貴女に届けたい
僕の片思い
僕にとっては
とんでもない事
貴方にとっては
つまらない事かも?
喫煙所 at 2000
10/04 19:09 編集
今日の会議では、真後ろに息遣いを感じた。
テーブルの有る席は埋まっていたので、
椅子だけがギュウギュウに並んでいる
そんな一列に座った。
真後ろに貴さんだ。
左斜め後ろの人に囁いている声が聞こえる。
時々微かな笑い声も漏れてくる。
何より息遣いまで感じる。
背中が熱い。
首筋に汗がにじんで来る。
皆は熱くないのだろうか?
少し低めで動いていたエアコンも
途中で切られてしまった。
終わって帰るとき、振り向きざまに
「お疲れ様でした」との素っ気無い声
けど間髪いれずに掛けられた。
動揺している僕は、
粋な返事どころか、笑顔さえ出ない。
湿っぽい男だ。
嫌われても仕方ない頃になってきた。
終わってデスクに戻ったけど、
やっぱりもう一目だけでも会いたくて、
いつも行かない出口の灰皿に一服しに行く。
その先に、黒のサニーがあったからだ。
一本吸っても出てこない。
その内同僚が出てきて言う、
「あれ?どうしてココで吸ってるの?」
どぎまぎ言い訳している時に、
サニーの持ち主が出てきて、
颯爽と車が発進していった。
何度も見つめた車が、音も無く消えていった。
家内の予感 事実と現実 at
2000 10/15 00:06 編集
家内が良く言う
「なんで?何かあるの?」
早く帰らない事を責めている。
仕事に仲間との交流で遅いだけで
そんな事実は無いのだから、
何も後ろめたい事は無い。
と言い訳しているが、
これは果して嘘なのか本当なのか?
そんな事実は無い。
でも心の中に
どんなに打ち消しても消えない熱がある。
ただ時を待っているだけだ
彼女が良き縁で嫁ぎ、
退職する日がくるまで耐えている。
これは事実だ。
今日も広い廊下ですれ違った。
最初は反対側に歩いている後輩に
話しかけられてそのままだった。
でも用事を済ませて同じ廊下を戻ると
また同じ所で彼女も帰ってくる。
僕は辛うじて「コンバンワ」と
ぎこちなく声をかけた。
彼女もぎこちなく相槌をうった。
昨日のドラマの様には行かないのが現実だ
ドラマと現実 at 2000
10/21 10:52 編集
昨晩、不倫のドラマを家内と見ていた
見ていて気持ち悪くなってきた
現実が画面の中でシンクロしている
男の妻の台詞や表情
「何か有った?」
女の葛藤
「会いたいけれど会えないのよ」
男の呟き
「何やってるんだろう俺は」
俺は何をやっているんだろう
もう真っ直ぐ見えない at
2000 10/21 12:09 編集
今日図書館に行った。
事務長から頼まれた件で、
上司を連れて行ったのだ。
何の事は無い、
僕自身本当は行かなくても良いことだが、
ついて行く。心は次第に高揚して来る。
何故だろうか?
係長も行くと言ってついてきた。
オフィスに入ると、一番奥の方の真っ直ぐ前に
いつもの黒っぽい服の彼女が立っている。
ドアを開け、その光景が目に入ってから、
もう時空が変わってしまったように
全てが、ゆっくりと過ぎていく。
「コピー機のソーターが壊れちゃったんです。」
誰かのそんな台詞が聞こえるが、
僕にはもう愛想笑いしかできない。
聞こえていたけど聞いていない?のだ。
返事そこそこに、誤魔化した様に記憶している。
事務長と部屋を出て館内を回る
しばらくすると彼女がオフィスを出て行った。
小さなバックをもって?お化粧直し?
上司と事務長が話しているのに、
僕は上の空で、彼女の軌跡を追っている。
見えないはずの壁の向こうに、
機敏に歩く姿を思い描いている。
応接室を点検している時に、
扉の向こうには厨房の入口が見えた。
そこで彼女が炊事をしている。
お3時の片付けかな?
