III-V族DMSの研究の歴史

 自分の中でその歴史をまとめるために、表を作ってみました。よろしかったら御活用ください。そして、足りないところなどございましたら知らせていただけると幸いです。
第一著者概略出版
H. Munekata1989,10概略PRL 63 1849
H. Ohno1992,4概略PRL 68 2664
H. Ohno1996,7GaMnAsの発見!APL 69 363
V. V. Pavlov1997,3概略PRL 78 2004
H. Ohno1998,8GaMnAsの研究に関するレビューScience 281 951
B. Beschoten1999,10GaMnAsのMCDスペクトルに関する研究。1.6 eV付近に現れる細い負のMCD信号と、より高エネルギー側に表れる幅広い正のMCD信号を観測。負のMCD信号をホール密度状態のスピン分裂PRL 83 3073
T. Dietl2000,2概略Science 287 1019
A. Oiwa2000,5概略Phys. B 249-251 775
A. Oiwa2000,11概略APL 78 518
T. Dietl2001,4GaMnAsの強磁性体の起源に関する理論研究。容易軸がホールの濃度に関係することを理論的に予言。PRB 63 195205
J. Konig2001, 10概略PRB 64 184423
A. Oiwa2002,4GaMnAsでの光誘起磁化に関する研究。円偏光照射による伝導特性の変化を観測。600 mW/cm2の円偏光照射により生じる有効内部磁場を20-40 mTと推測。光により変化した磁化が光照射後も残ることを確認。PRL 88 137202
K. M. Yu2002,4GaMnAs中のMnがどのサイトに入るかで、特性がどのように変わるかを極めてくわしく評価。PRB 65 201303(R)
Y. Sasaki2002,5GaMnAsにおけるFMRの角度依存性から、GaMnAsの磁気異方性を初めて評価。K2およびK4を考慮することにより、実験結果をよく再現。JAP 91 7484
U. Welp2003,4ビスマスドープのガーネットを用いた磁化イメージング法によるGaMnAsの磁気ドメインおよびその異方性に関する研究。Tc/2における二次相転移を発見。Tc/2以上で容易軸は[110]方向を向き、Tc/2未満で容易軸は[010]方向もしくは[100]方向に近くなる。数分の時間でのゆっくりとした磁気ドメインの動きを観測。温度に強く依存する磁気異方性を、温度低下に伴うホールの局在によるものと推測。一軸容易軸の起源を、界面のreconstructionもしくはひずみの非対称な緩和によるものと説明。磁化反転のメカニズムを、核に起因する過程に始まりそれに準じてくっきりした磁気ドメインが急速に広がることを明らかにした。PRL 90 167206
X. Liu2003,5GaMnAs/GaAsおよびGaMnAs/GaInAsのFMRを系統的に観測し、磁気異方性を詳しく議論。有効内部磁場をその異方性パラメーターも含めて、実験的に決定。PRB 67 205204
G. P. Moore2003,6GaMnAsにおける磁気光学効果を詳しく研究。JAP 94 4530
T. Jungwirth2003,7GaMnAsにおけるホール効果の実験および理論の比較。APL 83 320
E. Kojima2003,11GaMnAs(Tc = 101 K)におけるTRKR測定に関する研究。励起光(1.55 eV、1 kHz、強度45μJ/cm2)プローブ光(1.55 eV or 1.77 eV)、95 K。PRB 68 193203
Y. Mitsumori2004,1GaMnAsへの円偏光照射による光誘起磁化に関する研究。光誘起カー回転測定を行い、Tc以上では単一指数関数、Tc以下では二つの指数関数の和で表れされるスピン緩和過程を観測。Tc以下で新たに表れるスピン緩和過程を、光により強磁性配向されたMnスピンによるものと解釈。電子スピンおよびMnスピン緩和時間をそれぞれ~ 10 psおよび~ 50 psと求めた。PRB 69 033203
K. W. Edmonds2004, 1GaMnAsのInterstitialなMnイオン(MnI)に関する研究。抵抗値をアニーリング中にin situ測定。抵抗値の変化とMn層の厚さとの関係から、MnIの表面もしくは基板への拡散が欠陥の消滅の主な起因であることを示唆。このプロセスを、1D拡散描像を考えたモデルにより説明。現実的には、MnIの拡散は基盤よりも表面で起こると考えられると表明し、Auger分光によりサポート。Tcは膜厚に依存しない。これまでに報告されているTcの膜厚依存性は、厚い試料ほどアニーリングに時間がかかることを反映しているかもしれない。MnGa-MnI-MnGaでのスピン配置は、MnGa-MnGaが平行で、MnGa-MnIが反平行。このことは、実際に観測される磁化が期待される値4μBよりも小さいこと、そしてMnIを消すことにより磁化が増加することを説明するのかも知れない。拡散のキックアウト過程(MnI+GaGa -> MnGa + GaI)は非効率であることを示唆。PRL 92 037201
