フィールド・ノート |
・名前―ひまわり会 ・目的―自閉症の子供が人と関われるようにすること。 多くの人々に自閉症、自閉症児を知ってもらうこと。 EX)散歩、買い物、プールで遊ぶ、電車に乗る ・活動日―毎週水曜 1時〜4時 ・自閉症―自分のこだわりが強く、思うようにいかないとパニックになり、 発作のような症状に陥る。知的障害の一つ。 ・発足の経緯―自閉症の子供が、公立小学校にあるのびのびルームという教室に入ろうと 申請したが、受け入れられず、他の子供と関わる機会が少なくなる。そこで、 申請を受理してもらえなかった子供の親たちが、ひまわり会を発足させる。 当初、子供は10人。現在の子供の数は小学4年生が6人。 |
| 感想 |
私は去年の夏頃から、何回かこのひまわり会の活動に参加している。私が参加するのは、 プールで 子供たちと一緒に遊ぶ活動である。というのも、以前にスイミングスクールでアルバイ トの経験があったからである。私がすべきことは、子供に水着を着せ、シャワーを浴びて、プール へ連れて行き、その子の安全を守ること。そして、なるべく泳ぎ方を教えて、その子が泳げるよう になるようにもっていくことだった。ただし、無理強いをするとパニックを起こしてしまうので、絶対 に無理強いはしてはいけない。私がこの子供たちと初めて接した時、どう接すればいいか全くわ からず、ただ立ち尽くすだけだった。泳ぎを教えるどころではない。私の言葉がまるで聞こえない かのように、全く反応してくれないのである。自閉症は、その子自身が大変強いこだわりを持って おり、思い通りにいかないと発作を起こしてしまう。子供が「その相手は安心できる人・信頼できる 人」だと判断すれば、言うこをきいてくれることもあるのだが、そうでない人の場合全く無視状態で ある。だから、プールの中でも、その子が泳ごうと思えば勝手に足をバタバタさせるし、その子に 泳ぐ気がなければ私がいくら言っても泳がない。私はもう放っておくしかないと思った。意思の疎 通ができないからだ。そうしている内に、ある変化が生じた。1時間くらい経過した頃である。子供 が何か訴えるように、私の方を見つめてくる。すると突然、子供が私に抱きつき、遊びたいというよ うにチョッカイを出してくる。私を少し認めてくれたのだろうか。不安で一杯ではあったものの、アル バイトで教えてもらった遊びをいろいろ試してみる。すると、子供はどんどん私と関わろうと近づい てくる。そしてついに、笑いかけてくれた。初めは私の目を見ようともしなかった子が。これ以上な い程の嬉しさで一杯になった。しかし、一瞬の喜びも束の間、その子の気が変わる。すると、私の ことは見向きもしなくなる。そして、その日の活動が終了した。子供は親の所に戻ると、とても安心 したような表情を見せていた。あの子達は、私が次に会っても、今日のことや私のことは一切覚え ていない。そう考えるととても寂しく、辛い気持ちになるのだが、あの一瞬の笑顔を見るため、私は またプールの活動に参加しようと思う。私はこの活動に参加して、意思の疎通のできないことの大 変さが、身にしみてわかったようだった。しかし、もう一つ気づいたことがある。それは、たとえ言葉 が通じなくても意思の疎通はできるということだ。こちらが、一生懸命誠意を尽くして接すれば、相 手にはその誠意が通じるのである。私は、何度も何度も、頻繁に同じ子供と接していれば、少しく らいは覚えていてくれるだろうし、一度信頼してもらえれば、きっと心を開いてくれる時が来ると信じ ている。 |
