広島大学方言研究会 会報第33号


江の川流域言語地図





広島大学方言研究会では、1998年、1999年、2001年の3年に渡り、
江の川流域に生活する人々の生活語を調査してきました。
それらの調査結果や分析を行ってきた結果、ようやく一冊の会報とすることができそうです。

江の川は広島県の三次市から島根県の江津市まで流れる非常に長い大きな河川であり、
これに沿って調査を行うことで、広島県から島根県までの地域において、
それぞれの地域においてどのような言葉が用いられていたのかを知ることができます。
また、語彙の衝突や流入などがどの地域において発生しているかなどについても
分かるように地図化しました。




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例えば、右の地図は「今日はいい天気だ」という文を言う場合、
文の終わりにある助動詞をどのように言うかを尋ねて調査したものを纏めたものです。
(*試作段階のものですので、大変見難いのですがご了承ください)
地図にある記号は、その地域でどのような解答が得られたかを示したものです。
記号の凡例は右の枠内に示してあります。
今回の場合は、考察の結果、便宜上

「いい天気『ダ』」や「いい天気『ダヨ』」などのものを<ダ>系
「いい天気『ジャ』」や「いい天気『ジャロー』」などのものを<ジャ>系

と纏めて記号化しました。
NRとは調査の時に教示者から回答が得られなかったり、分析上やむをなく考察の対象としなかった回答を示します。
地図においては<ダ>系が白抜きの四画、<ジャ>系が塗りつぶされた菱形が当たります。

この地図を見ると、それぞれの地域が<ダ>系なのか、<ジャ>系なのかを直ぐに知ることができますが
更に周りにも目を向けると、それぞれが固まって分布していることが分かります。
地図で言うと右下の凡例のしたあたりにひし形が多く、
そこの他の所では、四角が多いようです。
つまり、この線を境界にして<ダ>系と<ジャ>系が対立して存在しているのです。
このように、その地域の語彙を知るという使い方に加え、
江の川流域の言語事象をマクロな視点で見ることもできるかと思います。




このような調査を、島根県と広島県の合計133の地点において行いました。
つぶさな語彙の変化を見ることができると思います。 質問は121の質問を行い、その中から代表的なものを選び出し、地図化しています。

会報作成は目下進行中です。
近いうちに発行できる予定です。





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