日本
1次リーグH組
2大会連続2回目
FIFAランク33位
フィリップ・トルシエ監督
日本は、「ゴールデンエージ」と呼ばれる才能豊かな若い世代を積極的に起用したチームで平均年齢は20代前半と若いチームとなっている。システムは3−5−2で、その生命線とも言えるのが、フラットに並ぶ3バックシステムである。その松田、森岡、中田浩は、一対一には弱さがあるが、ラインコントロールにより相手の攻撃を封じる。そのフラット3も最近は安定感が出てきた。GKは、98年大会を経験している川口が正GKとなる。中盤はタレントが豊富だ。トップ下には、中田英が入るだろう。所属しているパルマでは出場機会が少なく、不振を極めているが、代表では鋭いパスとゲーム掌握術を発揮するだろう。その他、ボランチの一角にはアーセナル所属の稲本、左サイドには、フェイエノールトに移籍し攻守の幅を広げ成長を遂げている小野が有力。ブラジルから帰化した三都主も鋭いドリブルとスピードでポジションを狙う。FWは、柳沢、鈴木、西沢が候補。決定力不足も解消されつつあるが、強豪国相手には点は取れていない。
前回大会の日本代表には海外でプレーする選手は一人もいなかったが、現在は、海外のクラブに所属する選手も増え確実にレベルアップしている。開催国として、1次リーグ突破がノルマとなるが、地元の大声援に後押しされた若い力が、実力以上の力を発揮し、1次リーグ突破はもとより、それ以上の可能性も秘めているだろう。
韓国
1次リーグD組
5大会連続6回目
FIFAランク41位
フース・ヒディング監督
韓国は、ヒディング監督が韓国伝統のサイドアッタック戦法に頼らず、細かいパスをつなぎゾーンでプレスをかけるヨーロッパ式をプラスした。システムは3−4−3を基本に3−5−2との併用となる。それらを支えるのはヒディング監督が鍛え上げた若手選手である。その多くは複数のポジションをこなせる。中でも、ベルギーのアンデルレヒトに所属するFWのソル・ギヒョンは懐の深いボールキープで攻撃の起点にもなり、また自らドリブル突破もできる。DFのソン・ジョングは“アジア最強のリベロ”と言われるホン・ミョンボの後継者として期待がかかる。センスも抜群で競り合いに強く、スピード、フィジカルにも優れており、センターバック、ボランチ、トップ下などのポジションをこなす。ヒディング韓国の“皇太子”と言われキープレーヤーの一人となっている。MFのイ・チョンスは左右の足でボールコントロールでき、スピードと攻撃的センスに優れ、チャンスメーカーとなる。そこに、チェ・ヨンス、ホン・ミョンボら中堅、ベテランが加わり、チーム内で熾烈な競争が起こっている。
若手、中堅、ベテランの力がうまくかみ合い、ヒディング監督の戦術が浸透すれば決勝トーナメント進出も夢ではない。
中国
1次リーグC組
初出場
FIFAランク51位
ボラ・ミルチノビッチ監督
中国は、名称ミルチノビッチ監督に率いられ、日本、韓国が不在のアジア地区予選を通過し初めての本大会出場権を獲得した。ミルチノビッチ監督はこれまでは身体能力の高さだけだったチームにモダンなフラットで並ぶ4−4−2のシステムを定着させた。これまでの特色を生かしつつ、組織力も備わってきた。GKのジアン・ジンは身長198cmのアジアで屈指のGKである。代表の中で最も才能に恵まれているファン・ジーイーとリー・ウェイフェンの両センターバックは堅実な守備に加え、セットプレーとなれば得点も狙いにいく。中盤は、マー・ミンユー、リー・ティエを中心にプレスでボールを奪い前線につなげる。攻撃は、シエ・ホイ、ヤン・チェンなどヨーロッパでプレーする選手を中心にスピードと身体能力を前面に出した速攻は破壊力があり、エースのヤン・チェン長身を生かしたセットプレーは相変わらず強力である。
単純なミスと勝負弱さが克服され、ミルチノビッチ監督の采配が機能したとき、中国は世界を驚かせるかもしれない。
サウジアラビア
1次リーグE組
3大会連続3度目
FIFA世界ランク34位
ナセル・アル・ジョハル監督
サウジアラビアは、初出場した94年大会では堅い守備からのカウンターを武器に16強入りした。しかし、今回は度重なる監督交代によりチーム方針が決まらないままアジア地区予選に突入した。最終予選の途中から復帰したジョハル監督は選手潜在能力を引き出すことに定評があり、また国を挙げての支援により短期間でチームを立て直し辛うじて本大会切符を手にした。守備はズブロマウィ、スリマニらが中心となるがシステムの変更を繰り返したため安定していなく、コンビネーションに難がある。中盤は、右のA・D・アル・ドサリ、左のアル・シャラーニら若手が出てきた。それにベテランのアル・ハルビが入り若手をまとめる。前線には、アジア予選で序盤は決定力不足だったが終盤は得点を量産した。国民の熱い視線を受け長年エースとして君臨してきたアル・ジャバー、アジア地区予選得点王アル・メシャル、スピードとシュート力のある若いアルシャルホウブなどがいる。
持ち前の手堅い組織力に、優れた個人技が加わり、3度目となる本大会で新たな一歩を踏み出すことができるか。
カメルーン
1次リーグE組
4大会連続5度目
FIFAランク18位
