日本 対 チュニジア

2002・6/14 大阪

 15時30分キックオフ

曇り 気温33度

入場者数 4万5213人

悲願の決勝トーナメント出場をかけチュニジアと対戦した日本は、後半2点を奪い、チュニジアを圧倒した。理想的な試合展開で、無傷でH組1位通過を決めた。日本の決勝トーナメント進出により日本中が歓喜に包まれ、トルシエ・ジャパンが新たな歴史を築き日本サッカーが世界に新たな一歩を踏み出した。

 前半は、失点のリスクと体力の消耗を避けるために落ち着いた試合運びだった。ボールを支配しながら攻撃には人数をかけず、無理をして相手ゴールに迫らなかった。その分、チュニジアの速攻には冷静に対処し、また、効果的なプレスで危ないシーンはほとんどなかった。これまでの2試合も前半はあえて試合を動かさずに持ちこたえ相手の動きが止まる後半に勝負を懸けていた。

前半を0−0で折り返して後半、トルシエ監督が積極的に動いた。動きが鈍かった稲本を早々にあきらめ右MFの明神をボランチに回して右サイドに市川を投入し、さらに柳沢に代えて森島を投入した。それにより攻撃にスピードが加わった。そして、後半3分、右サイドで鈴木と競り合った相手DFのクリアが中央へこぼれた。それを、ポジション良く待ち構えていた森島が鋭い反応で猛ダッシュからボ―ルを拾い体をひねりながら右足を思い切り振り抜いて左サイドのゴールネットに決めた。神出鬼没の「小さな巨人」・穏やかな人柄と愛想のいい「日本一腰の低いJリーガー」森島が大仕事を果たした。 

均衡を破る一撃でスタジアムの雰囲気は一気に盛り上がった。後半8分にも市川の右クロスに森島が体のひねりを加えた絶妙のダイビングヘッドはポストにはじかれたが完全にペースを引き寄せていた。そして、後半30分、右の市川がフェイントで相手DFをかわして右足で相手GKとDFの間に柔らかいセンタリングを上げると、鈴木の裏に走りこんだ中田英が地面にたたきつけるようなダイビングヘッドでGKの股間を抜いて加点し、日本のエース中田英のW杯初ゴールで勝負を決めた。

守備陣も、チュニジアの1トップの攻撃を余裕を持って完封した。スルーパスから抜け出される場面もあったが、2次、3次攻撃をさせずチュニジアの攻撃を単発に抑えた。宮本を中心とするフラット3とボランチ、左右のウイングバックとの連携もスムーズで、ラインのズレも解消されていた。本来、フラット3は高くDFラインを保ちオフサイドを取るのが基本戦術だが、縦パスで裏を狙ってくるチュニジアの攻撃に対してオフサイドを取りにいくのは危険だと判断しラインを低くしてリスクを減らした。簡単に裏を取られて2失点したベルギー戦の教訓は十分に生かされていた。この大会の中で、日本代表は一試合ごとに成長し確実に強くなっている。