ウォーナンブルの教室から 2

3月xx日
St.Marcellus'(セント・マーセラス)に行きました。ウォーナンブルから二十キロ離れた小さな町です。子供たちは全員、酪農家出身で、今年の総生徒数は十五人。そのうち半分の七人が私と一緒に日本語をやっています。三年生のマイケルくんに驚かされました。新しい言葉「しずかにしてください」をとてもきれいに発音するのです。この言葉は5,6年生でもなかなか上手く発音できないようです。いろんな研究で第二外国語の習得には八,九歳がよいと発表されていますが、それを目の当たりにした感じがしました。マイケルくんのこれからの日本語習得過程はまだまだ未知数ですが、発音だけ聞いていたら、日本人かオーストラリア人かわからないでしょう。僕の発音を聞いて、そのまま素直に発音したのでしょう。僕が受け待つこれからの四年間で、もっともっと日本語をインプットしてやりたいと思います。

3月ox日
Our Lady Help of Christians (アワァ・レイディ・ヘルプ・オブ・クリスチャンズ)の五年生・ティムくんはちょっとやんちゃです。でも日本語は大好きなようで、一生懸命チャレンジします。去年、ひらがなリーディング・テストを実施した時、ティムくんは新しいひらがなをどんどん覚えて、高いレベルのテストに挑戦していました。
ティムのやんちゃ度が時々、授業を妨害することもあるので、ある時担任の先生に聞いてみました。ティムくんには脊髄に障害を持つ弟いることがわかりました。車椅子が離せない生活だそうです。両親は、ティムくんや中学2年のお兄ちゃんよりもその弟に世話をやきます。家で両親の注目をひけないティムくんは学校で注目を集めようとします。それがちょっと間違ったやり方をとってしまっているようです。大声を出したり、人の嫌がることをしたりしてしまうのです。オーストラリアでは日本より離婚率が高く、それが子供の情緒に影響していることが多々あります。授業を妨害する子供を叱るのは簡単ですが、正しい方向に導いてやるにはその背景を知る必要があります。