ヴィンフリード・シェイファー監督
カメルーンは、ヨーロッパでプレーする選手がほとんどで、アフリカ地区予選を圧倒的な強さで勝ち上がってきた。監督交代の多さが目立つがチームの基本をここ数年変えていなく持ち前のコンパクトなサッカーで安定感は抜群である。システムは3−5−2−で相手の戦術に合わせて柔軟に対応する。ソラ、カラ、チャトの3バックは高さと強さがあり強力である。しかし、ラインコントロールに甘さがある。中盤は、左のウォメ、右のジェレミの正確なパスとクロスで相手の守備を切り崩す。ボランチのフォエはいまだ成長中である。DFとMFは状況に応じてポジションをチェンジし組織を支える。前線には、鋭いパスとドリブルのあるベテランのエムボマと成長著しくはつらつとしたプレーのエトーは得点源であり最高のコンビである。
「不屈のライオン」の異名を持つチームがアフリカ特有の高い身体能力に組織サッカーを身に付けつつあり、攻撃一辺倒だったチームに手堅さが加わった。上位進出の可能性も十分あり、今大会の台風の目になるかもしれない。
ナイジェリア
1次リーグF組
3大会連続3度目
FIFAランク29位
フェスタス・オニグビンデ監督
ナイジェリアは、前回大会の優勝候補に挙げられるなどアフリカでも最大のタレント揃いのチームである。システムは、スピードを生かし自由な動きを可能にするため4−4−2を採用している。守備は、世界屈指のセンターバックに成長したウェストが4バックを統率する。いかに集中力を欠くことなく組織的に守ることができるかが上位進出のかぎとなる。中盤は、経験豊富なオセリーと小柄ではあるがテックニックのあるオコチャが軸となる。前線は、才能がありアフリカ選手権で得点王なったアガホワ、キープ力のあるカヌが繰り出す攻撃は破壊力がある。
選手の移動用のバスが用意されないなど内部トラブルにより選手のモチベーションが低下しアフリカ予選では予想外の苦戦を強いられたが、選手への待遇の改善も約束され96年アトランタ五輪優勝メンバーもいる「スーパーイーグル」ナイジェリアがアフリカ初の世界制覇に最も近いかもしれない。
セネガル
1次リーグA組
初出場
FIFAランク43位
ブルーノ・メツ監督
セネガルは、アフリカ地区予選ではモロッコ、アルジェリア、エジプトといった強豪が揃う厳しいグループを勝ち抜き一躍アフリカのトップチームとなった。選手のほとんどはフランスの1部リーグでプレーしていて組織力は高い。4−4−2のシステムを採用しアフリカ特有の高い身体能力に組織的戦術をうまくとけ込ませた。守備は、身体能力が高く空中戦に強いストッパーシセと両サイドバックのダフ、コリーとのコンビネーションがよく4バックは意外に堅い。中盤は、両サイドのMO・エンディアイ、ファディガは強力なドリブルで積極的に攻め上がる。前線は、強力なシュートと大きく曲がるフリーキックのあるディウフと潜在能力の高いカマラの2トップは決定力が高い。
選手層が薄く経験も少ないが個人技、総合力は世界トップレベルであり、1次予選を突破するだけの潜在能力もあるだろう。
チュニジア
1次リーグH組
2大会連続3度目
FIFAランク29位
アンリ・ミシェル監督
チュニジアは、アフリカ地区予選を堅い守りによって無敗で勝ち上がった。しかし、今年のアフリカ選手権では1得点も取れずにグループリーグで敗退した。守備は、12年間に渡り代表の主軸としてプレーしフランス大会でも高い評価を得たGKエル・ウア、パワー、強さ、豊富な経験を持つバドラを中心に堅い。中盤は、運動量が豊富で高い位置からプレスをかけてくる。技術の高い司令塔のバヤが攻撃の要でゲームの流れを作り、ラストパスを出す。前線は、ヘディングが強くドリブルが得意なジトゥニとスピードと独特の得点感覚を持つジャジリがお互いの特徴を活かしながら抜群の連携で得点に結び付けている。
アフリカ選手権での無様な試合により国民全体に失望感が漂い、選手にも本大会に出られたことで満足してしまっているような感じがある。本大会で勝ち抜くためには高いモチベーションも必要となってくる。そのためにもこのような雰囲気を一掃し高いモチベーションで戦うことができるだろうか。
南アフリカ
1次リーグB組
2大会連続2度目
FIFAランク36位
ジョモ・ソノ監督
南アフリカは、初出場した前回大会は、現日本代表トルシエ監督が率いて1次リーグ2分け1敗で惜しくも決勝トーナメント進出は逃した。チームは「バファナ・バファナ」ズールー語で「少年たち」の愛称で呼ばれている。主力選手はほとんどヨーロッパを拠点にプレーしていて代表に召集するのが難しく、アフリカ地区予選ではベストメンバーが組めず苦しんだ。システムは4−4−2で、アフリカのチームが持つ高度なテクニックをベースにロングパスと空中戦などフィジカル的なサッカーをする。守備は、ベテランのラデベを中心に堅実である。中盤は、若いフォーチュンを中心にスピード豊かな攻撃をする。ズマは強烈なシュートを放つ。前線には、国際経験豊富でポジショニングに優れているバートレット、シドニー五輪で活躍したマッカーシーがいる。
高い身体能力と個人技を生かし、ベストメンバーの組めるワールドカップでは今まで以上の力を発揮しそうである。