FAQ
Q.日本で薬学部を卒業したら,アメリカのPharm.D.コースに編入できるのですか?
Q. Pharm.D.コースの留学情報はどのようにして得たらいいのですか?
Q. FPGEE対策の参考書にはどのようなものがありますか?
A.
大まかに分けると3つの選択肢があります。
1.4年制のPharm.D.コースに進学する
Pro:アメリカ人の学生がほとんどなことに加え,粒ぞろいの優秀で積極的な学生が多いことから,日本人にとっては過酷な道のり。しかし,卒業まで行き着き薬剤師試験に合格すれば,アメリカでキャリアを築くことも夢ではない。将来日本に帰っても学位があるので幅広い活動ができるし,アメリカに残っても薬剤師として差別を比較的受けずに暮らしていける。
Con:入学することが難しい。日本と重複している科目もあるため,ロスタイムを覚悟しなければならない。
2.外国人薬剤師向けの3年制Pharm.D.コースに進学する(フロリダ大学)
Pro:学費を1年分節約できる。薬剤師であることが前提なため,無駄な授業を受けなくてすむ。アメリカ人学生に混ざって勉強することと比べれば楽なことは確か。
Con:入学条件として,TOEFL600点,TSE50点必要。TSE50点をどうクリアーするかが難点。非常に高い英語力が必要。
3.FPGEEという,外国人薬剤師のための試験を受け,インターン免許を取得する。その後1500時間(州によって条件が異なる)の実習を得て,薬剤師試験の受験資格を得る。
Pro:一番安上がり。日本で受験準備ができる。
Con:外国の薬学部を卒業していれば,書類審査を経た上で受験が認められる。しかし,試験に受かったとしても,資格が有効になる条件として,TOEFL550点,TSE50点が必要。2年以内にこの2つの試験のスコアーを満たすことができなければ,資格は取り消される。TSEが難関。FPGEEを取得してもインターンの資格を得ただけに過ぎず,それだけで就労ビザの取得はまずできない。グリーンカードがある人は別だが,実習時間1500時間をビザなしでどう稼げるかは難点。また,カリフォルニア州薬剤師試験のFPGEE取得者の合格率は30パーセント前後。現実は厳しい。
Q.日本で薬学部を卒業したら,アメリカのPharm.D.コースに編入できるのですか?
A.
アメリカ国内のPharm.D.コース間でさえ,単位のトランスファーが認められるという話は聞いたことがありません。それほどに各大学の個性が豊かで,カリキュラムが異なるのです。他の多くの学科と異なり,Pharm.D.コースは皆が決められた科目を受講する形態なので,日本の薬学部を卒業しても単位の多くは認めてもらえません。
Pharm.D.を受験する条件として,各大学ごとに前もって受験前に取らなくてはならない科目が決められていますが(Prepharmacy),この科目に限っては,単位のトランスファーが認められることがあります。単位が認めてもらえるか否かは,日本の科目と受験大学で必要とされる科目の内容が一致していることを示すことができるか,日本の単位数をアメリカの単位数に換算したときに,単位数を十分満たしているかによります。
原則として,日本の大学で取得した英語の単位は一切認められません。Pharm.D.コースの多くが,アメリカの大学で英語を3科目(英作文,英文学,スピーチ)取得することを条件としています。日本の薬学部の単位では,受験条件さえ全て満たすことはできないのが現状です。
大学卒業後,年数が経過している人は,何年前までの単位を受験大学が認めてくれるかを,事前に確認することをお勧めします。7-8年前までとする大学が多いです。
A.
