線虫からのタンパク質サンプル調製
Preparation of Worm Protein for SDS-PAGE


大量調整

1. 9cmシャーレのNGMプレートを作製する(*a)。
 一晩培養した大腸菌液(OP50)100 ulを培地にスプレッダーで広げ、37℃で一晩静置する。
 このときシャーレの片端にブロックを置く領域を作っておく。

2. 線虫はコンタミしていないものを使用し(*b)、3cmシャーレからブロックで植え継ぐ。
 線虫の成長速度や数によって適当なブロックの大きさ(1/4-1/2)を決める。

3. 20℃で餌が無くなり、F2世代のAdultが多くなるまで(2、3日)培養する(*c)。

4. 一枚のプレートあたり約3 mlのM9を入れ、駒込ピペット(ガラス製)で線虫を集める。
 この操作を2、3回繰り返し、50 mlの遠沈管にすべての線虫を集める。

5. 3000 rpm、5分間遠心し(*d)、上清をアスピレーターで取り除く。

6. M9を10 ml加えて、室温で30分間静置し、線虫内の大腸菌を消化させ、上清を取り除く。
 (M9中では丸1日くらいなら放置してもOK)

7. 3000 rpm、5分間遠心し(*d)、M9で線虫を2〜3回洗う。

8. 1.5 mlチューブに入れ、線虫を自然沈殿させた後、できるだけM9を除く。
 このときの線虫量をwet volumeとする。

9. 線虫を50 オlずつ0.5 mlチューブに分注し、等量のバッファー(又はDDW)(*e)を加える。
 さらに2x Laemmli Buf.を100 ul加え、良く混ぜた後に99℃、2分間熱処理する。

10. すぐ氷上に移し、3分間静置する。

11. サンプルに粘性がなくなるまで、30秒間のsonicationを繰り返す。
 (Output 7, Ultrasonic processor(BIOMIC))

12. 15000 rpm、15分間遠心し、その上清を1x Laemmli Buf.で1/2希釈したものを3-5 オl泳動する。
 希釈系列は1/2、1/4、1/8を試してみるとよい(*f)。

13. 残ったサンプルは-20℃で保存可能。
 長期保存(約1ヶ月)や分解しやすい蛋白質の場合は-80℃で保存する。

*a Agarは普通の培地で使用するものでよい。3枚のNGMプレートで約50〜100 ulの野生型の線虫(wet volume)が取れる。
  上記のプロトコールはプレート3枚を想定している。
*b 培養を始める前に必ずクリーンナップしておく。
*c N2の場合、約2日でfull-growthする。時期を過ぎると線虫の数が減るので、気を付けること。
  卵が大量に欲しい場合は、洗浄の段階で卵がロスしやすいので、Adultから卵を取るつもりでAdultが最大になるときに線虫を集める。
*d 大型遠心機SRX-200で3000 rpm, 5分間。小型遠心機MRX-150だと1500-3000 rpm, 1分間。
  強い遠心をかけると線虫が弱るので注意。またこの過程は自然沈殿でも行うことができる。
  ただし室温が高いときは20℃のインキュベーター内で行うこと。
*e 蛋白質の種類による。M9でも可能。量が少ない場合は目測で量を測るか、又は重量を量り、バッファーの量を決める。
*f 原液だと蛋白質が多いため、電気泳動時の蛋白質の分離が悪くなる。
  蛋白質の種類、抗体の条件によって必要量を決めること。


一匹〜数十匹からの調製

1. 3cmシャーレのNGMプレートでOP50を塗っていないものを数枚用意する。

2. 十分に増えた線虫をブロックでOP50無しのプレートに植え継ぐ。

3. 20℃で30分間培養する。

4. 0.5 mlチューブの蓋に10 ulのバッファーを入れておき、その中に線虫をピッカー(又はガラスキャピラリー)で線虫を移していく。
 又は、チューブの管壁にバッファーを滴下しておき、その中へ線虫を入れていく。

5. 線虫を管壁につけないように気を付けながら、線虫を数え入れる。
 バッファーと等量の2x Laemmli Buf.を加え、軽くスピンダウンし、よく混ぜる。

6. 99℃で2分間熱処理する。

7. すぐ氷上に移し、3分間静置する。

8. 30秒間、sonicationをかける(Output 7, Ultrasonic processor(BIOMIC))。

9. 15000 rpm、15分間遠心し、その上清を5 オl電気泳動する。

Final concentration Worm number Buffer volume R13 (1:5000) b R224 (1:5000) c
large scale (1/2) a

-

-
++ +++
large scale (1/4) a

-

-
++ ++
large scale (1/8) a

-

-
+ +
20 worms/5 ul 80 10 ul + +++
10 worms/5 ul 40 10 ul + +++
5 worms/5 ul 20 10 ul - +++
2 worms/5 ul 8 10 ul - ++
1 worms/5 ul 4 10 ul - +

a Preparation of large scale sample followed as this protocol.
b Using the purified R13 antibody (1:5000).
c Using the antiserum R224 (1:5000).

Ref:
1. Epstein, H. F. & Feizhou, L. (1995) Proteins and Protein Assemblies. In Methods in Cell Biology. 48 Academic Press, Inc. p.p.437-450.

文責:Dr.Hが作製したものをTが改変


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