ご挨拶

 二〇〇二年度、酒寄ゼミの活動はいくつかの祭の取材を通して展開しました。
 その原体験はなんといっても、イメージ文化学科の山本ひろ子さんが企画・演出し、和光大学で開催された「花祭〜鬼と舞の饗宴〜」でしょう。愛知県東栄町月・花祭保存会の面々によるこのイベントで、酒寄ゼミは事前フィールドワークとイベント当日の撮影を担当し、同時開催された「花祭の世界展」で第三会場の写真展示「ファインダーの中の<祭>」を受け持ちました。
 すべてはそこからはじまるということで、今回のゼミ展示会は、このイベントの開催された日を記念するため「from10.19」としました。
 ゼミというユニットでこういうイベントに関わるのははじめての経験だったので、改善すべき点は多々残りましたが、この体験をバネに二〇〇三年三月まで冬場を中心に、さまざまな祭や神事にアプローチし、ゼミのメンバーは個々に「表現」を練る作業をしてきました。寒い、眠い、煙いという過酷な環境の中で、綿々とつづけられている祭。それを担う人々のエネルギーには並々ならぬものがあります。ゼミのメンバーひとりひとりが、そうした人々との出会いを通して、自分の中に小さなマグマを抱え持つようになることを、ぼくは願っています。
 今回のゼミ展示会は、そうした半年間の辛くも楽しくもあった活動の軌跡です。「花祭」の写真展示と「祭」をテーマにしたインスタレーション、「花祭〜鬼と舞の饗宴〜」の記録映像上映からなり、同時に二〇〇二年度酒寄プロゼミ(一年生)の活動記録として映像上映と写真展示を行います。
 「花祭」の写真展示と「祭」をテーマにしたインスタレーション、およびプロゼミの写真展示は期間中常設します。ゼミとプロゼミの映像上映は日時を確認のうえお越しください。


御園の花祭(2002.11/09〜10)
 僕が初めて現地に行って夜通し行われているのを見たのが、この花祭りでした。
 700年余の伝統をもち、国の重要無形民俗文化財に指定されているという花祭りですが、想像していたのよりもずっと若い人たちが多く、老若男女一人ひとりが心からこの古典芸能を楽しんでいるという印象を強く受けました。(文責:関口)

  「花祭り」、十月に学校で行われ予習していったにもかかわらず、本物の楽しさ、異様さ、厳粛さは実体験の中にこそあった。
 “パフォーマンス”として存在する「祭り」ではなく、その土地に昔から根付く、その土地の人々の中にある、その土地の人々の為の、生活の一部としての「政(まつりごと)」として在り続ける。
 それが年一回の「花祭り」。(文責:荒井)
 
月の花祭(2002.11/22〜23)
 9月の合宿、10月19日の和光花祭と、山本先生のゼミを通して関わりの深かった月。
 当日、写真を撮っていると舞手の方が「もっとこっちで撮ったら」、舞庭でうつらうつらしていると「寝るなよー」と声をかけてくださった。
 約28時間に渡った月の花祭。寒くて眠くて楽しくて、この体験を経たら、どんなお祭もどんと来いという気持ちになった。(文責:市川)
 
布川の花祭(2003.03/01〜02)
 3/1、はげしい雨にも関わらず、大勢の人!!布川は最初の滝祓いから最後の宮渡りまでの神事を、旧来どおりに斎行していて、研究者らの関心を集めているそうだ。東栄町で、唯一3月に開催され、それほど寒くなく、春の訪れを感じさせるのも人気の秘密かもしれない。
 花粉症と格闘しながら、「テホーヘ テホヘ」 の掛け声を聞く。そんな春を感じるのもいいものである。(文責:寺島)
 
板橋の田遊び
 東京都板橋区、と都会と思える場所で田遊びは執り行われた。神事に初めて参加するらしく緊張した面持ちの青年、獅子に驚き泣く袴の男の子、様々な人、顔。田遊びは五穀豊穣、子孫繁栄を祈った祭りで、日本各地で行われていたそうだ。
 ……こんなあったかい表情が見られるなら、東京も悪くないかな、とちょっと思った。(文責:小橋)
 
西浦田楽
 月の出から始まり、日の出に終わる西浦田楽は、火を使った演出が凝っていて、真剣を使った舞いや橋渡しなど、迫力があり楽しめた。(文責:西堀)

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