DNA ligaseを使ってDNA断片同士を繋げあわせる反応をライゲーションと呼ぶ。
DNA断片を特定のベクターに挿入するためにライゲーションを行う場合を想定し、以下に例として示す。
反応例:
1)以下の通りに4種類のサンプルを作り、ピペッティングで懸濁。
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2)16℃でO/N 静置。
3)各サンプルから1ulをコンピテントセルに加え、大腸菌に形質転換してコロニーを作らせる。
*110xLBは10x ligase bufferのこと。
融解時にマグネシウム塩が白濁することがある。ligaseはライゲーション反応にマグネシウムを要求する酵素なので、白濁沈澱を完全に溶かしてから使用する。
下にも書いたが、10x LBはATPが添加されているため、懸濁時にもボルテックスしないほうがよい。
*2ATPは10mM ATPのストックから使用している。
10xLBにもATPが添加されているが、凍結融解を繰り返すため失活している可能性を考えて1ul加えている。
各サンプルの意味
Sample No. 1は、挿入断片もベクターも含むもの。
生えてきたコロニーからプラスミドを回収することでライゲーションされたサンプルが得られるはず。
Sample No. 2は、挿入断片を含まないコントロール。
生えてきたコロニーに含まれるプラスミドは、挿入断片を持たない。
コロニー数が多い場合は、ベクターの制限酵素処理、CIP処理、ベクターの精製などをやり直す必要がある。
Sample No. 3は、ベクターのみのコントロール。
生えてきたコロニーに含まれるプラスミドは、挿入断片を持たない。
コロニー数が多い場合は、ベクターの制限酵素処理、CIP処理、ベクターの精製などをやり直す必要がある。
Sample No. 4は、ベクターを含まないコントロール。
生えてきたコロニーに含まれるプラスミドは、挿入断片がもともとサブクローンされたベクターにライゲーションされたものなどだろう。
コロニー数が多い場合は、挿入断片の精製を行う必要がある。
テクニカルチップス
1)平滑末端のライゲーションを行う場合、DNA ligaseの原液を使用する。
突出末端同士のライゲーションの場合、ライゲーション効率が平滑末端の10倍以上なので、1/10希釈したDNA ligaseで十分である。
2)平滑末端のライゲーションの場合はライゲーション効率が低いため、大腸菌に形質転換してもコロニーが出にくい場合がある。
形質転換を行うさいに、1ulではなく、2〜3ulを形質転換すると良い。
3)コロニーが生えない場合が多々ある。
原因の1つは、ライゲーションミックス内の塩による形質転換の阻害である。エタ沈してきれいにリンスすると改善される場合がある。
また、DNA ligaseが阻害している可能性がある。ライゲーションミックスをフェノールクロロホルム抽出ののちエタ沈すると改善される場合がある。
4)ライゲーション後に形質転換して生えてきたコロニーからプラスミドを回収すると、元のベクターより小さくなっている場合がある。
よく見られる現象なのだが、改善させるための効果的な方法がない(凍結させていないコンピテントセルに形質転換することで弱冠改善が見られたことはある)。
ベクター作製時のCIP処理が原因の一つとにらんでいるのだが・・・情報求む。
文責:平滑王