「モノからコトへ」のパラダイム転換 21世紀初頭の現在、
コンセプト思考術
物事の考え方の基本的枠組のことを、「パラダイム」と言います。
「パラダイム」は、私たちが意識するしないに関わらず存在し、ほとんど無意識的に私
たちの思考と行動の<目的>と<手段>を規定しています。
そして世の中の問題は、じつは重大な問題ほど、<手段>を<目的>化してしまったパラ
ダイムの帰結として説明できます。
日本の社会はこれまで安定と幸福を求めて、「モノをたくさん作って売る」ことに専念
してきました。私たち日本人も、「モノをたくさん買う」ことに専念してきました。
しかしそれでは、安定も幸福も手に入らなかった。なぜか?
簡潔に言って、「モノをたくさん作って売る」「モノをたくさん買う」というのは手段
であって、手段が目的化してしまったからです。
私たちは、生産者という送り手である一方、生活者という受け手でもあります。
生産者が「モノをたくさん作って売る」というのは、送り手側の観点です。
一方、生活者が「有意義な生活や仕事というコトを営む」というのは、受け手側の観点
です。
本来、受け手側のコトこそが目的であって、それを達成するための手段として送り手側
のモノがあるべきでした。
しかし日本の社会は、受け手側の「コトづくり」よりも、送り手側の「モノづくり」を
優先してきてしまった。
私たち日本人が「モノをたくさん買うことで安定や幸福が手に入る」と思ってきたの
も、送り手側の「モノづくり」のパラダイムを受け手側もそのまま無意識に受け入れてき
たということに他なりません。
20世紀までの<無意識のパラダイム>を意識化し改めた者に希望が生じて、
当然視し改めようとしない者に失望が生じています。
「モノからコトへ」のパラダイム転換とは、
まさに失望から希望への方向転換に他なりません。