現在、使用可能なシーケンサーは、
理学部のゲルシーケンサー(ABI373S)
キャピラリーシーケンサー(ABI310/rapid)
コラボ棟のキャピラリーシーケンサー(ABI310/long)
の3台である(コラボ棟のキャピラリーシーケンサーの使用には、使用登録が必要)。
目的に応じて使い分ける必要がある。
また機械ごとにサンプルの調製の仕方が少しずつ異なるので、注意が必要。
シーケンスに用いるサンプルは、ジデオキシ法を元に調製している。
サイクルシーケンス用のPCRのキットとして、DNA sequencing Kit(BigDye
Terminator Ready Reaction)が使用できる。
DNA sequencing Kit(Dye Terminator ready to reaction)は、コラボ棟のキャピラリーシーケンサでのみ使用できる。
通常の場合はBigDye terminatorを使用することをお薦めする。
(1)Sequence reaction
BigDye TerminatorでもDye terminatorでも共通のプロトコルである。
| Terminator Ready Reaction Mix | 4 |
| Template | |
| dsDNA(0.2ug/ul) | 1 |
| PCR product(10~30ng/ul) | 1〜3 |
| Primer(3.2pmol/ul) | 1 |
| DDW | up to 10ul |
注:この反応系はメーカー推奨の半分量で行っている。
これまでの経験から、total volume 10ulで十分解析可能なピークを得ることが出来ている。
(2)Dye Terminator cycle sequence(PCR)
以下のプログラムを用いる。
|
25 cycle |
(3)EtOH precipitation
BigDye terminatorの場合
1)0.6ul tubeにサンプルを移し、3M NaOAc 1ulと95%
EtOH 25ulを加える。
2)室温で10分静置した後、14,000rpmで20分遠心。
3)70% EtOH 200ulでリンス後、スピンダウン。
4)真空乾燥。
Dye Terminatorの場合
1)0.6ul tubeにサンプルを移し、3M NaOAc 1ulと99% EtOH 25ulを加える。
2)氷上で10分静置した後、14,000rpmで20分遠心。
3)70% EtOH 200ulでリンス後、スピンダウン。
4)真空乾燥。
(4)Buffer suspension
1)ゲルシーケンサーで泳動する場合は、
34cmのゲル板を用いる場合は3.5ul
48cmのゲル板を用いる場合は3.0ul のSample bufferに懸濁する。
懸濁後、熱ショック(90℃ 2min)して急冷し、泳動に用いる。
sample buffer:50m EDTAと脱イオン化ホルムアミドを1:5の割合で混合した溶液。-20℃で保存。
2)キャピラリーシーケンサーで泳動する場合は、添付のTSR buffer 20ulに懸濁する。
懸濁後、熱ショック(95℃ 2min)して急冷し、泳動に用いる。
ゲルシーケンサーを使う場合はゲルシーケンサーの使用法へ
キャピラリーシーケンサーを使う場合はキャピラリーシーケンサーの使用法へ
Sequence reactionに関して
1)シーケンス後の波形データでピークが弱いときはTemplateの量を増やしても良い。
増やしすぎるとPrimerではなくTemplate同士でアニーリングする可能性が高くなるような気がするので、私の場合は2.5ulあたりを上限と考えている。
2)Template量を増やしても改善されない場合は、Templateの精製などを疑った方が良いと思われる。
ちなみに私の場合、大量にシーケンスを行う必要がある時は、
ミニプレプ後のサンプル50ulにRNaseAを1ul加える
→タッピングして混ぜたサンプル1ulをシーケンスのTemplateに使用
残り50ulは-20℃で凍結保存 とかしている。
上記の方法は、あまりオススメはしないが、フェノクロ/エタ沈の手間が省ける。
リアクション中にRNAは分解されるらしく、ピークも綺麗に出る。
Dye Terminator cycle sequence(PCR)に関して
とくにTipsなし。
EtOH precipitationに関して
1)BigDye terminatorの場合
95% EtOH の使用と、室温で静置することは必ず守ること。
99% EtOH を使用した場合や、氷上でエタ沈した場合、蛍光ラベルされたdNTP mixや短鎖の反応物が必要以上に沈澱し、Backgroundが高くなる。
2)BigDye terminator、Dye Terminatorに共通して
70% EtOHのリンスは丁寧に行うこと。
雑に行うと、
i)上記のケースと同様に、蛍光ラベルされたdNTP mixや短鎖の反応物が必要以上に沈澱し、Backgroundが高くなる。
ii)十分に脱塩されず、サンプルバッファーが高塩濃度となり、泳動時の波形が歪む。
などの弊害が起こりうる。
Buffer suspensionに関して
ゲルシーケンサー、キャピラリーシーケンサーに共通して
熱ショックは、アニーリングした1本鎖DNAを解離するためのステップである。
急冷しないと再びアニーリングしてしまうので、必ず90℃/95℃を保った状態から氷上に移して急冷する。
文責:平滑王