1.アジア地区
1.インド
地上波テレビでは、国営放送DDIが全国放送5、地域言語別11、
地域別4の20チャンネルを放送している。その他のテレビ局は、
SunTV、ZeeTV、Sony Entertainment
TV(SET)などの商業放送局が70チャンネルを衛星放送として、
またケーブルテレビとして放送している。DDIは、国内でDD1、DD2の2チャンネルで
国内シェアの33%を占めている。また、地域言語チャンネルとしてベンガル語、マラシ語、
タミル語などの言語で放送し、地域密着を進めている。2002年からは地上波デジタル放送の
試験放送が始まった。商業放送局は、競争が激しいものの、前述の地域言語放送をしている
Sun、インドのメディア王が経営するZee、日本企業のSETが頭一つ抜け出ている。
最近では、アジアで勢力拡大中のStarTVの影響力が強まっており、
既存の放送局との競争が激化しそうである。
2.インドネシア
地上波テレビでは、11局(うち試験放送2局)が放送をしている。
まず、公共放送のTVRIである。TVRIでは一部の音楽番組が好評なだけであり、
視聴シェアが3%しかなく非常に苦戦している。その他は全て商業放送で、
現在シェア第1位のIVM、インドネシアで最初の商業放送局であるRCTI、
定時ニュースが人気のSCTV、ファミリー番組が主のTPI、音楽、スポーツ番組が
人気のANTV、ニュース専門局のMetro TV、2003年から放送する
Trans TV、TV7、試験放送をしているLATV、Global TVがある。
また、ローカル局としてスラバヤ地区でのJawa Pos TV、スマトラ地区での
Pekanbaru TV、カリマンタン地区でのAmutai TVがある。
衛星放送では、BSデジタルで32チャンネルを放送しているインドビジョン、
契約は少ないものの健闘しているMetro TVがある。
ケーブルテレビでは、50チャンネルを放送しているケーブルビジョンがある。
3.ウズベキスタン
テレビは、ウズベキスタン・テレラジオ国営会社が5チャンネルを放送している。
また、地域局もある。現在、メキシコテレビ制作のドラマや、ロシアの人気番組
「セクタルプリーズ」の独自版、ハリウッド映画やカンフー映画を放送したりしている。
しかし、財政状況が困難なため、他国から文化協力、財政協力を受けており、
さらに広告放送を行っている。旧ソ連時代には、検閲があり、番組もニュース、
民族音楽、ドキュメント映画など偏ったものであったが、
確実にウズベキスタンの知る権利を補完する報道機関として重要な役割を果たしている。
4.カザフスタン
テレビは、国営放送のRKTRK、情報省が放送するKhabar(ハバル)、
商業放送としてKTK、Channel31がある。
国営放送のRKTRKでは、財政難のため、放送用に適さない業務用のカメラを使用している。
また、1990年代初頭には放送する際、番組提供者に対して、放送時間に応じた電波料を
支払うことになっていた。現在では、この制度はなくなっている。
ハバルは、国内メディアの中で最も影響力が強い。番組としては、映画を主に放送している。
これは、国内で多くの映画館が買収に会い、映画を上映できないため、
その補完としてハバルが協力しているためである。
商業放送のKTKは、CNNニュースやロシアのTV6の制作した番組を放送しており、
自ら制作するトーク番組は国内一の視聴率を誇っている。また、アメリカ映画や、
旧ソ連の映画などを放送している。
Channel31は、元社会民主党党首だった人物が代表を務めている。
番組としては、教育番組やロシアのテレビ局の番組、映画が放送されている。
現在では、ハバルとKTKにおいて、情報省内の部局であるLEADが
制作した番組(主にニュース番組)を共に放送している。
5.韓国
地上波テレビでは、公共放送のKBS(韓国放送公社)、EBS(教育放送公社)、
商業放送のMBC文化放送、SBSソウル放送がある。KBSは2チャンネル
(KBS1、KBS2)を放送している。EBSは文字通り、教育番組を放送している。
MBCは全国放送をしており、視聴シェアでは1位を誇っている。
SBSは系列局とネットワークを組み、全国の主要都市をカバーしている。
また、ローカル放送も盛んで、プサンPSB、テグTBC、クアンシュKBC、
テジョンTJB、チョンシュJTV、ウルサンubc、キョンインiTV、カンウォン放送がある。
2001年からは地上波デジタル放送が開始され、KBSがKBSDTV1、
DTV2、MBC、SBSが放送している。これらはいずれも週10時間の独自番組を放送し、
残りは地上波と同じ内容を放送している。なお、SBSはアジア初の地上波デジタルである。
衛星放送は、衛星デジタルでKDB(韓国デジタル衛星放送公社)が86チャンネルを放送している。
