テクスト集
彼は哲学することなしに生きることができなかった。自分というものを徹頭徹尾世界の外に置き、世界内のいかなる事実にも動かされない、厳密に独我論的な、哲学という行為が、彼には必要だった。陳腐な修辞としてではなく、彼は文字どおり哲学せずに生きることができなかった。よく生きるためにではなく、ただ生きるために、彼は哲学した。ただ生きるために、つまりただ死なないために、そうせざるをえなかった。哲学依存病という病を知らない人々は、彼を天才哲学者と呼び、斬新な一学説の提唱者のように語る。そうではないのだ。彼はどんな学説も、どんな思想も、提唱などしなかった。ウィトゲンシュタイン哲学とは、ひとつの残骸に与えられた名にすぎないのだ。
永井均,「書評3」,『<私>の存在の比類なさ』
文章と社会理論のページです。自分の興味関心を中心にまとめてあります。ゆえに、決して体系的ではありません。以前に文章や社会科学概念のページを閉じたのも、それが自己満足的で体系的でなく、ゆえに他の方にどのような意味があるのか、分からなくなったためでした。しかし、今回、再びこのようなページを作ることに決めました。それは、何人かの方から、一年以上前から、「社会科学の文章が読みたい」という言葉をいただいたためでした。その方たちに、下の文章が、何らかの形で意味と強度を与えることができたら、幸いです。
追記。[文章]は昔書いたものを載せました。[理論]はagencyの意味・言語・知識による社会の構築に注目するもの(構築主義)と、知識の存在被拘束性に注目するものを中心にまとめています。
[文章]
現代社会における二つの生き方(2001.4.22)
近代家族(2001.5.21)
ジェンダー(2001.9.21)
構造と主体1(2001.9.21)
現代日本社会と市民社会(2001.12.1)
福祉国家(2002.9.1)
権力(2002.9.1)
ナショナリズム(2003.2.2)
公共性(2003.2.2)
システム(2001.4.1)
[理論]
理解社会学/シンボリック相互作用論/現象学的社会学/エスノメソドロジー/社会構築主義(2001.12.1)
知識社会学/イデオロギー論/言説分析/カルチュラル・スタディーズ