遺伝子をクローニングするために、PCR断片末端に制限酵素部位を導入する方法はよく使われています。塩基置換をプライマーに挿入して普通にPCRをするだけなので、ここでは説明しません。以下のプロトコールは最終的なPCR断片の両端ではない部分に塩基置換を挿入したいときの方法についてです。
1 こんなDNA断片が欲しい場合。
==========★==========
★の位置に塩基置換を挿入したい。
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2 そこで次のような2組のプライマーを用意する。
==========★==========
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<★_
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赤いプライマーに望む塩基置換が挿入されている。
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3 2組のプライマーを用いて、個別にPCRを行う。(1st PCR)
=====================テンプレート
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==========★=産物A
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===============産物B
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産物Aの方に塩基置換が挿入された。
1
4 今度は産物Aと産物Bをテンプレートにして次のようにPCRを行う。(2nd PCR)
==========★=テンプレートA
===============テンプレートB
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1
5 すると2種類のPCR産物が得られる。
==========★=テンプレートA
===============テンプレートB
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==========★=
=========産物
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===============産物
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塩基置換挿入率を高めるため、テンプレートAの濃度をBに比べて高くしておくと良い。
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6 ベクターにクローニングし、シーケンスなどで赤いPCR断片のクローンを選別する。
まだ試したことはないが、某研究室の卒論発表で、さらに効率の良い作成方法を見かけた。
1 こんなDNA断片が欲しい場合。
==========★==========
★の位置に塩基置換を挿入したい。
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2 そこで次のようなプライマーを用意する。
==========★==========
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赤いプライマーに望む塩基置換が挿入されている。
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3 PCRを行う。(1st PCR)
=====================テンプレート
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==========★=産物A
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産物Aに塩基置換が挿入された。
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4 産物Aを長いプライマーと考えて、次のようにPCRを行う。(2nd PCR)
=====================テンプレート
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5 すると1種類だけPCR産物が得られる。
=====================テンプレート
==========★=>
==========★==========産物
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PCR回数自体が減っているので余分な変異が入る確立が少ない上、塩基置換が挿入されている確率が高い。
文責:T