ケーブルテレビでは、地上波テレビの再送信、地域情報、外国のテレビ番組を放送している
中継有線放送と、中継有線放送以外でチャンネル使用事業者が制作した番組を
放送している総合有線放送がある。
6.カンボジア
地上波テレビとして、カンボジア国営テレビ、軍営放送のTV5、
商業放送の市民テレビ、CTV9、アスパラメディアグループが経営するASPARA TV、
ベヨンメディアグループが経営するBeyon TV、フランスのCFI、
ベトナム国営テレビなどがある。
カンボジア国営テレビは、番組の大半をアジア圏内から輸入している。
市民テレビは娯楽中心であり、TV5はカンボジア陸軍が運営している。しかし、
国営テレビ以外は、プノンペン市内でしか視聴できない。
ケーブルテレビとしては、カンボジアケーブルテレビ、
Phnom Penh Municipalが、全国にそれぞれ62チャンネルを提供している。
7.北朝鮮
テレビは、国営で全国向けの朝鮮中央テレビ、朝鮮教育文化テレビ、ピョンヤン市内向けの
万寿台テレビの3局が放送を行っている。中央テレビ、教育文化テレビは週末になると、放送時間が延長される。
また、万寿台テレビでは週末のみの放送となっている。どの局も、朝鮮労働党の統制下にあり、
言論統制されている。
8.キルギス
テレビ局は全て、首都ビシケクにある。国営のキルギス国営テレビ・ラジオ放送、
独立テレビNBT、AsmanTV、キルギス教育ラジオ・テレビ、VOSST、ピラミッドの6局である。
これらの放送局は、全て夕方から放送が始まり、4〜5時間しか放送されていない。
9.シンガポール
地上波テレビではメディアコープTV、CNA、ChannnelUの3局が放送を行っている。
メディアコープTVは7チャンネルを放送しており、英語で娯楽中心のチャンネル5、中国語で
総合編成のチャンネル8、マレー語で総合編成のSuria、さまざまな言語で子供向け、インド系国民向け、
芸術文化を放送するCentral、中国語でスポーツ中心のCity TVを放送している。
CNAはニュース専門チャンネルで、ChannelUは中国語で娯楽中心である。
視聴シェアではチャンネル8が群を抜いている。衛星放送は、国内向けの放送はされていないが、
TCSI、SITV、CNAが海外向けの放送を行っている。
ケーブルテレビでは、SCVが外国の放送を中心に41チャンネルを放送している。
10.スリランカ
地上波テレビでは、公共放送のSLRCが総合編成のEYE、そして自主制作番組が多いITN
の2チャンネルを放送し、商業放送は音楽中心のTNL、CNNニュースのみのDynavision、
CBSニュースのみのETV、娯楽中心のSwarnavahini、音楽中心のSirasa TV、
BBCワールドのみのMTVが放送を行っている。ケーブルテレビでは、Commet Cableと
Grant Cable TVの2局が放送を行っている。
11.タイ
地上波テレビでは、国営のPRD、公共放送のMCOT、軍営放送の国防省テレビ、商業放送のBWG、
BBTV、ITVが放送をしている。PRDは教育番組中心で、BWGは娯楽中心、
ITVはニュース中心となっている。その他は総合編成である。視聴シェアではBWGとBBTVが
群を抜いている。衛星放送、ケーブルテレビでは、UBCが30〜39チャンネルを放送している。
12.台湾
地上波テレビでは、公共放送の公共電視台が放送しており、商業放送は、銀行が株主の台湾電視台、
国民党と中央日報が株主の中国電視台、行政院と退役軍人が株主の中華電視台、民主進歩党が株主の
民間全民電視台が全島に放送している。視聴シェアでは、商業放送の4局が激しく争っている。
衛星放送では、新媒体衛視、星際伝播、ト楽視国際媒体公司の3局が放送を行っている。
星際伝播は台湾のプロダクションと共同制作した番組を放送している。
ケーブルテレビはアジアトップクラスの普及率を誇っている。全島が51のフランチャイズに分けられ、
東森、和信、太平洋、台湾寛頻、台湾基礎網絡が中心となっている。
13.タジキスタン
テレビ局は、タジキスタン国営テレビ・ラジオ放送がある。首都ドゥシャンベでは、
その他に3チャンネルが見られるが、全てロシアの放送である(時間帯によって駐留師団の
放送TV201などになる)。国営放送は、ほとんど全ての番組が政府から検閲を受けており、
報道の自由が達成されていない。上に述べた4局の他に、2チャンネルほど、外国メディアが流す
ニュース局がある。この局は、自由に報道を行っている。
14.中国
地上波テレビでは、国営の中国中央テレビ局(CCTV)、中国教育テレビ局(CETV)、
公営の北京市ラジオテレビ局(BTV)の3局が放送を行っている。
CCTVは、ニュース中心のCCTV1、経済・社会中心のCCTV2、京劇などのCCTV3、