J. Sinova2004,2GaMnAsにおけるFMRの線幅ΔHに関する議論。アニールされた試料とされない試料との比較から、ΔHに磁気的な不均一性が線幅に大きく寄与していることを示唆する。アニールされた試料におけるΔHをホモジーニアスな効果(Gilbert damping)によることを示唆し、かつΔHの実験値をGilbert dampingをp-d交換相互作用を考慮したモデルにより定性的に説明。PRB 69 085209
A. V. Kimel2004,6概略Nature 429 850
A. V. Kimel2004,6GaMnAsにおける光誘起キャリアのスピン緩和の研究。TRKR測定で電子のスピン緩和を観測し、電子スピン緩和時間を30 psと特定。10μJ/cm2での励起による有効内部磁場を1 mTと推定。PRL 92 237203
D. Chiba2004,11概略PRL 93 216602
E. M. Hankiewicz2004,12GaMnAsにおける吸収スペクトルを考慮した理論的な研究。kpもしくはKohn-Lattingerモデルを採用。2つの伝導帯、6つの価電子帯、そしてantisiteおよびinterstitial不純物を考慮して計算を行う。主に、1.4 eV未満の赤外領域を考察。PRB 70 245211
M. Sawicki2004,12GaMnAsの磁気異方性に関する研究。GaMnAs/GaAs界面に張力がかかると面直磁化、界面で圧力がかかると面内磁化となる。磁気異方性の、ひずみ、ホール濃度、そして温度に対する敏感さは、キャリア誘起強磁性試料の特徴である。これは、価電子帯の非対称性を反映するものである。GaMnAsの形状異方性による磁場を0.06 T程と見積もる(Feでは2.2 T)。温度変化に伴う磁化容易軸の面内面直転移を実験的に観測し、理論的によく説明。PRB 70 245325
A. Oiwa2005.2GaMnAsにおける光誘起歳差運動に関する最初の論文。JS 18 9
G. V. Astakhov2005,4磁場下のGaMnAs試料への光照射により、磁化の回転を実現。励起密度は150 mJ/cm2程度。APL 86 152506
A. V. Kimel2005,6GaMnAsにおけるMLDの研究。MLDの信号強度は、光の偏光が[100]と平行なときに最小、[110]と平行なときに最大となる。光励起されたホールが2つの離れたMnイオン間の相互作用を誘起することによりMLDが強められることを示唆。PRL 94 227203
R. Lang2005,7GaAs基板上に成長したGaMnAsにおけるカー回転およびMCDスペクトルの測定およびその6バンドモデルおよびMoss-Burstein shiftを考慮した理論的な解析を実施。理論計算により実験結果をよく再現。N0α=0.22-0.29 eV、N0β=2.3-0.9 eV(共に強磁性的)と見積もる。700 nm以下ではsplit-offバンドからの遷移、820 nm未満では自由なキャリアからの信号が支配的に見えることを示唆。ホールの濃度が増えると、KRとMCDに見られるディップが高エネルギー側にシフト。PRB 72 024430
J. Wang2005,10InMnAsにおけるdemagnetizationの発見PRL 95 167401
K.-Y. Wang2005,11GaMnAsの磁気ドメイン回転に関する研究PRL 95 217204
Y. Matsuda2006,4GaMnAsにおけるFMRの観測Physica B 376-377 668
S. Kim2006,6LT-GaAsとGaMnAsにおける透過スペクトルと時間分解反射スペクトルに関する研究。GaMnAsにおいて、100 ps以上続く長いキャリア緩和過程を観測。光励起された電子とホールが、それぞれ別のドナーとアクセプターにトラップされることを考える。APL 88 262101
K. S. Burch2006,8概略PRL 97 087208
K. Pappert2006,11概略PRL 97 186402
T. Diet2006,10GaMnAsの磁気ドメインに関する理論研究。実験で求められたドメインの幅を理論計算から再現。Cond-mat 0107009
