圭吾小説
このコーナーは友達の話を<BASE>に作った恋愛小説です。
最後までお楽しみ下さい。結構泣けますよ。僕も感動して泣いちゃった・・・

純愛True Love ストーリー
登場人物
氷室俊彦:20歳、有名国立大学の学生。プライドが高くナルシスト。
結城瑞穂:氷室の初恋の人。岡村孝子に似ている。私立大学の学生。
石井厚:氷室の親友。大検をとって大学を目指している。
鶴田義一:氷室の親友。理系大学の学生。アルバイトが忙しい。
朝倉賢:瑞穂と同じ大学に通う。氷室と面識がない。



あれはまだ氷室が中学生だった頃・・・・・・
そう、氷室は結城の事が大好きであった。小学校の4年生の頃から。
中学校と言えば恋愛の1つや2つするものである。とっても純粋な、そして一途な。
氷室は「結城の事が好き」と、クラスの女の子に告白してしまった。それが事件の始まりと知らずに・・・・
たちまちクラスのみんなに知れ渡ってしまったのである。
氷室は当然困惑した。しかしこの事によって結城に自分の気持ちが伝わった事が少し嬉しかった。
何故なら、相手に自分の事を意識してもらえると思ったからである。自分で言う手間が省けた。
そうこうしているうちに、クラスの女の子が結城に告白するチャンスを作ってくれるというのである。
氷室は悩んだ。自分の気持ちを打ち明けるべきか否か。正直氷室にはうまくいく自信があった。
そして、結城に自分の気持ちを告白することを決心した。秋風が吹く季節だった。
クラスの子が結城を呼び出してくれ、氷室もそこへ行った。当然野次馬もたくさんついてきた。
いざ告白となると氷室の口からは言葉が何一つ出てこないだけではないか。
結城を目の前にして、体が硬直してしまったのである。夢ならば何度も好きと言えたのに・・
そして氷室の口からやっと出てきた言葉は声にもならない「好き・・で・・す・・」
氷室の顔は真っ赤である。アドレナニンが大量発生した。頭の中はまるで有線放送だ!
たった2秒の沈黙だった。だが氷室には1時間以上に思えた。気まずい沈黙の後・・・
結城の口から発せられた言葉は「私、興味ない・・」
氷室はその場の雰囲気に絶えられずその場から走り去った。目を真っ赤にして。
自宅に帰り一人ベットに寝転び涙がこぼれないように天井を見つめていた。
「興味がない」つまり、好き嫌いの対象ではなかったのである。最もかっこう悪い振られ方である。
自分は魅力がなかったんだ。氷室はそう思って結城の事を忘れようと思った。
結城を嫌いになる理由を100まで数えたけれど、氷室は諦めることが出来なかった。
翌日学校へいくとクラスの女の子から手紙をもらった。差出人は結城である。
恐る恐る氷室が手紙を見るとそこには「大大大大嫌い」という、内容のことが書かれていた。
詳しくはまったく覚えていない。とにかく自分は結城に嫌われていたんだ、氷室は落ち込んだ。
小学校の時班のみんな(4人)と遊園地に行ったのに・・・・あんなに楽しくおしゃべりしたのに・・・・
結城との楽しい思い出が走馬灯の用によみがえってきた。
それ以来、氷室の友人がおもしろ半分でからかったり、わざと結城に氷室のことを聞いたりしていた。
廊下で氷室が友人と遊んでいた時に結城に「すごい邪魔」と言われたりもした。
中でもショックだったのは、「氷室君へ」と、結城の字で書かれた手紙が机の中に入っていた時である。
これは、鶴田のイタズラで中身はもちろん氷室を中傷する内容だった。
そんな事で中学を卒業し、氷室と結城は違う高校に進学した。二度と逢う事はないと思っていた。
そして4年の歳月が過ぎて・・・・
氷室は1年間浪人した後、有名国立大学に進学した。
石井と鶴田と合格祝賀会をしていた時に、突然鶴田が「結城に電話しよう!」と、言い出した。
氷室は動揺した。もちろん冗談だと思っていた。
しかし本当に結城に電話してしまったのである。鶴田は楽しく結城と話し出したのである。
そして、「じゃあ氷室にかわるね」そう鶴田が携帯電話を渡してきた。
「どうも・・お久しぶりです。」氷室はそうきりだした。声を聞くのは4年ぶりである。
結城は中学校の時とは違いとっても優しく接してくれた。会話が弾みいい感じであった。
結城との会話の中で、結城に彼氏がいない事が分かった。そして1時間以上も会話が続いた。
電話が終わった。氷室のテンションは最高であった。
すると、石井と鶴田が「結城とお前をくっつけてやってもいいぞ!」と、氷室に言ってきた。