僕の視野の端っこに彼女が見えている。
でも決してそちらには顔を向けられない。
事務長と上司2人の言葉に、
僕は妙に神妙に受け答えしてた。
館を出て帰りがけ、係長が、
事務長の口調について
細かいことを批難して同意を求めてきた。
僕は全く覚えていない。
メモにした事務的なことしか残っていない。
頭の中には、ひとつだけ。
視野の隅っこに見えていた
いつもの黒っぽい人影だけだ
「何故そこにいるの?」
「何故部屋を出たの?」
その答えはつまらないこと
時間だから、用事が有ったから。
でも僕は違う。
偶然の時も有るけど
殆どが意志を持ってそこにいる
姿が見える可能性が有る限り
言い訳を繕ってはそこにいる
今日も不自然な角度だった。
僕が立っていた応接の扉の外は、
厨房の扉の外でも有るのだから
まるで道化だよね。あきれちゃうよ。
キンモクセイ at 2000
10/21 12:03 編集
中古の一戸建てに引っ越して3ヶ月。
始めて門柱の脇のキンモクセイが咲いた。
咲くまでこれがキンモクセイだとは気付かなかった。
子供の頃から大好きな香りが
僕をまた包んでくれた。
そして今日、あの大イベントの日。
僕は、ゴミとトイレの清掃本部本部長。
本部として使っている部屋の窓には
大きなキンモクセイが咲き薫っている。
その花のずっと向こう、
広い駐車場の一番奥に、受付のテントが見える
一番大きな山を越えた夕方、
そこに、僕の視線は釘付けになった。
今までゴミと格闘していて気付かなかった。
目線をそこから離したくなかった。
受付はこちらが正面になる角度で座っている。
そして僕は、約120度ほぼ反対を向きながら、
様々な指示を出す本部長席に座っている。
大きなキンモクセイの影に、
まるで隠れる様に僕は席を少し横に移した。
携帯の電波の都合が悪い部屋で、
ベルが鳴るたびに、窓際に立たなければならない。
僕は何度も、妙に素早い動きで窓を開け、
身を乗り出して通話していた。
携帯を使う時ってなんで宙を見るのかな?
向こうにも携帯が鳴ったようだ。
テントから出て、宙を向き、
ハキハキと話している。
その目線が、何故かこっちを向いている様に
思ってしまうのは、愚かの男の常だね。
でも携帯電話を使う時の目線は、
どこを向いても言い訳がいらないのだ。
だから僕は携帯でいつも120度反転して話す。
彼女の方はどう思ってこっちを向いているのだろう?
また愚かの男の妄想が
モクモクと大きなキンモクセイのように大きくなる
そしてキンモクセイの薫りの向こうに
今もその人影が揺れている
同じ薫りを感じながら、
夕闇が幕を閉じていった。
変化? at 2000
10/26 23:40 編集
今日電話が鳴った
僕のデスクの電話は業務上の理由で
特別にナンバーディスプレイ仕様
内線番号も表示される
今朝一番の電話の反応はいつもと違った
その電話番号は、
待ちに待っている番号のはずだった
恋焦がれ、いつ鳴るかいつ鳴るかと
心待ちにしている番号
本来ならば、飛び上がる程喜ぶ所が、
全く「普通」であったから、
自分自身異様に感じられた
いつものクセで、
その番号の時は、電話が切れると一呼吸置いて
周りの同僚の顔色を確認する
変な感じではなかったかと
それ程気持ちが高揚してしまっているのが
「普通」だった
だから今日の僕は「普通」ではない
どうしたのだろう
それだけじゃない
今日の会議に出たら、
来週始めの附属美術館の
特別展のオープニングの役員に
いつも探している名前があった。
それも、僕と密接に絡む部門だ。
「普通」なら、
もう今ごろは寝ても醒めてもって感じのはず。
それが今日は違った。
後ろに気配を感じたが、
振り返ろうにも、
都合の良い言い訳が無せいも有ったが、
顔を合わせたくなかった。
いま、自分自身に負けているからかな?