H. Takechi2006.10強磁性GaMnAsにおける光誘起際差運動PSS(C) 3, 4267
D. M. Wang2007,6GaMnAsにおける光誘起歳差運動の観測。PRB 75 233308
J. Qi2007.9GaMnAsの光誘起歳差運動を観測。ギルベルト緩和定数が励起強度に強く依存することを示唆。APL 91 112506
A. Sugawara2008.2GaMnAsの磁気ドメインを、電子ホログラフィーを用いて極めて高精度に観測した。磁気ドメインの幅は45nm未満であることを示唆する。PRL 100 047202
E. Rozkotova2008,3捷克GaMnAsでの光誘起歳差運動に関する研究。試料のアニーリングにより、ダンピングファクターαが小さくなることを示唆。APL 92 122507
K. S. Burch2006,8GaMnAsの赤外分光から、フェルミエネルギーが不純物準位中にあることを証明。
Rokhinson2007,10GaMnAsの伝導特性から、弱い局在状態の存在を証明。
A. Sugawara2008,1電子線ホログラフィーを用いた、GaMnAsの磁気ドメイン観察。PRL 100 047202
著者概略
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光照射に関する研究
第一著者概略出版
E. Besurepaire1996,5概略PRL 76 4250
C. H. Back1998,9概略PRL 81 3251
D.K. Hunter1998光パケットスイッチに関するレビューJLT 16 2081
M. Haiml1999,12西概略APL 74 1269
G. Ju2000,1概略PRB 62 1171
M. Stellmacher2000,11概略JAP 88 6026
M. van Kampen2002, 5概略PRL 88 227201
Q. Zhang2002,10Ti2上に成長したhalf-metallic ferromaget CrO2における光誘起歳差運動に関する研究。フォイクト配置での光照射によるスポット中磁化のコヒーレントな歳差運動を観測。信号は縦カー回転によるものと同定し、2つの緩和過程を発見。最初の過程は、光照射によるホットな電子とスピンの分布が熱平衡状態から離れたことに起因。後の過程は、スピン格子緩和およびフィルム間での散乱を含むと考える。PRL 89 177402
Th. Gerrits2002,8NiFeの磁化を200 psで超高速制御。歳差運動に伴うリンギング効果を、光で作製した特殊な形のパルス磁場を用いることにより打ち消す。Nature 418 509
A. H. Macdonald2005,3(Ga,Mn)Asの応用を含んだレビューNat. Mater. 4 195
A. V. Kimel2005,6DyFeO3における逆ファラデー効果の発見。Nature 435 655
F. Hansteen2005,7室温での強磁性ガーネットでの、光による磁性操作を実現。励起密度は20μJ。直線偏光励起は光励起電子により誘起された長い時間続く異方磁場、円偏光励起は光のkベクトルに平行な強い磁場を一時的に誘起する。直線偏光光照射により誘起される有効磁場は面内であり、これにより磁化は初めにz軸方向に動く。光誘起歳差運動は3 ns以上続く。円偏光照射により誘起される有効磁場は面外であり、0.6 Tと見積もられる。磁化の回転角は0.6度ほどと見積もられる。PRL 95 047402
K.-Y. Wang2005,11GaMnAsにおける単一ドメインの回転過程に関する研究。
A. Kimel2007,1強磁性体における光磁性制御に関するレビューJPCM 19 043201
C.D. Stanciu2007,7室温における円偏光での磁化制御を実現する。ただし、1kHzレーザーを用いた超強励起が必要。PRL 99 047601
A. Kimel2007強磁性体における光磁性制御に関するレビューLPR 1 275
S. Mack2008,5化学定量的な手法により成長したGaMnAsの評価。APL 92 192502
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JPCM: J. Phys: Condens. Matter, LPR: Laser & Photonics Review MLDに関する研究
第一著者概略出版
Ch. Roth1993Fe(001)試料におけるMLD測定に関する研究。MLDスペクトルの偏光依存性を観測し、このことから強磁性体への直線偏光によるスピン注入を議論している。PRL 70 3480
