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研究室の方針(2009年12月改訂版)

 卒論配属の研究室を決める時期になると,研究室配属に関していろいろと質問したいことのある人も多いと思います.2006年度は研究室としても初めての卒論の学生が卒業し,2006,2007,2008年度と,短い期間の卒論の中で,学会発表や特許出願に至るデータを出すことが出来ました.これから配属を希望する人たちには,これまでの卒論の内容や活動が参考になると思います.そんな点も含めて,研究室の基本方針をここにまとめて書いておこうと思います.

【2006年度の卒論】
一応,学籍番号順ね.意味は無いけど.
○肥満細胞からのヒスタミン遊離に対する生薬抽出成分の抑制作用に関する研究
○紫外線による肥満細胞からのヒスタミン遊離と光過敏症のモデル
○ラット足浮腫モデルを用いた鉱物抽出成分の抗炎症作用に関する研究
○肥満細胞からのヒスタミン遊離反応に対する紫外線の抑制作用に関する研究
○脊髄穿刺ラットを用いたヒスタミンの血圧調節機構の解明
○マウス足浮腫を用いた生薬成分の抗炎症効果の評価に関する研究
○ラット腸間膜動脈灌流標本を用いた生薬抽出成分の血管拡張作用に関する研究
【2007年度の卒論】
○NSAIDsの光毒性反応による皮膚炎症とその制御
○ぜん息治療におけるβ刺激薬の意義(文献調査)
○NSAIDsの光毒性反応によるラット肥満細胞からのヒスタミン遊離
○抗IgE抗体を用いた新たなアレルギー疾患治療戦略(文献調査)
○プラズマ処理ナノ粒子のタンパク吸着特性
○麻酔下のラットにおけるヒスタミンの血圧調節機構に及ぼす影響
【2008年度の卒論】
○サンスクリーン剤に求められる指標(文献調査)
○クロルプロマジンの光毒性反応によるヒスタミン遊離に対するサンスクリーン剤の抑制効果
○シリカナノ粒子及び酸化チタンナノ粒子のタンパク質吸着に関する研究
○UVBによるラット肥満細胞からのヒスタミン遊離に対するサンスクリーン剤の抑制効果
○UVB誘発マウス皮膚炎症反応に対するサンスクリーン剤の効果
○クロルプロマジンの光毒性による耳介浮腫反応とサンスクリーン剤によるその抑制
【2009年度の卒論】
○免疫アレルギー研究の表舞台に躍り出た好塩基球(文献調査)

 2010年度の卒論は,2006〜2008年度のテーマのうちで発展的に継続可能なものは継続し,その他に,以下のような内容の研究も考えています.ただし,人数も場所も予算もすべて有限ですし,外部からの研究資金を用いる研究では,外部機関から依頼された研究を行う必要もあります.配属が決定した人たちの希望を聞いた上で,実現可能性の高いものから研究を行ないたいと考えています.

○光毒性反応によって惹起される炎症部位でのサイトカイン発現
○光毒性反応による炎症部位での化学伝達物質の変化
○肥満細胞の細胞内情報伝達機構と抗アレルギー薬の作用機序

