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化学反応と熱
反応熱とその種類
- 化学反応の際に出入りする熱を反応熱という。
反応物のエネルギー総和が生成物のエネルギー総和より大きいとき発熱反応、小さいときが吸熱反応となる。
- 以下のような言葉があります。覚えましょう。
- 燃焼熱:1molの物質が完全燃焼するときに発生する熱。
- 生成熱:1molの化合物がその成分元素の単体から生成するときの熱量。
- 溶解熱:1molの物質が多量の溶媒に溶けて溶液になるときの熱量。
- 中和熱:1molの水素イオンが中和されるときに発生する熱量。およそ56kJ。
- 融解熱:1molの物質が融解するときに吸収される熱量。
- 蒸発熱:1molの物質が蒸発するときに吸収される熱量。
- 何に注目するかがポイント。それにより燃焼熱か生成熱か決まることもある。
熱化学方程式
- 化学反応式に熱量を書き加え=で結んだ式。普通、反応の対象となる物質を1molにし、熱量は右辺に持ってくる。
- 右辺に熱量があるときその係数が正なら左から右の反応は発熱。負なら吸熱。
この反応の向きは結構重要!平衡なんかで出てきます。
- 状態が1つに定まらないときはその状態(気体(g)液体(l)固体(s))を書き加える。
つまり何かが燃えて水ができるときなんかにその水が液体か気体かにより熱量がかわってきます。
炭素の場合、黒鉛かダイアモンドかによっても違う。
- 係数の意味(単位)はmolです。つまり分数になってのいいわけ。
それに対して化学反応式の係数は分子の数だから分数になることはなかったよね。
- 溶解熱なんかで出てくるんだけど、aqは大量の水をあらわすんです。またNaOHaqなんてのは水溶液のことです。
初めてだと何かな?と思うけど慣れれば大丈夫!
- 反応熱は変化する前と後の状態だけで決まり、変化の経路によらない(ヘスの法則)。
えっ、当たり前?まあそうなんだけど、これってあんまり実感ないんじゃない。実験で確かめるのも結構大変だし、コロイドみたいに身近な例もないしねえ・・・。
- しかし!このヘスの法則があるから受験化学に熱化学があるんです!(断言)。
この法則を式の言葉におきかえると、熱化学方程式どうしを足したり引いたりできるってことなんです。
これって結構すごいことだと思いませんか?数学の連立方程式みたいにですよ。まっ、この凄さは後で見てみようか。
結合エネルギー
- 結合エネルギーってのは、1molの共有結合をばらばらの原子にするのに必要なエネルギー。
定義は簡単そうに見えるんだけど・・・。なんかごちゃごちゃした問題が・・・。
- 見出しは結合エネルギーになってるけど、別の概念を1つ。
解離エネルギーというもので1molの分子をその組成元素の原子に完全に分解するのに必要なエネルギー。
はっ、結合エネルギーと何が違うの?って。つまりね(分子の解離エネルギー)=(結合エネルギーの総和)ってこと。
たとえばメタンはC−H結合が4つあるからC−Hの結合エネルギーをQ(kJ)とすると、メタンの解離エネルギーは4Q(kJ)となるんです。
- 結合エネルギーでもヘスの法則は成立します。心配しないでね。
問題の解き方
- 書いといたんだけど・・・。少なくとも上のを読んだだけでは、私は解けませんね。
というよりできたら天才!基本は、連立方程式の加減法と同じように何倍かして式を足し引きし目指す式にしていけばいいんだけど・・・。
まあ具体例でも上げながらやってこうかな。
- まず、炭素、水素、メタンの燃焼熱からメタンの生成熱を求める問題。与えられる式は3つ。

- 上の問題ではさらっと流したけど、水は状態変化を起こすので気をつけて。
水と水蒸気では別物だからそのままでは足したり引いたりできないよ。だからほんとは液体とか気体とか書いたほうがいいね。
- 状態に気をつければ結合エネルギーでも同じことができる。
C(黒鉛)=C(原子)−Q なんて式が一般的。結合や解離の式の右辺は原子だからもちろん違う状態。
ちなみは私は黒鉛の結合エネルギーがQといわれたら、C(黒鉛)+Q=C(原子) の式を立てました。
こっちのほうがエネルギー加えてバラバラになるって感じがよくでてる気がするね。
- ヘスの法則から当たり前に導けることだけど、
- (反応熱)=(生成物の生成熱の和)−(反応物の生成熱の和)
- (反応熱)=(生成物の結合エネルギー)−(反応物の結合エネルギー)
これは1番で生成熱や、解離エネルギーを求めさせ、2番で応用するパターンで出題される。
地道に解きなおすのも手だけど(私はそうした)覚えれて使えればスピードアップにつながる。
上の二つを利用しガンガン攻めるもよし、地道に足し引きするもよし。
文字で置き換え後でまとめて計算するか、その場で計算して進むか、ようは自分にあったやり方を見つけること。
エネルギー図
- 物理や生物なんかでもよく使うエネルギー図だけど、やっぱり専門は化学なんだよ(多分)。
書き方をマスターして、応用していこう。これは化学Uでも扱うから覚えといて。
- エネルギー図は各物質の持っている化学エネルギーの大きさ(エネルギーレベルという)を相対的に表した図。
この物質の持ってるエネルギーというのはよく分からないかもね。
もっているエネルギーが大きいものから小さいものへ化学変化を起こすとその持っているエネルギーの差の分だけ熱などのエネルギーになります。
たとえば1粒300mのグリコ。あれは食べると体の中で水とか二酸化炭素に分解されるけどそのときのエネルギー差が300m動く分のエネルギーになるんです。
きっと燃やしたりすれば300m走る分のエネルギーが熱として得られるんでしょうね(ちなみにグリコのエネルギーは330m分くらいになるそうです)。
- 書き方でしたね。ハイハイ説明します。
- エネルギーレベルの高いものを上のほう、低いものを下に書きます。
- 上向きの反応が吸熱反応、下向きの反応が発熱反応となる。
- エネルギーレベルの間隔が反応熱になる。
- この図を利用すれば、反応熱を視覚的に求められる。
とくに、結合エネルギーが絡んだ問題だとこの図は実に有効!
ただせっかく有効な道具も、正しい使い方を知らないとかえって足元をすくわれることになる。
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