ウォーナンブルの教室から
2000年3月
新しいコーナーを始めます。ここでは私が教えている小学校で起こったいろいろな話を紹介していきたいと思います。オーストラリアで教職を考えている人たちの参考に、また日本で教鞭をとっておられる方にとっての新しい発見になれば情報を発信している者にとってとても嬉しいことです。フィードバックもお待ちしております。
今日は第一回目なので、オーストラリアの教育事情などを簡単に説明したいと思います。
今年でオーストラリアで日本語を教えて六年目になります。こちらで教職課程を修了後に見つけた仕事です。オーストラリアではどんな仕事でも新聞を見て探すのが一般的です。
私も卒業見込みがたってから週末の新聞を見て日本語教師を募集している学校に履歴書を出しました。書類選考の後に面接というステップになりますが、経験のない新卒にはなかなか面接に機会さえ与えてくれません。ビクトリア州だけではなく、ニューサウスウェールズ州やクィーンズランド州にも出しました。二十通以上出したもの面接には至りません。
十二月も中旬になった頃、当時すんでいたメルボルンから300キロ近く離れたウォーナンブルで小学校の日本語教師を募集しているのを見つけました。もともと小学校で教えるのを希望していたので、急いで履歴書を送りました。しばらくすると面接にきて欲しいとの電話がありました。オーストラリアで日本語教師を目指しているなら、田舎がねらい目です。オーストラリア人でもなかなか田舎での教師のなり手がいないのです。
「えーっ、オーストラリアの田舎ぁ!」と思われるかもしれませんが、人口1900万人しかなく、その大部分がシドニー(400万人)、メルボルン(300万人)などの大都市に集中していることを考えれば、オーストラリアのほとんどは田舎です。
面接ではオーストラリアで日本語教師になろうと思った動機、日本での職歴、自分のアピールできるものなどさまざまな角度から質問がされました。こちらから質問することも許されます。とても西洋的です。給与面や福利厚生についても質問していいのです。日本人にとってはなかなか聞きにくいことですが、これらの質問でマイナスになることはありません。面接される側の権利ですから。
オーストラリアではほとんどの職場でフルタイムで十年働くと十週間の有給休暇が取れます。先生も同じです。有給です!!! 2か月半休んでお金がもらえるのです。有給休暇を取るのに躊躇する人はいません。国内、海外旅行を楽しむ先生方もたくさんいます。休暇中は代わりの先生がクラス担任をしたり、中高校であれば担当教科の先生をそのために公募します。
初任給は日本の先生と比べるとかなり低いですが、毎年昇給はあります。学期間の休暇中に学校に行く必要はないし、夏休みの六週間もたっぷり休めます。特に会議などがなかったら、五時までには家に帰れます。時間をとるかお金をとるかと言ったところでしょうか。私の場合、日本でのサラリーマン生活と比べると、自分のやりたいことが出来る時間が持ててとても満足しています。
私は現在七つの小学校で教えています。これは掛け持ち数としてはビクトリア州の中では最多になると思われます。カソリック・スクール・ネットワークという特殊な環境のなかで教えているものの、日本語教師が複数の学校を掛け持ちして教えるのはよくあることです。理由は、ひとつの学校で(特に小学校の場合)フルタイムで教えるほどの時間数や予算を確保できないことです。特にオーストラリア永住権を持っていない日本人の場合、フルタイムでないと労働ビザが下りない事もあって掛け持ちせざるをえないのです。(私の場合はビザに関係なく、はじめから七つの掛け持ちでした。)
海外派遣プログラムでの実績なども認めてもらって、
ほとんどその日の内に内定をもらいました。
次回は現在の学校の様子を紹介します。