法務省入国管理局編『出入国管理』によると、在留特別許可者数の推移は以下のとおりです。

               総数     <国別>                        <退去強制事由別>
                       韓国・朝鮮       不法入国・上陸   不法残留        刑罰法令違反等
1952年     356
1956年   2741                      269        1154        1318
1960年   2703    2427          682          962        1059
1965年   2055    1972          661          888          506
1970年     618      590          417          201              0
1974年     745      705          336          308          101
1980年     435      402          173          151          111
1985年     491      448          129          118          244
1990年     438      325            85          146          207
1995年     849      241          167          632            50
1996年   1468      248          279        1140            49
1997年   1406      232          220        1129            57


韓国からの密航者は「昭和30年代までは、戦前我が国に居住していた者が家族ぐるみで再渡航するケース、親子兄弟ら離散家族の呼び寄せ、あるいは親を頼って入国するケース等人道的配慮を要する事案が大半を占めていたが、昭和40年代に入ってからは、我が国に職場を求めるいわゆる出かせぎケースが主流となってきている」(『出入国管理 昭和51年版』120頁)。

「在留特別許可者数は、昭和30年代には年間2、000件以上であったが、昭和40年代に入ると1、000件を割るようになっている。昭和40年、41年、42年と激減したのは、日韓法的地位協定に基づく措置で、多数の在日韓国人が永住許可を受け、それまで在留特別許可者の半数以上を占めていた刑罰法令違反者が、退去強制手続の対象にならなくなったことによる」(『出入国管理の回顧と展望 昭和55年版』158頁)。

「60年中に刑罰法令違反等により退去強制事由に該当した韓国・朝鮮人で法務大臣に異議を申し出た者は233人であるが、このうち226人(97%)が在留特別許可を受けて」いる。「韓国・朝鮮人について以上のように極めて高い比率で法務大臣の在留特別許可がなされていることは、裁決において機械的な処理に委ねることなく、十分に人道的考慮を払っていることを示すものである。ことに、刑罰法令違反により退去強制事由に該当した元法126−2−6該当者については、60年中に48人中47人までが在留特別許可を受けているが、これは元法126−2−6該当者が協定永住許可者と在留の経緯を同じくすることから、協定永住許可者の退去共生事由(普通の刑罰法令違反については、無期又は7年を超える懲役又は禁錮に処せられた者)とのバランスにも十分に配慮していることがうかがわれる」(『出入国管理 昭和61年度版』114頁)。

1980年代後半まで、在留特別許可者の8割から9割が韓国・朝鮮人でした。その多くが「刑罰法令違反により退去強制事由に該当しているところ、これらの者は終戦前から引き続き我が国に居住している者やその者の子であるため、人道的見地から在留について特別な配慮を加えているという事情があったためである」。しかし、1991年に施行された入管特例法により、特別永住者に対する退去強制事由が大幅に緩和されたため、以後、刑罰法令違反に伴う在留特別許可は激減、一方で「不法残留」にともなう在留特別許可が急増し、韓国・朝鮮人の割合も急減しています。(『出入国管理 平成4年版』117頁)


韓国・朝鮮人の在留特別許可者の場合、その多くは、密入国や超過滞在で在留資格がない者が在留許可を得たのではなく、在留資格を持っていた者が、刑罰法令に違反し、退去強制を受けないかわりに、より制限的な在留資格を与えられたことに注意が必要です。しかし、1950年代から1980年代まで毎年、数百名から千数百名の在留資格のない韓国人が、在留特別許可を得ていることも事実です。この前例が重要なのは、「日本人の配偶者」や「日本人の実子の養育者」といった枠組を超える事例が、相当数含まれていたと推測されるためです。

いずれにしても、1980年代までは、旧来外国人救済の制度であった在留特別許可が、旧来外国人の法的地位の安定化と新来外国人の急増により、1990年代になって、事実上、新来外国人救済の制度として機能するように変ってきたとみてよいのではないでしょうか。


ここ数年の場合、在留特別許可の約9割が日本人又は永住者との婚姻を理由とするものであるそうです。(コムスタカ-外国人と共に生きる会の中島真一郎氏提供)

1996年1511名うち日本人又は永住者との婚姻関係による在留特別許可者数1281名84.8%、1997年1431人うち日本人又は永住者との婚姻関係による在留特別許可者数1251名87.4%、1998年2497人うち日本人又は永住者との婚姻関係による在留特別許可者数2267名90.8%(1999年7月30日 衆議院法務委員会議事録第25号 公明党改革クラブ上田(勇)議員の質問への竹中政府委員の答弁)