氷室は憧れの大学に受かって周りがしっかり見えていなかったのだろう。
すぐに、二人の話に乗ってしまい有頂天になってしまったのである。何が起こるとも知らずに・・・
まず、氷室は鶴田のすすめで結城の持っている携帯電話と同じ機種にした。
その携帯はメールができるので会話も弾みやすそうだ、氷室はそう思った。
こうして、氷室は結城にメールを送った。結城からもメールが来たりして二人のメール交換が始まった。
お互いの身近な話から始まって、やがて恋愛についても語り合うようになった。
氷室は天狗になっていた。大学に受かり自分は天才だと勘違いしていた。
当然、結城とうまくいくものだと思っていた。しかし悲劇は起こった。
1999年5月15日、日曜日の事である。夜八時十五分。結城に電話していた時である。
結城がいきなり「私、気になっている人がいるの」・・「石井君の事なんだけど・・」
氷室の体の機能がすべて停止した。石井といえば僕の親友。
しかも石井と結城は中学校時代まったく面識がないのである。
結城の話によると、石井と電話で話していると心がなごむから・・数回電話しただけで好きになった、と。
信じれなかった。知り合ってたった1ヶ月。しかも電話のみ。直接会った事がないのに。
何を信じていいのか分からなかった。親友に結城のハートをうばわれた事が悔しかった。許せなかった。
それからしばらく氷室は結城と連絡をとらなかった。
石井や鶴田とも何も連絡をとらなかった。
さすがにショックだった。そして「見返してやるんだ!」と、心に誓った。
そんな時ウエイトリフティング(以下WL)と出会った。やり場のない怒りをバーベルにぶつけた。
WL部は部員がとても少なかったがいい人ばかりであった。
氷室はWLをやる事によってストレス解消した。そして一つの重大な決意をした。
最強に体になって、結城と石井の仲を引き裂いてやろうと。誰にも負けない体で。
そして、氷室は週に3回部活に通う生活をはじめた。単なる嫉妬と恨みによって・・・・
そして3ヶ月がたった。氷室の体重は80キロに増えていた。
実家に帰って石井を倒してやろうと。そして結城を見返してやるんだ!、と・・・・・
しかし、実家に帰る2日前結城から電話がかかっていた。
「私、同じ大学の子と付き合っているの。石井君とは何ともないの」
氷室の思考回路が停止した。何があったのかはまったく分からない。石井と何があったのだろうか?
次の日鶴田から電話があった。「結城の事で話がある」、とのこと・・・
そして、石井と再会した。なにかやつれていた。
氷室は石井と鶴田に何があったのかを詳しく聞いた。
その話によると、結城は石井に告白したらしい。そこで石井は悩んだという。
友情をとるか愛をとるか・・・・・・・・・
石井の出した答えは・・愛だった。結城と石井は付き合う事になったらしい。
しかし、結城はもう誰も傷つけたくないといって石井と分かれようといいだした。
まったく訳の分からない話しである。1日で好きな男をふるなんて・・・・
後で鶴田から聞いたことだが結城は同じ大学の朝倉から告白されたらしい。
朝倉は車を持っていて、いい男らしい。
氷室は思った、結城は石井と朝倉とを、はかりにかけて朝倉を選んだんだと。
この事が全部本当かどうかは分からない。もしかしたら嘘かもしれない。
どちらにせよ氷室との関係のないところで事件が起こっていた。
氷室は寂しかった。結城にはまったく相手にされていない事に気付いた。
石井と鶴田とはまた昔のように仲良くなれたが、すべてのしこりが消えたわけではない。
この事は氷室の心に深い傷を残すであろうと思われた。
あれから5ヶ月・・・・
もう氷室の心に結城という文字は存在していない。
見返してやるんだと、嫉妬、恨みからWLをやってるわけではない。
純粋にWLが楽しいからである。
氷室はこの事件を通してずいぶん成長した。心も体も・・・
そして一つわかった事がある。
「見返してやるんだわ!」と、いう言葉は恨み、嫉妬からくるものではない。
それは・・・・・・・
不器用極まりない最後の「愛している」だってことを・・・・・・
あの時、流した涙。その涙は決してムダではなかった。新しい力を導いてくれた、そう信じている。

結城瑞穂、楽しい思い出をありがとう。
あなたの夢をあきらめないで 遠くにいて信じている。
 

いつか、心の傷が完全にいえてまた恋をする事もあるでしょう。
そう、氷室は心の瞳を閉じたのだった。