■今日の日系人■


日系アメリカ人の今、そしてこれからは?

 日系人は、第二次世界大戦中にそれまで集中的に居住していた西海岸から内陸部へ強制移動させられ、戦後は移民した直後と同様のゼロからの出発を余儀なくされた。しかし、犠牲をともなった努力によって急速に社会的・経済的地位を上昇させ、今日アメリカの主流に入り込んできている。教育水準や所得の高さではアメリカの全体の平均を上回り、職業面でも専門職に就く人が多く、「成功したマイノリティ」と称されることが多いのだ。しかしこうした成功神話は、日系人が直面しているいろいろな問題を覆い隠すことにもなっている。例えば、日系人家族の平均収入は共働きの家庭において、アメリカ人家庭の平均収入より高いのに昇進する機会が制限されていたり、年老いた日系人が必要な社会的サービスや医療福祉の対象から外されたりしていたのだ。
 1980年の統計では、日系人の72%がアメリカ生まれであり、現在は、三世、四世、五世の世代になってきている。今日、日系人は日系コミュニティの中だけで生活することは少なくなり、日本語を話す三世はほとんどおらず、日系三世の60%が日系人以外と結婚している。
 このように日本人がアメリカに移住してから100年余りの間に、他集団との様々な関わり合いを持ち、彼らの自己・他者意識も大きく変容し、現代の日本人とは異なる「日系アメリカ人」としての世界観を築いている。一方、現在アジア系の中には、中国系や日系といった個別の意識よりも、自分は「アジア系アメリカ人である」という意識も徐々に育ってきている。
 このように、かつてアングロ・サクソン系白人を中心に成り立っていたアメリカは、現在、多文化多民族が共存・共生するアメリカへと変化してきている。このような変化によって、これまでアメリカの歴史の中に埋もれてきた日系人の歴史的経験も、新しい視点から見えるようになってきているのだ。

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