従業員満足の経営組織とは

1999/10/7 更新

はじめに

   私は、大学で経営組織論のゼミを専攻しているのですが、卒業論文には、「従業員満足の経営組織」というテーマで研究しようと思っています。そのきっかけは、仕事をいきいきと楽しく意欲的に取り組んでいる人もいれば、不満をもってつまらなそうに働いている人もいる、その違いは何だろうと思ったことです。日本では、仕事に対する満足度が58%と外国に比べて低い結果が出てます。(資料1をご覧ください)
  私はこの研究を通して将来は、この分野のコンサルティングの仕事をやりたいと思っています。
  またこの従業員満足の研究をしていらっしゃる方、興味をもたれた方は、ぜひご連絡ください。情報交換しましょう。

hiratsuka@rarara.net 平塚 慈則

 

従業員満足(Employee Satisfaction)とは
 
  従業員満足とは、従業員がその会社や組織、仕事に対して生きがいや満足感をあらわすことであり、経営管理や組織戦略の構成要素ともなっている。従業員満足は、必ずしも一般的な用語ではなく定義ははっきりしていないが、顧客満足(Customer Satisfaction)と対比して使われる場合が多い。顧客に支持される企業になるには、まず従業員自身が仕事に満足しなければならない、あるいは、顧客満足の達成が従業員の満足につながるという考えがある。

グッド・ピープル・カンパニーとは
 
  また従業員満足と同様、従業員の幸せの追求を最重視している会社をアメリカでは「グッド・ピープル・カンパニー」と呼ばれている。
 従業員の幸せの追求、従業員に生きがいと働きがいを感じさせる会社、従業員の自我欲求や自己実現の欲求を充足させることのできる会社、会社生活だけでなく従業員の社会生活全般の質の向上に努めるなど、従業員に幸せを与えられる会社になることを目指して努力することである。

従業員満足の目的
 
  従業員満足の目的は、働く人が意欲的に仕事に取り組み、自己啓発に取り組むことにある。その実現のためには以下のような仕組みを整え、働く人の職場環境を快適にすることが求められる。
1.働く人を人間として遇する。
2.働く人に責任と権限を与える。
3.給与制度や表彰制度など働く人に対する評価の仕組み。
4.配転や昇進の仕組み。
5.提案制度や働く人の意見を聞く仕組み
6.働く人の精神的、物的職場環境の整備

バーナードの理論と従業員満足の関係
 
有効性…顧客対応機能→→顧客満足(CS)
能  率…従業員対応機能→従業員満足(ES)
 
  経営学の祖である、バーナードは「経営者の役割」の中で有効性と能率という概念を述べている。有効性とは、組織に対して貢献することであり、能率とは組織構成員の個々の欲求である。ニュアンスは異なるが、顧客満足と従業員満足の概念は、バーナードの有効性と能率の理論に似ているといえる。すなわち、顧客満足を達成することが、組織にとっての有効性であり、従業員満足を達成することが、能率の達成になるからである。

(参考)サンマイクロシステムズ社 S・マクネリー会長
「私たちは、社員の満足が顧客の満足につながると考えています。顧客が満足すれば投資家も満足する。だから社員を大切にする。社員を公平に扱い、報酬も充分であるならば、製品の品質は自然に向上する。それで顧客満足度が向上すれば、利益は増加し、さらに投資が可能となる。螺旋状に上昇していく経営手法といえるでしょう。」

企業評価の尺度と従業員満足
 
  企業を評価する尺度には、第一に安定性や収益力、発展性のような経営成績、第二に従業員の幸せの追求、第三に社会の利益と満足という3つの側面をバランス良く追求する会社が魅力ある企業と考えられている。時代によってその側面は変化する。これまでの企業は経営成績のみを重点においていたが、今後は、従業員満足や、社会や環境に対する責任などの側面がより重視される時代になるであろう。

今後の研究課題
・動機づけ理論や欲求理論との関わりについて
・具体的な企業の取り組みについて

参考文献 
「顧客価値経営」横澤利昌編 生産性出版 1998年 
「従業員重視の企業に脚光」関本昌秀 日本経済新聞 1990.7.7記事