| 列車名 | 一日あたり利用者数
平成20年 8月末現在 | 増減 | 改正前との比 |
| スーパーカムイ(札幌−岩見沢間) | 9,731名 | ※+10名 | +0.1% |
| スーパーカムイ(滝川−旭川間) | − | − | −1.3% |
| すずらん | 972名 | ※+77名 | +8.6% |
| すずらんuシート車 | − | − | +40% |
| スーパーおおぞら(帯広−釧路間) | 2,178名 | ※+34名 | +1.6% |
| スーパーおおぞら(新得−帯広間) | ※3,166名 | +266名 | +8.4% |
| スーパーとかち (新得−帯広間) | ※579名 | +223名 | +38.5% |
| とかち (新得−帯広間) | ※346名 | −550名 | −61.4% |
| 新得−帯広間計 | ※4,091名 | −61名 | ※−1.5% |
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※を付した数字は他の数字からの推測値
「すずらん」の伸びは、 785系転入による時間短縮、uシート定員の増加、沼ノ端停車などの要因が効いたと分析されている。uシート利用者の40%増とは実に驚異的な伸びで、今まで需要をつかめていなかったと評さねばなるまい。また、沼ノ端付近では人口増加があり、同駅だけで一日あたり40名の「すずらん」利用者がいるというから、全体の底上げ効果は決して侮れない。

現役当時の 781系「すずらん」
南千歳にて 平成17(2005)年撮影
鳴り物入りで登場した「スーパーカムイ」伸び悩みの原因については言及されていない。詰まるところ、 781系を 789系1000番台に置換したことでサービス水準のボトムアップが図られただけ、という実質が利用者に冷静かつ的確に評価された観がある。在来線ゆえにこれ以上のサービス水準向上は難しく、伸び悩むのも無理からぬところか。
同記事には、ダイヤ改正における車両新造コストとして、 789系35両に70億円、 261系13両に32.5億円を要したと記されている。JR北海道としては思い切った投資をしたわけで、その効果が出ていないとなれば、今後の展開には苦しさが伴う。
■伸び率だけでは喜べない
以上までのデータを用いて、いささか数字遊び的な試みになるが、各特急の一両あたり利用者数を試算してみよう。
| 列車名 | 一日あたり 利用者数 | 基本編成 | 列車定員 (基本編成) | 一日あたり 運行本数 | 一両あたり 利用者数 |
| スーパーカムイ(札幌−岩見沢間) | 9,731名 | 5両 | 283〜293名 | 56本 | 34.8名 |
| すずらん | 972名 | 5両 | 293名 | 10本 | 19.4名 |
| スーパーおおぞら(帯広−釧路間) | 2,178名 | 7両 | 353名 | 14本 | 22.2名 |
| スーパーおおぞら(新得−帯広間) | 3,166名 | 7両 | 353名 | 14本 | 32.3名 |
| スーパーとかち (新得−帯広間) | 579名 | 5両 | 250〜353名 | 6本 | 17.0名 |
| とかち (新得−帯広間) | 346名 | 5両 | 280名 | 4本 | 17.3名 |
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全体に目を疑いたくなるような数字が並んでおり、常識的な数字は「スーパーカムイ」くらいだ。「スーパーおおぞら」でも帯広−釧路間になると乗車率は五割を切っている。新得−帯広間では一見良好な水準に達しているとはいえ、多客期の増結を考慮すれば割り引く必要がある。
「すずらん」は区間不詳ながら乗車率33.2%で、野球の世界ならば高打率だが、特急としては低い数字といわざるをえない。 781系時代から 1両増結したため、乗車率がむしろ悪化したのは、痛し痒しというところか。いくら利用者数の伸び率が高くとも、乗車率がかなり低いため、経営改善に寄与したかどうかは疑問である。「スーパー北斗」「北斗」との競合も気になる。

就役前留置中の「スーパーとかち」向け 261系
苗穂工場にて 平成19(2007)年撮影
「スーパーとかち」乗車率は33.9%と「すずらん」同様に低く、「とかち」の乗車率は30.9%とさらに低水準になる。
あるいは、この程度の数字でもJR北海道としては充分ペイしている、ということかもしれない。記事の意図は別のところにあるとしても、JR北海道をめぐる環境が端なくも示された格好といえよう。行間ににじむとは、まさにこのことだ。
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