【基本的なこと】
 僕は,20歳を過ぎた人に対しては,基本的には一人前の大人だと思って接したいと考えています.もちろん,様々な知識や経験が不足していることは明らかですが,だからといって子供扱いしていては,いつまでたっても成長しません.正直言って,幼稚園児か小学生のような行動をとる人には,研究室に出入りしてほしくありません.就職や大学院の進学の相談や企業や研究室への紹介など,経験や知識の不足が原因でどうもならないことのフォローはとことんしますが,一人前の大人としての行動をとらない人は,無視あるいは放置します.その結果不幸な事態になっても,それは自己責任です.一人前の大人になることは,知識や技能以前に,一人の人間として,行動やモラリティなど,自分を律する行動規範を確立できることなのだと考えます.いつまでもガキでは困るのです.僕自身の患者としての経験からしても,患者は薬剤師や医師や看護師を選ぶことは通常とても困難です.病院薬剤師や薬局の薬剤師に,出身大学や学生時代の成績を確認してから調剤をしてもらうなんてことは,通常不可能でしょう.あくまでも「薬剤師」というライセンスだけを信頼して,その人に自分の服用する薬の調剤や情報提供をゆだねるしかないのです.また,大学院に進学すれば,実験してデータを出して,学会で発表して論文を書いて,ということを一人でやれることが当然のこととして要求されますし,出身大学や成績,使える言語による甘えは許されない世界に入っていくことになります.そのようなことをを考えて,卒論の指導にあたりたいと考えています.
【主な義務】
 全ての研究テーマで何らかの形で動物を扱うことになるので,動物のケアは研究を行なうメンバー全員の義務になります.自分の実験で使用する動物のケアは第一義的には担当者自身の責任ですが,飼育場所やケージの掃除は全員の交代制で行います.
 実験室を不潔な状態にすることは,実験結果に悪影響を及ぼすだけでなく,メンバーの健康を損なう原因にもなりかねないため(動物の毛や汚物は感染やアレルギーの原因になりやすい)特に注意が必要だし,いい加減な人にはペナルティを考えます.
【成績不振者に対する対応】
 研究室に配属された段階であまりにも成績が振るわない人で,実験などしていたら薬剤師国家試験合格が見込めそうにない学生,国家試験模擬試験などであまりにも成績不振の学生には,実験はやらせないで(あるいは実験を中止させて)文献調査と試験勉強中心のテーマに振り変えます.ただし,試験勉強だけというのも味気ないですから,上記の研究テーマに沿った内容で文献調査を行い,総説を書いてもらいます.
【セミナー】
 実験経過を報告するプログレスセミナーと文献抄読会を週に1回行ないます.これまで毎週金曜日に行なっています.セミナーに出席し,発表を行うのは義務であると同時に卒業論文実習の単位の評価対象とします.文献調査をすることになった場合にも,セミナーで進行状況を報告するとともに,文献セミナーを行うことを義務とします.
【時間の使い方】
 セミナー以外の時間の使い方については,基本的には成果主義でやりたいと考えています.きちんとしたデータを出し,ちゃんと論文を読み,国家試験の勉強もきちんとこなして成果を出していれば,重役出勤だろうがなんだろうが,文句を言うつもりはありません.しかし,プログレスセミナーで発表する内容がお粗末だったり,あまりにもだらしなければ,容赦なくイエローカード,レッドカードです.時間の使い方こそ自由でも,「頑張ったけどできませんでした」という言い訳は通用しないのが成果主義というものです.
【目標は高く】
 2006年10月の日本薬学会中国四国支部大会(広島)では4年生3名が発表し,2006年12月の日本ヒスタミン研究会(岡山)では4年生1名が発表しました.2007年11月の日本薬学会中国四国支部大会(高知)では,発表者は1名でしたが,2名の卒論の共同の発表の形式をとりました.2つの演題に分けてもよかったほどでした.その成果を2008年3月の日本薬学会年会(横浜)で発表しました.ある学生の2007年度の研究成果は,2008年2月の特許出願にも生かされました.2008年度は,2名の卒論の共同発表として2008年10月の日本ヒスタミン学会(徳島)で発表し,別の2名の卒論の共同発表として2008年11月の日本薬学会中国四国支部大会(岡山)で4年生が発表しました.2009年3月には,それらの成果を日本薬学会年会(京都)で発表しました.このように,一人でも多くの学生に学会で発表してもらいたいと考えています.また,それぐらい頑張って研究する意欲のある人に研究室に来てほしいと思います.特に大学院進学を希望する人は,卒業までには全国レベルの学会で発表するぐらいの意欲が必要です.そのためにも,配属が決定したらすぐにでも実験を始めるぐらいの気持ちでいてほしいと思います.就職を希望する人も,何かワケノワカランことにチャレンジして解決するという経験を積むことが,将来様々な場面で役に立つと思います.実験であっても,文献調査であっても,大きなテーマに向かって欲しいと思います.
 もちろん5,6年次には長期の実務実習やその後に控える国家試験がありますから,あれもこれもと無理強いするつもりはありません.しかし,せめて教室配属決定後はすぐにでも実験を開始するぐらいの気持ちでいてほしいと思います.研究を始めるとすぐにわかることですが,集中してまとまった実験をする時間がとれるのは春休みや夏休みぐらいしかありません.授業や実習の合間を縫って行うことが可能な実験もありますが,必ずしもそう甘くはないと考えるべきであり,5,6年は春休みや夏休みにのんびり遊ぼうなんて考えは捨て去るべきでしょう.そういう甘い考えをしてる人は,たぶんうちの研究室ではまともな卒論は書けないでしょう.これからの2年ぐらい,実質的には長くても1年半ぐらいは,何か形になるものを残せるように,わき目も振らずに頑張ってくれることを希望しています.
【就職・進学など】
 2006年度は大学院進学5名,薬局2名でした.2007年度は大学院進学2名,薬局2名,病院2名でした.2008年度は大学院進学1名,製薬企業1名,薬局3名,公務員1名でした.2009年度は薬局1名の予定です.大学院進学を希望する人は,希望の大学の研究室の見学を早い段階から積極的に行なうべきでしょう.そのためにも,先方の研究室の先生から「卒論で何やってるの?」と尋ねられて恥ずかしくないようにしなければなりませんが.それは就職活動でも同じです.就職・進学とも,将来を左右する大きな問題ですから,協力できる限りのバックアップはします.ただし,どのような場合でも繰り返しになりますが,一人の大人として行動してほしいと思います.甘えんぼのガキのような行動をすると,先方にも失礼だし,お互いに恥ずかしいですから.

 疑問や質問があれば,遠慮なく研究室に来てください.また,このHPのゲストブックやジオログのコメントに書いてもらっても構いません.

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