法科大学院
今、法学部といえば、法科大学院がひそかにブームである。
しかし、僕は現行の司法試験を目指している側から見て、少し疑問に思うことが多々ある。
まず、多くの大学で法学部があるところは法科大学院を設立しようと頑張っているが、そこには設立が困難でも、作りますよと言っていなければしょうがないという大学側の苦しい事情が隠れていると感じる。
国立大学では特にそうだ。今、「うちの大学には法科大学院を作りません」だとか、「うちの大学には法科大学院ができるのは難しいです」と言えば、間違いなくその大学の法学部の志願者は減少するはずである。そうなると、国立大学法人化が叫ばれている今日では、経営がいきづまる可能性がでる。ここは何がなんでも作らねばというわけだろう。
しかし、そこまでする必要は一体あるのか?法学部だからといって、みんな司法試験を目指しているわけではなく、中には全く興味もない人もいるだろう。学者になりたい、公務員になりたい、官僚になりたいという人も多いはずだ。法学部=司法試験ではない。そういう人は、法科大学院よりもその試験のための構造がちゃんと整っている大学を目指すはずだ。そういう大学が、前面に出てきてもいいのではないだろうか?
法科大学院がある大学>ない大学という図式を決して作ってはいけない。
次に思うことは、法科大学院を目指す人にとってマイナスに働く事項が、まったくと言っていいほど、提供されないのだ。
まず、学費のことである。最低でも1年で100万〜は確実だろう。私立に関してはもっと高額だろう。実務家の人を招いたり、一から作り上げるために準備などに費用が莫大にかかるのはしょうがない。逆に、費用がかかってないほうが危ないだろう。
ならば、どうどうと言えばいい。膨大のお金がかかりますが、それなりの環境がありますので納得してくださいと。
おそらく、一般の人にとって一番の重要なのは、試験の難しさとかいった努力しだいのものではなく、努力してもどうしようもないことがあるお金とかいった事項だろう。
また、このお金の面から、もう一つマイナス要素がうまれると思う。法学既修者と法学未修者とのコースを設けて、幅広く人材を集めるといっているが、それはうそだろう。
前述のように、一人の学生に対して膨大な費用がかかり、赤字が続くのに、法学未修者はそれを既修者より1年多い、3年も受け持たなければならない。
それを覚悟で、未修者の枠を既修者と同じ枠用意する大学はあるのだろうか?平等をうたうなら、比率は同程度にすべきだろう。
しかし、今の案を見る限り、未修者にはそうとう厳しい門となっている。
はなから大学はそんな赤字が続いて、時間がかかる生徒はあまり採りませんよと公言しているのに等しい。現行の司法試験では、他学部だろうが同条件なのに。
これ以外にも、公表されていない内輪だけのマイナス要素はいっぱいあるはずだ(教授陣がそろっていない、設備がない、実務家が少ないなど)。
まだまだ疑問に思うことはあるが、最後にこれだけは言っておきたい。
法科大学院が駄目だと言っているんじゃない。法科大学院自体はすばらしい制度なのである。
しかし、それを、学生集めの宣伝にしたり、いい面ばかり押し出したりして、ほんとに法曹を目指している人のことを考えず、大学の事情を考慮しすぎなのである。
実際今の大学は、自分たちの大学に法科大学院を作ることに躍起になって、一歩でも他の大学よりも地位を高めようとするお役所的な面が強いように思える。
法科大学院を作るのが大事ではなく、これからの未来のために、すばらしい法曹を育てるのが大事なのではないだろうか?
法曹を目指す人も、情報が氾濫している中で、その情報を吟味し、疑問を投げかけていかなければならないのではないか?
これは、作る側とうける側の両者の大きな課題だと僕は思うのである。
そして最後に、僕が通う岡山大は、法曹を目指す人のことをちゃんと考えた、宣伝道具としてではなく、立派な法科大学院が開設されることを願っている。
独り言は個人的偏見が強いので、冗談半分で受け止めてください。