森田療法 岩井寛著 講談社現代新書 640円
1ざあっとした紹介
2私の感想
1心との付き合い方
 他人の視線におびえる対人恐怖症。強迫観念や不安発作,不眠など心身の不快や適応困難に悩む人はすくなくない。心に潜む不安や葛藤を”異物”として排除するのではなく,「あるがまま」に受け入れ、目的本位の行動をとることによって、すこやかなる自己実現をめざす。それが森田療法である。この本はその森田療法を紹介した本である。
2私の感想
 私は心が自分にとって制御可能であり、対人恐怖などは自分の心が弱いから起こるものだと思っていた。しかし、はたしてそれは本当だろうか。その立場から言えば心は支配される対象に過ぎないだろう。しかし、森田療法はあるがままをもっとうに、「かくあるべき」と「かくある」の違いに金泥する神経症者に対し、あるがままでいいということを主張する。このように神経症をも異物として扱うのでなくそのままで認め共存していこうとする姿勢は東洋的なものといえるだろう。
     私はここに乙武さんの姿をみる。彼が神経症者であるというわけではなく、『五体不満足」の自分をありのままに捉え共存していく姿勢をいうのである。彼のあるがままに自分の運命をとらえていく姿勢はみている人を元気付けるものがある。 しかし、私はこの「あるがまま」というのが本当に難しいと思います。  この本では神経症をいわば克服してガンに冒されながらも最後の最後まで神経科のとして行き続けた岩井寛さんも描かれているが、彼自身は自らも森田療法の教えに従いながら、森田療法的な治療を患者に施し、力強く生きてきた。そんな生き方を読むことも,私たちに勇気を与えてくれるのではないだろうか。