WELCOME TO HELL/VENOM

T-1 Sons of Satan
T-2 Welome to Hell
T-3 Schizoid
T-4 Mayhem with Mercy
T-5 Poison
T-6 Live Like an Angel
T-7 Witching Hour
T-8 One Thousand Days of Sodom
T-9 Angel Dust
T-10 In League with Satan
T-11 Red Light Fever

T-12 Angel Dust(Lead Weight Version)
T-13 In League with Satan(7'' Version)
T-14 Live Like an Angel(7'' Version)
T-15 Bloodlust(7'' Single B)
T-16 In Domine Satanas(7'' Single B)
T-17 Angel Dust(demo)
T-18 Raise the Dead(demo)
T-19 Red Light Fever(demo)
T-20 Welome to Hell(demo)
T-21 Bitch Witch(outtake)
T-22 Snots Shit(outtake)

Cronos - Bulldozer Bass and Vocals
Mantas - Chainsaw Guitar Dives
Abaddon - Drums and Nuclear Warheads

Produced by Keith Nicol and Venom

 1981年、英NEATから発表された彼らの1st。NEATは当時のメタルインディーの中でも特に強烈なインディーである。

 私の所有するCDは2002年再発売された英キャッスル盤。中古で1180円程で入手した。

 …って、いやあなた、これは大変ですよ。いろんな意味で「地獄へようこそ」ですよ。22曲・70分弱のヴェノム体験ですよ。しかもうち11曲はボーナスですよ。本編と同じ曲数のボーナスですよ。全部ヴェノムですよ。んあー。

 んあー。

 …とまあ、普通はそういうリアクションが期待されるのではないか。つまり、ヴェノムはヘタクソだ、ということになっているのである。中でもこの1stはものすごく下手だということになっている。それで70分は余程の好事家でないと耐えられないであろう、と。

 が。

 結構平気だ、いや、いけると言ってもいい。

 それどころか私は、かなりカッコイイと思うんですよ、これ。いや、上手いとはいわないです。しかし、カッコイイとは思う。このドンドコドンドコいうロックンロールに合わせてゴーゴーダンスなんか踊ってみてください。爽快ですよ。や、ゴーゴーダンスをご存知ない?

 そもそも私はロックにおける上手い下手って今一つよくわからないのである。例えばディオ様のようなシンガーと比べれば、クロノスの歌なんかは下手だろう。しかし、それはステーキとお好み焼きはどっちが美味いか、とかと同じ比較なのではないか?つまり同列に比較できないのではないか?

 しかしいくらカッコイイと思うとはいえ、ヴァラエティとかそういうものはあんまりないし、一般受けしそうなカッコよさを期待されては困る。「マシン・ヘッド」「バーン」あたりのディープ・パープルなんかは、いつまでたっても若いコが聴いたら一発で「カッコイイ!」と感じるような、そういうわかりやすいカッコヨサをふりまいているわけであるが、これがそういう種類のカッコヨサでないのは確かである。

 万人向けのカッコヨサではないし、反応に極端な差が出そうな味である。好きと嫌いだけで普通はないだろう。だけど好きになったらいくつかの魔法も使うわ、本当よ。

 てなわけで後半のボーナスには正直ツライところもある。しかし、本編だけ聴いていると「存在意義あんのかー」と思えるプロデューサーも、意外と役割を果たしていることがわかったりして面白い。
 
 いや、本編11曲は真剣に本気で「名曲揃い」と言ってしまいたいけどなあ。

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 とにかく全編リフの嵐である。NWOBHMだから。

 スラッシュの元祖だとかブラックメタルの開祖だとか言われるわけだが、ある意味モーターヘッド直系のロックンロールバンドでもある。そう、ロックンロールなんだよ。や、しかしストーンズとかモット・ザ・フープルとかああいうロックンロールとは全然違うなあ。もちろんエアロやガンズともすんごく違う。

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 バンド名「ヴェノム」であるが、毒とか毒液とかそういうことである。サソリとか蛇とかの。転じて悪意なんて意味にもなる。この人たちに「悪意」なんて名前はいかにも、と思わせておいて、意外と似合わない気もする。このドンドコドンドコいうロックンロールはそれはそれで妙に人懐っこいところがあるからだ。本当だぞ。

 寧ろバンド名よりメンバー名に注目すべきである。クロノス、マンタス、アバドンですよ。キッスでさえ「ポール・スタンレー」なんてきちんとした「人名」を名乗っていたわけで、このネーミングセンスは当時としてはかなり斬新と同時に「なんじゃそりゃあ」だったはずである。

