、授業のレポートとして同じテーマを同じような結論で提出したことがあります。
しかし、今考えると、副詞「すごく」からアプローチするよりも、形容詞「すごい」からアプローチした方がうまく説明できるかもしれません。

来週は真面目に更新したいと思います。これは発話行為論的には「宣言」に近いですよ。「約束」ではありません。

2006.12.19 今回は真面目に更新です。

19日は今年最後の研究会でした。
まずは、4年生と熱い議論という名の雑談を交わしました。半分以上は「卒論が・・・」という嘆きと呻きを聞いておりましたが(笑)
話題に上ったのは、「待たせてごめんね」という発話に対する「いえ」と「いえいえ」という返答の問題でした。管理人の体験から話題にしました。「問題」というほど大きなことではありませんが、「いえ」より「いえいえ」の方が丁寧さが低くなるような直感を得たんです。それがなぜなのか、と。

話しているうちに、返答の問題から「そもそも人との待ち合わせで『待たせてごめんね』と言わない」ということになり、違う方向で盛り上がっていきました。相手が誰なのか、待ち合わせの時間に対して自分が遅れているのかどうか、など設定を変えてみると、何種類かに分類できそうです。

話を最初に戻せば、「いえいえ」に丁寧さの低下を感じたわけですが、これは親しい相手に使う表現、つまり親疎の問題ではないかと思い始めました。こういう事象の分析と言えばB&Lのポライトネス理論ですが、「丁寧さ」と「親しさ」はどこまで同じように語ることができるのでしょうか。最新のポライトネス研究を改めて確認せねば、と考えた次第です。

さて、メインは松岡くん(3年生)のミニ発表でした。が、その前に張さん(M1)が調査で使うアンケートの文言チェックをしたことで、時間が大幅に遅れてしまいました。松岡くんは、「提案」―「否定」という連鎖においてどのようなストラテジーが使われているか、という趣旨で発表してくれました。面白い題材だっただけに時間がもっと欲しいところでした。

てなわけで、新年は1月9日から張り切ってスタートです。みなさん、よいお年を。

2006.1.9 あけおめ。ことよろ。
管理者は正月から風邪を召しまして、鼻が痛いです。

新年早々、面白いニュースが飛び込んできましたよ。
アメリカ方言学会で2006年の最も注目を集めた新語が発表されました。
それが「プルート(pluto=冥王星にする)」なんだそうです。意味は「評価を下げる」・・・そうご存知の通り冥王星の扱いが変わったことを受けてのことです。

日本語にすると「冥王星にする」で落ち着きがない感じですが、英語だと名詞と同じ形式で動詞として使えますからね。流行の背景に言語の差異が見え隠れして面白いです。日本でも冥王星のことは話題になりましたが、新語には生かされてないですよね。あえて言えば「冥王る」でしょうか(笑)

確か去年の流行語は「イナバウアー」と「品格」ですよね。
「イナバウアー」は予想通りとしても、「品格」は予想外でした。個人的には「エロカッコイイ」が気になります。雑誌の影響か、この手の複合語が増えていますね。どういう言葉を要素として、どのように使われているのか、興味ありますね。「キモカワイイ」ってなかなか現代的な感覚だと思うのですが、いかがでしょうか。

あ、研究会ですが、今までの調査のまとめをしております。また随時報告をしたいです。
今年もよろしくお願いいたします。

2006.1.16 真面目に更新です。
今週も調査をまとめる作業です。

こんな時に2年生が来てくれたり。もうちょっとお勉強らしいこともしているんですよ・・・とこっそり思ったり。
卒論提出が近づき、来年の動きも見え隠れして、ちょっと落ち着かない感じでした。

2006.1.23
2006.1.30
どうもです。1月は風邪のおかげで絶不調です。
「〜のおかげ」は「恩恵」の意でしか使えないんですかね。

さて、あいも変わらず調査まとめの作業中なので、最近気になる表現を2つ。
一つ目は、「教育再生会議」です。別に誤用があるわけではありません。
「再生」に込められた心理が気になるのです。
「教育再生」ということは、「現在崩壊してしまった<教育>を昔のように良好な状態へ戻す」ことを意味すると思われます。
しかし、昔の教育は本当にうまくいっていたのでしょうか。
「昔は良かった」という言説に代表されるような懐古主義を感じるのですが、いかがでしょうか。

二つ目は、最近話題の「鳥インフルエンザ」です。これも誤用ではありません。
この語が新聞等でどのように略されているかご存知でしょうか。
はい、「インフル」なんです。
・・・「インフル」?って思いませんか。個人的にはすごく違和感があります。
「イン」+「フル」と考えれば、日本語の略語形成のパターンにはまるのですが、どうも落ち着かないのです。
「エンザ」ぐらい書こうよ、と毎朝思っています。

                                                                       メインページへ


                               Copyright(C) HIROSHIMA UNIV. Circle for Dialect Studies 2006