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6月4日 WCUP KOREA/JAPAN H組 日本vsベルギー 埼玉スタジアム・55,256人・曇り |
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6月4日午後18時00分、日本サッカーにとって歴史に残る試合が行われた。埼玉スタジアムは、青い代表のユニホームや旗を身に纏ったサポーターたちでいっぱいになった。埼玉スタジアムだけでなく、日本各地で日本代表に対して熱い声援が送られた。そんな熱狂的な雰囲気の中、試合は始まった。相手は本大会前に、あの王者フランスを破り前評判が高く、赤い悪魔の異名を持つ「ベルギー」である。 |
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試合は序盤からベルギーのペースで進んだ。平均身長が188cmの長身を活かして、何度も日本のゴールに迫ったが、GK楢崎のファインセーブもありなんとか凌いでいた。日本は、チャンスらしいチャンスはほとんど無いまま前半が終了した。予想通り、中田(英)、小野に対するマークは厳しかった。 |
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後半に入ると、前半以上に緊迫した試合展開になり、日本の動きも見違えるようになった。均衡が破れたのは、後半12分。ゴール前の競り合いでこぼれたボールを、ベルギーFWウィルモッツが芸術的なオーバーヘッドシュートでゴール左隅に決めた。しかし、ここからの日本は素晴らしいのひと言に限る。何よりまず、W杯という舞台で先制されたにも関わらず全く慌てなかった。日本は前線からプレスかけ、その勢いに押されたベルギーは次第に足が止まっていった。そして、後半14分日本に歓喜の瞬間が訪れた。ゴールを決めたのは、公式戦19試合ノーゴールで、不安視されていたFW鈴木隆行だった。MF小野のロングボールがベルギーDFの裏に通った。一瞬の隙を逃さなかった鈴木は、うまくDFを振り切って、右足をいっぱいに伸ばして同点ゴールを奪った。日本の反撃はさらに猛威を増す。後半22分、中盤でボールをカットしたMF稲本潤一がドリブルでベルギー陣内に切れ込む。そして、センターバックを振り切り左足を振り抜いた。ボールはゴール右に突き刺さり、日本がW杯で始めてリードした感動的な瞬間だった。この稲本のプレイこそトルシエ戦術の真骨頂と言えるだろう。歓喜の渦に包まれた埼玉スタジアム。 |
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しかし、赤い悪魔はこのまま黙っているほど甘くはなかった。逆転ゴールの直後にDF森岡が負傷退場。代わってDF宮本が入った。そして後半30分、宮本のDFラインコントロールが乱れた。ベルギーMFバンミールのふわりとしたパスが、フラット3の裏に抜けた。日本DF陣はオフサイドトラップをかけたが、二列目から飛び出したバンデルヘイデンを捕えきれず、ある意味日本らしい失点をしてしまった。GK楢崎もいまいち中途半端な飛び出しで、頭の上をループシュートで越された。その後は一身一体の攻防が続いた。審判の不可解な判定もあり、稲本のゴールは幻となったが、日本もゴール前であわやPKという場面で笛を吹かれず、まさに互角だったと思う。試合はこのまま2−2で終わり、価値ある引き分け。日本にとってW杯始めての勝ち点1を取った。 |