研究発表1

今回の発表では、広告媒体の種類とその特徴を扱いたいと思います.
まず、企業が広告媒体として使うメディアは、ある程度の広告効果を見越して決定されています。広告効果は、企業の伝えようとするメッセージとメディアの相乗効果から生み出されています。具体的には、同じ予算を広告に当てたとしても表現の仕方や広告手段によって結果は異なります。そのために、どのようにして消費者へ企業側のメッセージを伝え、利益を生み出すかということが基本的な問題となります。消費者が広告に接するときの心理状態や広告媒体に含まれる記事や番組への関心の高さなどが、結果を左右するということに注意を払わなければなりません。
2000年度の日本国内における広告費総額は、5兆6996億円でその内、64,7%がマスコミの4媒体(テレビ、雑誌、新聞、ラジオ)に支出されています。これは、これらマスコミの4媒体が最も消費者に対しての広告効果を持っているということを表しています。次いで、34,%が折込みチラシや屋外・交通広告に、0,4%がインターネット広告に当てられています。1975年以来、テレビがそれまで最も広告の手段として使われていた新聞を抜いています。しかし、2000年度の広告費の内訳は、テレビ広告が33,6%、新聞20,2%、雑誌7,3%、ラジオ3,6%という割合になっています。この様な変化は、後でも述べるように消費者の新聞や雑誌を読む時間の減少と共に、それらがそれまでの様な広告効果を認められなくなっているということが考えられます。
また、1996年以降インターネット広告費は、約16億円、604000万円、1139000万円、241億円、2000年には369億円と順調に推移しており国内におけるコンピューターの普及とともにインターネット広告の需要の高まりを表しています。これを表す統計として、2000年度の日本の総広告費は56996億円であり、インターネット広告費の占める割合はまだ約0.4%にすぎません。しかし、テレビ、新聞、雑誌、ラジオのマスコミ4媒体のいずれもが2年連続でマイナス成長のなか、インターネット広告の伸びだけが際立っています。この成長は今後も続き、2001年に978億円(対前年比165.8%)2004年には現在2071億円のラジオ広告を追い越すとの予測もされていて、これは、インターネットは、テレビ、新聞、雑誌、ラジオに次ぐ「第5の広告媒体」として認知されはじめたといえるのではないでしょうか。

「広告媒体の種類と特徴」
マスコミ4媒体

(新聞)新聞は発行所と配布地域の広さから、全国紙と地方紙に大別されます。地方紙はさらに、配布地域が数県にわたるブロック紙、県紙、郷土紙に分けられ、また、紙面内容からは、一般紙、スポーツ紙、英字紙などに分類されます.
 日本新聞協会は、新聞の機能として、情報の網羅性、論評・解説、読む要素のあるパッケージ性、宅配による配布の確実性を挙げ、広告媒体としての新聞の特徴は、信頼性、いつでも読める随意性、どこでも読める可搬性、保存性などであるとしています。新聞には、世論の重大な関心事に対する内容の扱う時に、号外を出すことで話題の即時性も持ち合わせているようにも思われますが、テレビやラジオに比べるとやはり見劣りするため新聞の特徴として即時性を挙げることは出来ないように思います。
2001年度の調査によると、13〜15歳の男女の1日あたりの新聞を読む時間の平均は、1976年の33・7分から、98年には27・8分に減少しています。一方で、同じ期間の全国紙ページ数は約30ページから40ページ以上に増加しているので、1つの広告が見られる時間も減少しているということになります。このことから、これからの新聞広告は、どれだけ短時間で読者に注意を促せるかが重要な点になるだろうと思います。
(雑誌)

 2000年度に発行された雑誌点数は3359点で、発行部数は50億4898万部、販売部数は37億2311万部となっている。出版点数は前年よりも1・2%増加しているが、発行部数と販売部数は2〜3%減少している。雑誌は、「大衆」「総合」という部類に大別されるが、読者層と内容により詳細に分類して、広告のターゲットへの適合性が評価されるように思われます。広告媒体としての雑誌の特徴は、全国配布、反復性、保存性などの新聞と同様な特徴のほかに、高度なカラー印刷(新聞の折込み広告もカラー印刷であるが、ここでは折込み広告は新聞とは別物とします)などがあります.
雑誌は、読者層の年代や男女の区別がはっきりしているので、雑誌を広告媒体として使用する場合には、広告主側の伝えたいメッセージやターゲットの性別・年代まで明確にすることで、ターゲットにピンポイントに訴える効果は他の媒体よりも強いようにおもいます。

 (ラジオ)