大学によって異なります。私の通う南カリフォルニア大学(USC)は,アメリカの薬学部の中でも学費が高額な私立大学です。参考までに南カリフォルニア大学資料より,1年間の経費の内訳を示します。日本円は1ドル120円換算です。
Tuition(授業料):1年間28950ドル。347万4千円。
Fees(大学に支払う手数料・諸経費):622ドル。日本円にして74640円。
健康保険:582ドル。日本円にして69840円。
駐車場代:468ドル。日本円にして56160円。
テキスト代:1216ドル。日本円にして145920円
大学から示されている生活費の資料の金額は,日本人の生活基準と照らし低いので,私の感覚で示します。
生活費:6000ドル。日本円にして72万円。
アパート代:一人暮らしで約9600ドル。115万2千円。
ルームメイトと暮らす場合は7200ドル。86万4千円。
以上,アパートをルームメイトと暮らすとして計算して,全てを合計すると,1年間にかかる費用は45038ドル。日本円にして540万4560円かかります。生活費,家賃は南カリフォルニア大学はロスアンゼルスにあることもあり,都会なので高いです。この他,車代約100万円(日本と違い,中古車でもさほど値段は落ちません。日本車は特に高いです),車税,車の保険,引越し費用など,雑費もかかります。授業料は毎年20万円から30万円値上がりします。南カリフォルニア大学は,受験に際し,7万ドル(840万円)の残高証明書が必要です。
1年間の費用を全て単純に4倍すると,4年間でかかる費用は約2200万円です。実際休みを抜くと,1年間のうち9ヶ月間弱しか授業は行われないのですから,1日の授業料だけでも2万円以上かかっていることになります。学生が必死に勉強するのもうなずけます。
州立大学はここまで費用はかからないと思われますが,州立大学と私立大学の経費の差は縮まる傾向にあり,州立大学の場合,留学生からは州民の2倍から3倍の学費を取ります。参考までに,カリフォルニア州立大学サンフランシスコ校の1年間にかかる学費は,授業料のみで19991ドル。どんなに少なく見積もっても,授業料だけで4年間で1千万円はかかります。生活費はサンフランシスコはロサンゼルスよりも高いので,それを考えると最低に見積もっても1800万円の蓄えが必要ということになるでしょうか。カリフォルニアの薬学部は,とにかく学費が高いです。
Q. Pharm.D.コースの留学情報はどのようにして得たらいいのですか?
A.
・一番正確な情報が得られるのは,各大学のホームページです。http://www.acpe-accredit.org/frameset_ProfProg.htmに全米の薬学部のリストがあります。
・今の時代はインターネットで検索するのが最も早道なのは確かなのですが,Pharm.D.コースで実際今勉強している人たちは,インターネットでホームページを作成している暇などないのが実情でしょう。私はたまたま資料をまとめてあったので,それを編集しているに過ぎません。授業が始まったら,それどころではないというのが本音です。またPharm.D.はDの前後に点があるのが正式です。Pharm.Dと点なしで入力すると検索にひっかかりません。
・アメリカでは出版物があると履歴書に書くことができるので,就職する時に非常に有利です。アメリカで勉強している日本人薬剤師にとって,日本の雑誌に投稿して出版物の件数を増やすことは,実績を示す上でとても都合がいいのです。海外の薬学部・薬剤師業務の情報を得るのは,薬学系雑誌が一番です。
情報収集によい雑誌:
南山堂「薬局」http://www.nanzando.com/journal-yakkyoku/
株式会社じほう「月刊薬事」http://www.jiho.co.jp/mag/gy/index.html
株式会社じほう「調剤と情報」http://www.jiho.co.jp/mag/cho/index.html
日本病院薬剤師会雑誌http://www.jshp.or.jp/naiyo/2waht/10kaiin.html
Pharmavision http://www.pharmavision.co.jp/
Q. FPGEE対策の参考書にはどのようなものがありますか?
A.
参考書はNABPhttp://nabp.netのホームページで紹介されています。日本語の本は残念ながらありません。以下は多くの受験者が利用している主な参考書です。
Comprehensive Pharmacy
Review 4th Edition ISBN:0781721474
著者:Leon Shargel他 出版社:Williams & Wilkins
Pharmaceutical
Calculations 11th Edition ISBN:0781731720
著者:Mitchell J. Stoklosa他 出版社:Williams &
Wilkins
Drug Information Handbook
2002/2003 ISBN:1591950163
著者:Charles F. Lacy他 出版社:LEXI−COMPINC
この他,FPGEEという参考書もありますが,解説がないので私はお勧めしません。一番良いのは,NABPのホームページからFPGEEの参考問題をダウンロードして,自分で勉強方法を研究することです。