私は、受験界の流れについては自らが受験勉強を開始した94年(だったと思う)の
前後しか知りません。(とは言ってもこの数年で受験界は大きく様変わりしましたが)
そこで、まずは94年前後の各予備校の様子を述べてみたいと思います。
94年、受験業界は3大予備校といわれる、LEC,早稲田セミナー、辰巳法律研究所
が中心でした。
その中でも、中心はLECとセミナーだったと言えます。
辰巳は、現在よりももっとマニアックで、ベテランの比率が高かったと思います。
辰巳が、現在のように明るく、若返りをしたのは、現在LECに在籍する柴田講師が入
ってからといえるでしょう。(柴田講師に関しては後述)
次に、それまでの受験界について、私が他人から聞いた情報をもとに概観してみます。
いかにも『予備校』といった予備校のスタイルが確立されるまでは、受験勉強といえば
大学での勉強(サークルやゼミなどを中心としたものか)が主だったものでした。
したがって、予備校の講座も専ら答案練習会を中心としたものになっていたようです。
現在のように、有名大学の法学部生が予備校まず予備校から始める、という様になった
のは、各予備校の入門講座が整備された頃からだと思われます。
この、入門講座について、最も画期的、先進的な指導を行っていたのが、LECだった
と言えるのではないでしょうか。
LECは予備校としては後発らしいです。
現在の反町学院長が岩崎講師と共に設立したそうです。
しばらくして、反町氏に影響を受けた伊藤真氏がLECに参入。当時はまだ合格
していないにも関わらず、LECにおいて講義をしはじめます。
(LECは、合格していない人間を講師として使う唯一の予備校です)
LECが凄いのは、ここからの快進撃です。
まず、「論点ブロックカード」なるものを中心とした指導法を徹底し、合格への道程を
機械的に示します。この、論点ブロックカードの功罪については現在でもいろいろ論議
されていますが、とにかくこのブロックカードなるものが受験界の主流となっていく強
力な武器であった事は事実です。
そして、LECは指導内容についてもシステム化を図ります。
先述のように、合格していない者が受験指導しているのはLECの特徴ですが、裏をか
えせばそれだけ自らの指導システムに自信がある、という事なんでしょう。
以上のように、LECは後発ながら、@ブロックカードという当時としては強力な武器
A伊藤真氏という講師、B指導内容のシステム化・アップグレード、という3つの優れた
点を有していたがために、大きく躍進する事になったのです。
なんだか、LECを褒めすぎた感が強いですが、これは私がLEC出身だから、LECの
事について詳しい(もちろんLECの問題点についても)からそう感じただけかもしれま
せん。
ただ、LEC=ブロックカード、といったイメージが定着しているのに対して、その他の
予備校にはこれといったイメージは無く、また、ブロックカードといえば、とかく受験生
(はては試験委員までも)が話題としていた、という点を考慮すると、私の解釈である、
90年代前半はLECを中心に受験界が回っていた、という考えも大きく誤っていないの
では?、と思う次第です。
この後、96年に菅原貴与志氏の「司法試験への招待」が出版されます。
それまで勉強法に関する本といえば、合格体験記か予備校のプロパガンダ本しかなかった
のですが、この本以降、多くの勉強法の本が出版されます。
最近では、現LEC講師の柴田孝之氏の「司法試験機械的合格法」や辰巳法律研究所の井
藤公量先生の「速攻・司法試験突破塾」など。