紹介ページからもおわかり頂けるように、私はシェイクスピアを研究しています。これまで日本英文学会や日本シェイクスピア学会で発表したり、セミナーの司会や口頭発表の司会を務めてまいりました。また2年おきにイギリスのストラトフォード・アポン・エイヴ ォンで開催される国際シェイクスピア学会に出席し、毎回セミナーで発表しております。さらに5年おきに開かれる世界シェイクスピア学会のセミナーでも毎回発表しております。そのほかアメリカ・シェイクスピア学会のセミナーや中国のシェイクスピア学会でも発表 しました。またインドのシェイクスピア学会やルーマニアのシェイクスピア祭、駒沢大学や東京都練馬区総合教育センターなどに招かれて講演し、杏林大学外国語学部10周年記念講演会や公開講座などでも講演しております。

 最近の学会活動は、次の二つです。一つはユネスコ関連の近代言語文学国際会議(2002年8月、タイで開催)において “How Can We Understand the Other?”の演題で話したこと、もう一つは2002年9月に中国河南大学創立90周年に招かれ、国際シェイクスピア・シンポジウムで「シェイクスピアと日本」について話したことです。

 また、最近の仕事は次のようなものです。
 編著:Yoshiko Kawachi, Ed. Japanese Studies in Shakespear and His Contemporaries (London: Associated University Presses, 1998)を出版し、本書がドイツの『シェイクスピア・ヤールブッフ』で書評されました。
 翻訳:レスリー・A・フィードラー著『シェイクスピアにおける異人』(東京:みすず書房、2002年)を出版しました。
 論文:“Shakespear's Idea of Time in The Winter's Tale” を Cultere at Global/Local Levels: British and Commonwealth Contribution to World Civilization (Lodz: University of Lodz, 2003)に掲載。
  “ 'I am not what I am' : Mistaken Identity, Tranvestism and Gender in Twelfth Night” を Litteraria Pragensia, Vol.12, No.23 (Prague: Charles University, 2002)に掲載。

 これまでに一番印象に残っているのは、1985年の第4回世界シェイクスピア学会で翻訳特別会議の議長を務めたときのことです。韓国、中国、インド、ノルウェー、ドイツなど非英語圏からの出席者を得て、熱心に翻訳における言語的、文化的ギャップの問題を討議し、また多勢の参加者から数々の有益な質問や助言を受けることができました。

 私はシェイクスピアの作品論のほかに、彼が日本にどのように受容され、日本の近代文学の発展や演劇活動にどのような影響を与えているかについても研究しています。この分野の論文では、例えば
“Shakespeare and the Modern Writers in Japan--Translation and Interpretation by Shoyo, Ogai, and Soseki”
(Shakespeare Translation, Vol.7)
Hamlet in Japan--from Drama to Novel”
(Hamlet Studies, Vol. 8 )
The Merchant of Venice and Japanese Culture”
(Japanese Studies in Shakespeare and His Contemporaries, ed. Yoshiko Kawachi, Newark, 1998に収録)
Julius Caesar in Japan”
(Collection of Theses of Shakespeare in China: Performance and Perspectives, Shanghai, 1999に収録)
Romeo and Juliet in Japan”
(On Page and Stage: Shakespeare in Polish and World Culture, ed. K. K. Courtney, Cracow, 2000に収録)
“Shakespeare as a Cultural Hero in Japan”
(川地美子著『シェイクスピアと文化交流』、東京、1995に収録)
などがあります。

 私の最初の大きな仕事は、アメリカで出版した Calendar of English Renaissance Drama: 1558-1642 です。これは、イギリス・ルネサンス時代の演劇がどこで、どのよう な観客の前で上演されたかを調べ、一日単位で示したものです。世界に年表はあっても、このような日表はありません。従って本書は、ある時期のイギリス演劇の概要を把握するのに便利なもので、Shakespeare SurveyShakespeare QuarterlyShakespeare JahrbuchEnglish Studies などの海外の権威ある学術雑誌で批評され、さらに Shakespeare International Yearbook に参考文献として掲載されております。

  また私の論文(英文)は Shakespeare Survey で批評されたり、外国人の著書に言及されております。日本で出版した『シェイクスピアと文化交流』では、日本におけるシェイクスピア受容と翻訳翻案の問題に加えて、幾つかの作品が論じられています。そして『シェイクスピアの時間論』では、まず時間の観念がギリシャ時代から中世に至るまでどのように変化してきたかを考察し、このような時間についての歴史的見解をイギリス・ルネサンスの詩人兼劇作家シェイクスピアはどのように受け止め、彼自身の時間意識と共に作品の中に織り込んでいるかについて、同時代作家の場合も考察しながら論じています。

 そのほか日本語の論文も多数ありますが、例えば『ロミオとジュリエット』、『夏の夜の夢』、『恋の骨折り損』、『お気に召すまま』、『ヴェニスの商人』、『トロイラスとクレシダ』、『ハムレット』、『マクベス』、『ペリクリーズ』、『冬物語』、『あらし』等々についての作品論です。さらに内外で出版された書物の批評を学会誌や新聞や専門誌に載せています。

 なお、私については、2000 Outstanding Scholars of the 20th Century (International Biographical Centre, 2000)という海外出版の人名辞典に、また、
International Who's Who of Professional & Business Women (American Biographical Institute, 2003) という人名辞典にも紹介されています。