T-1 Riding with the Angels
T-2 Earth Mother
T-3 Nice Girl
T-4 Blood Lust
T-5 Go to Hell
T-6 Bright Lights
T-7 Once Bitten
T-8 Grime Crime
T-9 Communion
Paul Samson - G, B-Vo
Thunderstick - Ds, B-Vo
Chris Aylmer - B, Acoustic G, B-Vo
Bruce Bruce - Vo
Produced by Tony Platt
1981年、英MCAから発表された彼らの3rdアルバム(確か)。
私の所有するCDは英AirRaid盤。通販で980円程で入手した。Sanctuaryレーベルのクレジットもあるので、再発にSanctuaryがかんでいるのだと思われる。SanctuaryはNWOBHMの発掘・再発を熱心に行ってくれているありがたいレーベルである。これまた再発で有名なCastleの関連レーベルであるようだ。
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非常に古典的BHR風味のアルバムである。
ギターはポール・サムソン、残念ながら既に物故者である。特にテクニカルというわけではないが、オーソドックスなフレーズには安定感がある。
安定ということで言えばリズム・セクションは非常に安定している。特にシャッフル・ビート(速めなエンヤトットと考えていただくとわかりやすい)の曲。「ハイウェイ・スター」的な「ドドドドドドドド」という速い8ビートがもちろんNWOBHMの一つの特徴だったのであるが、「ドクター・ドクター」的なシャッフルもまたもう一つの顔なのである。特にパンク的リズムとの違いをはっきりさせた「横揺れ」は、寧ろこのシャッフルビートに顕著なのではないか。
なお、ドラマーのサンダースティック氏が覆面を被っていることでも有名である。今で言えばスリップノット風である。SMボンデージみたいな覆面ではある。
シンガーのブルース・ブルースとはもちろんブルース・ディッキンソンのことである。この後引き抜かれてアイアン・メイデンに加入する。 このことはサムソンにとってはツラかったかもしれないが、しかしブルースにとってはメイデンの曲の方が合っているように思う。サムソンの曲にはどうもノリ勝負のようなところがあって、ブルースはあらかじめ隅々まできっちり構築されたメイデンの曲の方がやりやすいタイプのようにきこえるからである。サムソンの曲だと、ちょっと素っ頓狂なんだよね。因みにメイデンの1〜3枚目で叩いているドラマー、クライヴ・バーもサムソン出身である。
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バンド名「サムソン」であるが、これはポール・サムソンから取られたのか、つまりこれは本名なのか?それとも旧約聖書に登場するマッチョマンのイメージが先にあって、それで彼はサムソンと名乗ったのであろうか。だったらラモーンズ(最近ならドナズ)みたいに全員○○サムソンと名乗ればよかったかもしれない。
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サムソンもしぶとく活動を続けたわけではあるが、結局NWOBHMから出てビッグバンドたり得たのはメジャー資本の後押しを受けたメイデン、LEPSくらいである。しかし彼らは78年に既にシングル・デビューしており、かれらのような先駆者がいたからこそ運動としてのNWOBHMが成立したのである。敬意を表しよう。
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T-1 Riding with the Angels
これは「ハイウェイ・スター」的ビート。ギターリフも基本的には「ハイウェイ・スター」的。作曲者はラス・バラードである。レインボーの「シンス・ユー・ビーン・ゴーン」「アイ・サレンダー」のライターである。セールス増を狙ったのだろうか。
T-2 Earth Mother
ミディアム・テンポのナンバー。ズンドコドンドコしたリズムにブルースの朗々としたヴォーカルが映える。
T-3 Nice Girl
シャッフル・ビートのナンバー。がっしりしたズンドダッタズンドダッタというよいノリである。「お前はいい女、まさにタイプ」という、くどき系ラヴソングである。
T-4 Blood Lust
テンポを落としたヘヴィなナンバーである。サバス的とでも言おうか。タイトルは「血を求める欲望」といったところであろう。「俺は血に餓えてるぜ、ウォーホー!」とブルースが吠えている。
T-5 Go to Hell
ツッタンツッタンという4ビート調の8ビート(変な表現だが)のナンバーである。珍しく縦ノリである。さっきは「お前がタイプ」だったが、今度は「お前はタイプじゃない、どっかいっちまえ」である。どっかどころか、「地獄へ行け」というのである。
T-6 Bright Lights
「ハイウェイ・スター」的ビートの速い曲である。爽快なメロディを持ちなかなかキャッチーないい曲である。こんな曲が書けるのだから、ラス・バラードに外注しなくても良かったのではないか。
T-7 Once Bitten
重いナンバーである。「お前評判悪いぞ、もう騙されんからな」と歌っているようである。このようにくどいたりくどかれたりが彼らの曲に多いテーマなのであるが、誰の趣味なのだろうか。
T-8 Grime Crime
シャッフル・ビートのナンバー。ライヴハウス(地下か半地下が似合う)で聴きたいタイプのロックである。
T-9 Communion
アルバムのエンディングを飾るスローナンバーである。叙情的ではあるが甘くはない。荘厳とでも言おうか。Hallowed
be Thy NameやRevelation等につながるような要素を感じる。スティーヴ・ハリスはここらの曲を気に入ってブルースをスカウトしたのではないのだろうか。ギターもよく泣いている。