外国向けのCCTV4、CCTV9、スポーツ中心のCCTV5、映画中心のCCTV6、子供向けのCCTV7、
文化中心のCCTV8、科学技術中心のCCTV10、劇曲中心のCCTV11、
西部開発番組を放送するCCTV12の12チャンネルを全国に放送している。
CETVは、教育番組中心に3チャンネルを全国放送している。BTVは、
北京とその周辺向けに7チャンネルを放送している。
衛星放送では、CCTVとCETVなどが一部の番組を同時送信している。
なお、ホテルなどでは18チャンネルが放送されている。視聴シェアでは、
BTVの衛星放送が1位となっている。ケーブルテレビでは、上海ケーブルテレビ局と
北京ケーブルテレビ局の2局が放送を行っている。
15.香港
地上波テレビでは、公営放送RTHKが制作した教育、ドラマ、バラエティ番組を委託されて、
放送している商業放送のTVB(無線電視台)、ATV(亜州電視台)の2局がある。また、
衛星放送はGSB(銀河衛星)、PDMHK(太平洋香港)がある。さらに、ケーブルテレビとして、
HKCTV、PCCWがある。地上波テレビのTVBは地上波のシェア74%を占めると共に、
メディア企業としても際立っており、他の企業を大きく離して売上げ1位を誇っている。
また、ATVと共に、2003年から、地上波デジタル放送の試験放送が始まる。
衛星放送は2社とも有料である点は共通しているが、BSアナログながらも40チャンネルを放送
しているGSB、チャンネル数は少ないながらもBSデジタル放送を行っているPDMHKと
いうふうに大きく異なっている。ケーブルテレビとしては、31チャンネル、普及率30%を誇るHKCTVが香港で
最も早くデジタル化を採用するなど積極策を講じているのに対して、ライバルの国内最大の
通信会社が経営しているPCCWはインターネットとのメディアミックスを図るなどしているが、
加入者数は伸び悩んでいる。
16.マカオ
地上波テレビでは、公営のマカオテレビ放送が、娯楽中心のポルトガル語、
総合編成の広東語の2チャンネルを放送している。
衛星放送では、Cosmos Satellite Televisionが
生活情報、映画など6チャンネルを、Macau Five−Star Satellite
Television Stationが若者向けのチャンネルをデジタルで放送している。
ケーブルテレビでは、マカオ有線テレビが中国本土やポルトガルなどの番組を放送をしている。
17.トルクメニスタン
テレビはトルクメニスタン国営放送が3チャンネルを放送している。
チャンネル1は、ニュースなどを放送している。しかし、その内容はほとんどが政府に
コントロールされており、政府の言論機関となっている。チャンネル2、3はチャンネル1の
再放送であるが、チャンネル2はAshkhabadチャンネルとも呼ばれ、ロシアやトルコの
娯楽番組を放送しており人気がある。商業放送(衛星放送、ケーブルテレビ)は全く存在しない。
18.日本
公共放送として特殊法人NHKがあり、全国54局で地上波2チャンネル、
BS放送で3チャンネル放送している。そして、キー局として、商業放送である日本テレビ、
TBS、フジテレビ、テレビ朝日、テレビ東京が全国放送を行っている。また、地方においてはキー局の
番組を主に放送すると共に自主制作番組を放送している。民放局は全国で127局となっている。
2000年からはBSデジタル放送がキー局とNHK主導で始まった。
BSデジタル放送はNHKと他に民放7社で放送されている。また、2003年から一部地域で
地上波デジタル放送の試験放送が始まることになっている。しかし、これによって、
全国にある地方局の存続が危ぶまれており、地域ごとのテレビ局の合併が有力となっている。
1990年代から、CS放送が普及し始め、現在ではスカイパーフェクTVを中心に急速に広まっている。
さらに、ケーブルテレビが地域ごとに全国に存在している。
現在、デジタル化に向けての動きが活発化しているが、BSデジタル放送の場合、
国民の認識が浅いことと、国の対策の遅れによってあまり普及していない。2011年にはアナログ放送が停止され、
全面デジタル放送になることが決まっているものの、予断を許さない状況である。
19.ネパール
地上波テレビでは、国営のNTVが1985年からネパール語で放送している。
朝夕の空き時間帯は、商業放送事業者が購入し、エンターテイメント番組を放送している。
衛星放送は、STNが1局のみの放送をしている。ケーブルテレビは、NTVへの不満から
加入者が激増している。放送はSTN、Shangrila Channnelなど135社が行っている。
20.パキスタン
地上波テレビでは国営のPTV、政府系のSTN、NTMの3局が放送を行っている。