 現在の、民間ラジオ放送の種類には中波、短波、BS,CSの4種類があるが、ラジオ広告費の総広告費に占める割合は1950年代末から減少し始めている。しかし、時間帯による番組編成の導入や、高品質デジタル放送などの新技術により、聴衆者獲得の努力が行われています。広告媒体としてのラジオの特徴は、適時性が挙げられます。ラジオでは音声しか使えないことが制約と考えられますが、聴覚から視覚イメージを喚起し、テレビ映像を思い出させることも可能です。また、ラジオによって扱われることで、爆発的な売上を上げる商品も少なくありません。その代表的なものにCDがあります。ラジオで何度も流れる曲を聴いて、そのCDを購入するなど、ラジオの持つ反復性からの効果も考えられると思います。

(テレビ)

 民間テレビ放送は1953年に開始され、カラー放送の開始は60年である。VHF局に次いでUHF局が開局される。現在テレビ局と呼ばれるものは、JNN(TBS系25局)、NNN(日本テレビ系30局)、FNN(フジテレビ系28局)、ANN(テレビ朝日系26局)、TXN(テレビ東京系6局)の5系列から形成されています。地上波テレビの特徴としては、これら系列ごとのネットワークによる広域の到達、伝達の即時性、幅広い年齢層への到達力、映像と音声による表現の柔軟性などが挙げられます。これら広告媒体としての主たる部分を担うマスコミの4媒体の他に、屋外や交通機関における広告も行われています。これらは、マスメディア成立以前の広告媒体としては、紀元前から広告ビラや看板といった形で長い歴史をもっています.
 屋外広告には、屋上広告塔・広告版、ポスターボード、広告用掲示板、屋外の大型スクリーンなどさまざまなものがあり、これら屋外広告でも特に大型のものは、スケールの大きさによる強力なインパクトがあり、目印や街のシンボルとしてのランドマーク的効果も考えられます。また、通勤・通学などで目にするなどの定期的な反復効果も期待されると思います。

 交通機関での広告は、公共交通機関やタクシー・飛行機などの乗り物や、駅・空港など施設を利用したものがあり、その中でも、鉄道においては、駅広告(駅張ポスター、駅電飾ボードなど)と、電車内広告(中吊り広告、窓上ポスターなど)があり、日常的に多くの人が目にする機会を有しています。最近では、飛行機そのものが広告に使われるということも始まっていて、これまでの典型的な看板という概念も変わりつつあるように思います。これら屋外広告と交通広告には地域密着性という特徴が見られます。(この場合、飛行機自体を広告としたものは含まれないと思われます。)既存の広告媒体としては、以上のようなものがかんがえられますが、広告媒体の主たるマスコミの4媒体の特性を一度まとめてみます。上述したように、雑誌、テレビ、新聞、ラジオが広告媒体としての主たる働きをしているのですが、これらを比較するとそれぞれの特性を使い分けることで、広告の宣伝効果にも影響を与えるように考えられます。広告メッセージの到達範囲、接触頻度、話題の共有制では、テレビ・新聞が多く、購買層へのターゲット効率、ライフスタイルへの対応という点では、雑誌が高いように思われます。電波を用いる広告媒体のテレビ・ラジオは話題の即時性ということでは優れ、新聞・雑誌は、保存性・反復性に優れている。

これらの広告媒体に加えて「ニューメディア」として最近ではインターネットが普及してきています。

日本のインターネット利用者人口は、約2700万人おり、これに携帯電話のみのインターネット利用者を含めると3000万人超えており、これは、日本国民の約4人に1人がインターネットを利用していることになります。また、インターネットは、他と異なって海外との接触も可能なことから、世界のインターネット利用者が4億人を越えていることを考えても、他の広告媒体よりも広告効果が見込まれると思います。今後のインターネット環境の整備が進んでいけば、インターネットが、広告媒体としてテレビを抜くことも十分に考えられます。加えて最近では、女性のインターネット利用者が増えていることから、有力な購買層としての女性のインターネット利用の増加は、インターネットの広告媒体としての価値を増大させる大きな要因の一つになると考えられます。インターネットの特徴は、何よりも消費者の反応が得られ易いという消費者と企業の双方向性が挙げられます。これに、携帯電話の場合ならば、どこにても利用できるという可搬性も加わりますしかし、問題点として個人の関心の無い情報への接触が必然的に限られてしまうために、新しい利用者の獲得が難しいという事が考えられます。これからますます増えるであろうインターネット利用者に、どのようにしてより多くの広告に目を触れさせられるかが重要になると思います。

以上のように、今回の発表では広告媒体としての複数の形態を挙げましたが、次回の発表では、これを、雑誌に絞って行いたいと思います。近年の雑誌を取り巻く環境、インターネットなどのニューメディアの台頭による広告媒体としての雑誌の今後の展望などについて調べていきたいと思います。