オーバーレイ解析


原理

 オーバーレイ解析とは、タンパクAとタンパクBの相互作用を抗体を使って確認する実験である。基本的にウェスタン解析と変わらない。例えば、抗体Bで検出する場合、

1 タンパクAをブロッティングしたメンブレンを用意する。

2 そのメンブレンをタンパクB溶液にオーバーレイさせる。

3 メンブレンを洗った後、抗体Bでウェスタン解析を行う。

4 タンパクAとBが相互作用するなら、タンパクAのバンドと同じバンドが抗体Bで検出できる。

 以下の手順では、上の例と同じように、メンブレン上にあるタンパクをA、オーバーレイさせるタンパクをBとする。


オーバーレイ解析

1 タンパクAを含むサンプルをSDS-PAGEする。(ゲルは多めに作っておくと良い)
  抗体Aがないならば、1枚はCBB染色する。(抗体AがあってもCBB染色した方が望ましい)

2 通常通りブロッティングし、メンブレンを作る。
 (抗体Aがあれば2枚以上。メンブレンは保存可能なので多めに作っておくと良い)

3 抗体Aがあるのならば、1枚は抗体Aで普通にウェスタン解析をする。
  メンブレン上のどの位置にタンパクAがあるのか、というコントロールのため。

4 タンパクB溶液を調製する。
  Leammli bufの代わりにDDWあるいは1M Tris-HCl(pH調製)を加えて、あとは通常通りに。

5 タンパクB溶液を4℃、12,000rpmで10分間遠心し、上澄みを使う。

6 上澄みを0.5%スキムミルク-TBSで1/10に希釈する。
  1/10希釈はあくまで目安で、タンパクBの量によって変更する。
  タンパクAとBの相互作用に条件を加える場合、この溶液に試薬を加える。

7 ブロッキングしたメンブレンを溶液に浸し、4℃でo/n、または37℃で2時間振盪する。

8 ウォッシュしてブロッキング。
  タンパク溶液に浸していたので、しっかりと行う。

9 一次抗体に抗体Bを用いて通常通りにウェスタン解析を行う。

10 得られた結果を1で作ったCBB染色、3で作ったウェスタン解析の結果と照合する。


オーバーレイで泣かないために

 何度も書いているが、タンパク質の実験では扱うタンパク質の性質によって条件設定が全く異なる場合が多々ある。オーバーレイでは、そのタンパク質を2種類扱うため、条件設定の幅が広がる。

コントロールをしっかりと

 タンパクA、B、ともにしっかりと発現しているか? CBB染色、抗体があれば普通のウェスタンで必ず確認。
 ウェスタンで出ないものはオーバーレイでは絶対に出ない。
 また、抗体がA、B、ともにあるならば、タンパクAとBの役割を逆転させてみる(タンパクBをメンブレンにブロットし、Aをオーバーレイさせる)のも有効ではないかと思われる。

タンパクBはフレッシュなものを

 タンパクAはメンブレンにブロットしているのでいくらか安定だが(当然こちらもフレッシュであるに越したことはない)、タンパクBはそうではない。毎回作り直す。経験上、オーバーレイは4℃で行うほうが安定している気がする。また、タンパクBを精製できれば、これほど望ましいことはない。

タンパクAとB、本当に相互作用できるようになっているか?

 遺伝子a、bをベクターにクローニングし、大腸菌で発現させたタンパクA、Bを使っている場合、発現させたタンパクにタグなど余計なペプチドがついていないかを確認。タンパクAとBが末端部分で相互作用しているのならば、このタグが邪魔になって相互作用が阻害されていることも考えられる。

文責:T


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