PTVは全国に3チャンネル、総合編成のPTV−1、教育番組中心のPTV−2、
ニュース中心のPTV−3を放送し、地域には4チャンネルを放送している。STNは総合編成で
全国放送をNTMは地域向けに放送を行っている。衛星放送では、PTVがPTV−3を放送し、
商業放送のインダスビジョンが政府から独立したチャンネルで放送している。
ケーブルテレビは空軍所有のSPTVが、外国のESPN、BBCワールドなどを放送している。
21.バングラデシュ
地上波テレビでは、バングラデシュ国営テレビと、商業放送の21テレビジョンの2局が放送を行っている。
国営テレビは総合編成で、BBC、CNNなどを放送し、21テレビジョンでは多彩なエンターテイメントを
放送している。衛星放送は、ETVとChannel iの2局が放送を行っている。
Channel iはケーブルテレビでも放送され、人気が1位になっている。
ケーブルテレビは、2000社余りがあり、テレビ所有世帯の98%がつないでいる。
22.フィリピン
地上波テレビでは、公共放送のPTNIがNBNチャンネルとして放送しており、
商業放送はABS−CBN、GMA、IBC、ABC、RPNなどが放送を行っている。
視聴シェアでは、ABS−CBNが群を抜いている。衛星放送では、最近BSデジタル化された
PMSIが放送を行っている。ケーブルテレビは、800以上の業者が争っているが、
最近、Sky CableとHome Cableが合併し、1大勢力となっている。
23.ブータン
1999年からBBSによるテレビ放送が始まり、1日2時間、
ブータン語と英語で放送されている。その内容は、健康に関するもの、農業、教育番組など幅広い。
それまで、ラジオしかなかったブータンにおいてテレビは都会と田舎の人々の重要なコミュニケーションの
手段となりつつある。
24.ブルネイ
地上波テレビとして、RTBがテレビ業界を独占していたが、マレーシアの衛星放送会社
ミアサットが、ブルネイ資本と合弁会社を作り、「アストロ」を始めた。この衛星放送「アストロ」は
30チャンネルを放送している。
25.ベトナム
地上波テレビでは、国営のVTV(ベトナムテレビ)が3チャンネルを全国に放送している。
VTV1は総合編成で、VTV2は科学教育、VTV3は娯楽主体となっている。
その他は、各省ごとに63の地方局があり、独自で1〜3チャンネルを放送している。
ケーブルテレビでは、VTVがホーチミン市で11チャンネル、ハノイ市で9チャンネルを
放送している。内容はCNNやStar TVなど多彩である。
26.マレーシア
地上波テレビでは、国営のRTM、商業放送のTV3、ntv7の3局が放送を行っている。
RTMはドラマ、スポーツ中心のTV1、教育、娯楽中心のTV2の2チャンネルを
5言語で放送している。TV3、ntv7は娯楽番組中心である。視聴シェアでは、TV3が群を抜いている。
衛星放送では、BSデジタル放送のASTROが放送を行っている。現在、ASTROの加入者が激増している。
ケーブルテレビではMega TVがあったが休止されている。
27.ミャンマー
地上波テレビでは、国営のMRTDと、国防省が管理、運営するMyawaddy
Televisionの2局が放送を行っている。MRTDでは、ニュース、ドキュメンタリー、
映画、ドラマを放送している。また、CNN、NHKなどの番組も放送している。
衛星放送ではMTRDがMRTV3として、1日1時間、ニュースやエンターテイメントを英語で放送している。
28.モルディブ
地上波テレビとして、テレビモルディブが放送をしている。放送時間は午前9時から正午12時、
午後5時30分から午後11時30分となっている。イスラム教国なので、番組の途中で
「コーラン」が流れるということである。衛星放送では、有料のTVプラスが放送をしている。
TVプラスではCNN、BBCやインドのテレビを受信することができる。映画チャンネルもあるということである。
29.モンゴル
地上波テレビでは、国営のMRTV、ウランバートル市営の公営Ulanbaator
TV、商業放送のEagle TV、Channnel25の4局が放送を行っている。
衛星放送は、独自の局はないが、NHKやCNNなどを受信できる。
ケーブルテレビは、サンサル、ヒーモリ、イフモンゴル、サルジー、メデレルの5局が放送を行っている。
しかし、これら5局はウランバートル市とその周辺でしか視聴できない。ヒーモリでは、
NHKワールドプレミアムを放送している。
30.ラオス
テレビは、国営のLNTVが、全国向けで総合編成のチャンネル9、
首都圏向けで娯楽、スポーツ中心のチャンネル3、同じく首都圏向けでフランス語放送の
チャンネル5の3チャンネルを放送している。しかし、娯楽性には欠けている。
その他では、地方にテレビ局が18局ある。