 クロノスはギリシア神話の時の神。ゼウスらの父にあたるが、世代交代を恐れて子供たちを食って(呑み込んで)しまったりする神である。たしか難を逃れたゼウスにより倒されたのではなかったかと思う。とにかく、そういう神の名である。
 マンタスはよくわかりまへん。螳螂を指すマンティスかもわからん。蟷螂・カマキリは残酷とか貪欲とかのイメージがあるからです。
 アバドンは奈落、地獄である。ヘブライ語源。
 
 担当楽器表記もかなりいい感じであるが、しかしチェンソーギターとかブルドーザーベースとかいうのは実は結構内容に忠実でもある。

 ルックスも要注目。北斗の拳の悪役みたいな感じです。ザコ系の。斧とか先に髑髏のついた杖とかを持っている。本当に持っている。

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さて、まずは本編11曲である。

T-1 Sons of Satan

ものすごく唐突にはじまるオープニングナンバー。ドッシャンドッシャンしたリズムにデンデンデデデンデデデンデンデンというリフがのっかるスタイルは、言わばモーターヘッド調であるが、彼等の基本スタイルでもある。蛇がのたくるようなギターソロも独特で、真似しようったってできないぞ、これは。NWOBHM的リズムチェンジもちゃんと挟まってます。

T-2 Welome to Hell

ちゃんとイントロがあるこちらのタイトル・ナンバーをオープニングに持ってきても良かったのではないか、と思うが、それでは当たり前過ぎるということであろうか。女性によるナレーションが入ったり等、彼らには珍しく小技を効かせたナンバーでもある。

T-3 Schizoid

まさにモーターヘッド調。アップテンポの横揺れが快適である。Schizoidというのは総合失調症の人のことですね。リズムチェンジも含め、実にNWOBHMっぽい。

T-4 Mayhem with Mercy

アコギによる小品。タイトルは「慈悲ある破壊」くらいの意味であろうか。

T-5 Poison

これもまたモーターヘッド調。ちょっと走りを抑えて横揺れを強調した感じ。ラストがある意味凄い。

T-6 Live Like an Angel

これもいいですよ。快調に走ってます。ノリのいいロックンロール。途中のブレイクはいかにもNWOBHMとも言えるし、ロックンロールの伝統芸であるとも。

T-7 Witching Hour

短いけど、ブリティッシュハードロックの伝統を感じさせるギターソロがあります。ヴォーカルシャウト→ソロに突入、という流れなんかも、「よくわかっている」と言っていいのではないか。クロノスと一緒に「ウィッチンガァー!」と叫びたくなることうけあい。

T-8 One Thousand Days of Sodom

テンポを抑えたヘヴィなナンバー。サバス以来のヘヴィでドゥーミーな流れもきっちり受け継いでいるわけである。タイトルはOne Thousand Days of Sodomだが、サビではThousand Days in Sodomと言っているように聞こえる。大差はないが。

T-9 Angel Dust

そしてまた走る曲である。このアルバム、別に緩急ないわけではないのだ。そりゃまあナイト・レンジャーみたいなバラードはないけれど。このナンバーの突進力はその後のスラッシュ級である。スレイヤーの皆さんなんかきっとここらを聴いて「おおー、こんなのもありかあー」と思ってたんじゃないかと。

T-10 In League with Satan

呻き声から始まるこの曲もまた彼等のヘヴィサイドを代表している。ズンズンズンドコというリズムは、昔アニマル浜口が出演していた任天堂のゲームソフト「スーパーピクロス」のCMを思い起こさせる。古代が舞台の映画には、ドレイがいっぱい並んで漕ぐようなでかい船が出て来たりするが、こういうタイコのリズムに合わせて漕いでいる。

T-11 Red Light Fever

ヴァイオリンによるイントロは、ヨーロッパ的売春宿なイメージなんだろうか。タイトルはそういう内容を示しているように思えるのだが。「俺には女が必要だ」っていう歌い出しであるし。考えてみれば売春婦というのはブルーズにもしばしば登場する、伝統的歌詞テーマである。この曲はあんまりブルージーではないけれど。サビらしいサビもなく、どんどん早くなっていってぽちっと終る。ちょっとあっけないな。
 
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さて、ここからはボーナス11曲である。

T-12 Angel Dust(Lead Weight Version)

古典ハードロック的ソロが入ってます。

T-13 In League with Satan(7'' Version)

本編より少しテンポ抑え目か?

T-14 Live Like an Angel(7'' Version)
T-15 Bloodlust(7'' Single B)
T-16 In Domine Satanas(7'' Single B)
T-17 Angel Dust(demo)

むむむ、三度目のAngel Dustか。三度目ともなればソラで歌えちゃうぞ。いやそれはウソだが。

T-18 Raise the Dead(demo)
T-19 Red Light Fever(demo)
T-20 Welome to Hell(demo)
T-21 Bitch Witch(outtake)
T-22 Snots Shit(outtake)
 
 

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