いやそれだけじゃない。
何か違う
やっぱ気のせい? at 2000
10/27 18:12 編集
自分でもよう判らん。
同じキャンパスに居って、
同じ部署の人に会うても、
彼女には会えない。
でもね
電話やメールでだけ話せるん
時々会うても話せない
電話でも事務的なことしか話せない
でもね
メールでは話せるん。
そしてとてもそれを感じてるんよ
「なにしてるんだか」
この前のドラマの男が行っていた台詞
何度自分でも呟いたことか
でもあんな風にはなれないし
ならないけどね
きょうもまた、
メールでお話しています
他愛も無い内容の
他愛も無い台詞で
何も進まない様に
何も起らない様に
苦しい at 2000
10/29 18:52 編集
笑顔でいた
ずっとにこやかにしていた
でも一言も話せなかった
ハムスターの話しでも
秀坊の話しでも
仕事の話しでも
挨拶でも
なんでもすればいいのに
できない
やっぱり黒いコートに
黒い靴
栗色の髪は輝いている
昨日メールで話したのに
一昨日仕事で電話したのに
なんで?
疑われるやろ!
普通にしろよ!
そう自分に言い聞かせれば言い聞かせるほど
なんにも話せない
視線すら向けられない
10人のスタッフ
対面にいるのに
何度もすれ違うのに
同じ人と話しているのに
何にも話せない
好きだって
知られないようにしなくっちゃ
そう思う事自体が
僕を苦しめて
何も話せなかった
明日は半日一緒のスタッフだ
少しでも二人っきりになりたい
そうすれば話せるのに
いやそれはイケナイ
また思いが深まるだけだから
この想いは
語っちゃイケナイ
伝えちゃイケナイ
苦しみしか
途惑いしか
与えないだろう
ドラマとは違う
現実なんだから
単なる片思いだ at 2000
10/31 19:38 編集
昨日は半日一緒に過ごした
グリーンのスーツに金のブローチ
とても似合っていた
彼女はいつもと変わらない
ちょっとカエルっぽい?
屈託の無い笑い声を響かせていた
僕はずうっと、
彼女の対面に立って任務についていた
向こうに見えるのは
来客に対応する後姿だ
爽やかな“外向き”の声が聞こえる
きびきびとした動作の中に
親切さが目に付く
背の低いご婦人方の為に
始終中腰でリボンを付けている
僕はクロークを手伝ったり
運本に来賓の出欠を連絡したり
テーブルをエッサホイサと運んだり
雑巾を受け取りに走ったり・・・
来客の途絶えた頃だから?
若い記者が彼女に近づく
カメラバッグのせいで
スーツの襟を斜めにひしゃげていた
何気なく手を添えてあげている
バッグを持ち上げ直してあげている
小声で側の友達に説明している
(小学校の同級生なんだ)
そんな台詞が、僕には鮮明に届いてくる
結構離れているのに聞こえるのは、
口の動きをじっと見詰めているからかな?
若いスーパーエリートが受付を通り過ぎる
親しげに、通りすがりに声かけていく
そうだよね
こんなの単なる片思い
でもなんで?
昨日のメールの話題しないの?
ハムスターの話しでも
長男のお受験のことでも
仕事の事でも
キャップには子供の話してるじゃない?
ただ離されているだけかな?
表情が暗いからかな?
それはそれで悲しい
けどこれでいいのかも
それにしてもやっぱり淋しい
そうだよね
こんな男山程いるよね
その内の一人
大勢いる内の一人だ
暇な男がいて
素敵な女性がいれば
こんな構図は腐るほど有るのだろう
ありふれた話しだね