俳句で散歩39 土浦市亀城公園
露けしやアリャアリャアリャと櫂をこぐ 国彦
【解説】土浦市の亀城(きじょう)公園の櫓(やぐら)が復興し、そこで秋に薪能(たきぎのう)が開かれる。薪能は元来、奈良の行事だったが、今は各地で年中いつでも開催されるので「露けし」という秋の季題で、実際に合わせた。能は荘重で退屈なものときまったわけではない。これなどは「舟弁慶」という曲目で、変化と動きに富み、アリャアリャアリャという奇声をを発したりして、すこぶる面白かった。照明であるかがり火の薪の燃えとあいまって感興は深い。(本名=加藤栄一、筑波大学名誉教授、『樹』『天為』同人)
※写真…東櫓と松の木を舞台背景に、かがり火に映し出された能の舞台

【メモ】今年の土浦薪能は、九月二十八日の夕方から夜にかけてに行われた。曲目は、能の『清経』、『鉄輪』と狂言の『萩大名』。観客は、人間国宝の認定を受けた出演者たちの繰り出す幽玄美の世界に魅入っていた。