V. V. Pavlov1997,3概略PRL 78 2004
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磁気異方性に関する研究
第一著者概略出版
J. J. Krebs1986GaAs(100)基板上に成長したFe(100)でのFMRに関する研究。<110>と<1-10>の非対称性を発見し、これを成長面がGa面とAs面で結合が異なることによるものと考える。JAP 61 2596
Z. Q. Qiu1991,7Ag(111)基板上に、原子層レベルの精度で成長されたFe薄膜の成長に成功。そしてその磁気特性の評価。本試料のキュリー温度が、2Dの強磁性薄膜を考慮したIsingモデルにより期待される振る舞いを示すことを確認。膜厚が1-ML未満では強磁性相が観測されず、これを超常磁性相の発現によるものと解釈。PRL 67 1646
E. M. Kneedler1997,3Fe/GaAs(001)-2x4およびFe/GaAs(001)-c(4x4)の磁気特性に関する研究。これら二つの試料の磁気異方性がほぼ同じであることを明らかにした。キュリー温度がFe層の膜厚に強く依存することを実験的に解明。バルクFeおよび6MLのFe層ではキュリー温度はそれぞれ770℃および~100℃。STMを用いた表面の原子構造の評価との比較から、形の非対称性が磁気異方性に反映されないことを観測。一方、成長モードと界面構造が二つの試料で同じであることを発見し、磁気異方性の起因であると推測。PRB 56 8163
W. Platow1998,1概略PRB 58 5611
M. Farle1998,7金属薄膜におけるFMRのレビューRPP 61 755
Y. Zhai2001,7GaAs(100)基板上に成長した、FeナノクラスターのFMRに関する研究。ナノクラスター形状の異方性に起因する容易軸を考慮することにより、実験結果を説明。JAP 89 7290
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LT-GaAsのキャリア緩和過程に関する研究
第一著者概略出版
S. Gupta1991,9LT-GaAsにおける光誘起キャリアの緩和過程に関する研究。過渡反射信号の1 ps未満の緩和を観測し、キャリアの再結合緩和によるものと同定。APL 59 16
X. Q. Zhou1992,8アップコンバージョンを用いた時間分解発光測定から、光励起された電子の冷却時間を3.9 psと見積もる。ホットフォノンがキャリアの冷却に強く影響することを実証。PRB 46 16148
S. D. Benjamin1996,2LT-GaAsにおける過渡吸収測定。観測された信号を、トラップキャリア状態を考慮したレート方程式でよくフィッティング。ホットキャリアのフォノンボトルネックを観測。APL 68 2544
K. A. Mclntosh1997,1LT-GaAsの成長温度とアニーリングの方法に注目した、キャリア緩和過程に関する研究。過渡反射を測定。キャリアの寿命は100 fsのオーダーAPL 70 354
P. W. E. Smith1997トラップされたキャリアの再結合緩和時間を実験的に直接決定。バンド間励起よりも低エネルギー側(970 nm)を励起して二光子吸収でキャリアを励起し、トラップ状態に緩和したキャリアが誘起する光誘起吸収の緩和時間を観測。APL 71 1156
P. Grenier1997,2OPOレーザーを用いた、1.5μmと810 nmでの二色過渡吸収測定。信号の波長依存性から、1、τ~100 fs:ホットキャリアの冷却時間 2、τ<1 ps:自由なキャリアがミッドギャップ状態へトラップされる時間。3、τ〜10 psおよび4、τ〜100 psはともに、トラップされたキャリアの再結合緩和時間によるものと同定。このことから、少なくとも二つ以上のトラップ状態が存在すると示唆。APL 70 1998
S. S. Prabhu1997,3赤外励起(790 nm ~ 850 nm)、THzプローブでの超高速時間分解分光により、電子がトラップされるまでの時間τを直接検出。τ=1/NDDνTHσcrossで説明。この時間は、試料の成長温度とアニール温度に強く依存することを実証。APL 70 2419
T. S. Sosnowski1997,4LT-GaAsにおける光誘起キャリア緩和過程の励起強度依存性に関する研究。強励起では、トラップ状態がsaturation、もしくはfilling upするため、緩和時間は長くなる。APL 70 3245
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