教科書の紹介

海外短期留学経験者による教科書紹介もどうぞ!

臨床医学一般

 教科書一般
Tierney: Current Medical Diagnosis & Treatment (McGraw-Hill)
・毎年改訂される診断、治療のスタンダードをまとめた本。最新のreviewされた情報に当たりたい時はこの本が第一選択。

 ハンドブック
Friedma: Problem-Oriented Medical Diagnosis 7ed(MEDSI)
訳「PO臨床診断マニュアル」(MEDSI)

・頭痛、胸痛、貧血といった様々な症状の定義、鑑別診断、アプローチ、検査をコンパクトにまとめた本。洋書なので日本にはまれな疾患もリストアップされているが、それを差し引いても通読、調べ物に役立つ。白衣のポケットにも入る。

Manual of Medical Therapeutics [The Washington Manual] 30 ed (Lippincott)
訳「ワシントンマニュアル」(MEDSI)

・最も信頼できる治療マニュアルの一つ。最新のスタンダードな治療法がupdateされている。症状、徴候についても簡単にまとめられているので、一通り学んだ後の知識の確認にも役立つ。

Ferri: Practical Guide to The Care of The Medical Patient (Mosby)
・米国ではワシントンマニュアルと双璧をなすハンドブック。稀な疾患はあまり載っていないがその分、主要疾患、common diseaseの記述が充実している。英語もそんなに難しくない。白衣のポケットにも入る。

Tierney: Essentials of Diagnosis & Treatment (Appleton & Lange)
監訳 松村理司「診断と治療 ポケットガイド」 (医学書院)

・上記の"Current Medical Diagnosis & Treatment"から診断のポイント、鑑別診断、治療を抽出した本。本文の記述は多くないので親本を読みこんだ人の知識の確認用。

Saint-Francis GUIDE TO INPATIENT MEDICINE (Lippincott)
Saint-Francis GUIDE TO OUTPATIENT MEDICINE (Lippincott)
訳「セイント・フランシスの内科診療ガイド」

・各症候毎にアプローチ、鑑別診断、治療がまとめられている。この本の特徴は独特の記憶法。こじつけもあり疾患頻度まで考慮に入れられていないのが残念だが、面白い記憶法は一見の価値あり。

 身体診察
蓮村「診察の仕方と問題解決ハンドブック」 3版(南江堂)
・問診、診察のポイントがよくまとめられている。身体所見はイラストを交えて簡潔に説明しており、役立つ。主要徴候からのアプローチも簡単にまとめられており、小さいながら内容は充実。和書の診察本ではかなりお薦めできる。また、著者はホームページ上でも診察の基本をわかりやすく教えてくれる。

 

内科一般

「STEP 内科学1〜6」(海馬書房)
・チャートの著者が何人か移って出版された。内容は新しく、国試関連自習書の中では最も記述がくわしい。その分記述が冗長だという人もいるが、しっかり学びたい人にはお薦めできる。
・また、外国人の名前のついた「ナントカ症候群」の読み方も説明してくれている。細かいことだが、読めなければ覚えられないので意外と重要なポイントかもしれない。
・初学者〜中級者用。

福井・奈良「内科診断学」 (医学書院)
・診察の仕方、症候、主要疾患について簡潔にまとまっている。特に症候については、各症候毎に鑑別すべき疾患の頻度、重要度(緊急度)の表があり、さらに「問診のポイント」「身体診察のポイント」がまとめてある。本文情報が全て収録されたCD-ROMがついてコストパフォーマンスもよい。
・中級者〜。

The Principles and Practice of MEDICINE (APPLETON&LANGE) 23 ed
・初版は1892年のW.Oslerによるもので、現在23版を数える。100年を越える歴史を感じさせる洗練された記述は、患者に対するアプローチから始まり、最終的には目的とする治療ゴールまで至る。医学的な面ばかりにとらわれず、時には社会、心理的側面を忘れない、全人的なアプローチが一貫されている。
・Harrisonを通読するのは現実的にかなり困難だが、これくらいなら読める可能性がある。膨大な医学知識が氾濫する現代、何を目的に、どう医療を行っていけばいいかの指針となってくれる良書である。
・米国の医学校3年生(日本の5年生相当)にも臨床実習のかたわら広く読まれている。
・初学者〜理解を深めたい人まで。

 

外科一般

「STEP 外科学1」 (海馬書房)
・国試対策本だが、内容は簡単過ぎず、外科総論をしっかり学びたい人にも満足できる内容。
・初学者用。

Blackbourn: Surgical Recall (W&W)
・外科学総論から各論まで一問一答形式でベッドサイド、手術など現場で必要とされる知識の確認が出来る。ポイントが明確で、イラストもきれいなので読んでいて面白い。内科系に進む人でもこれくらいの知識は必要だろう。外科系に進む人には"Advanced"版もある。白衣のポケットにも入るポケットサイズ。
・初学者〜ベッドサイドまで。

 

放射線診断学

Goodman: FELSON'S Principles of CHEST ROENTGENOLOGY (Saunders) 2 ed
訳「フェルソン 読める!胸部X線写真」 (診断と治療社)

・胸部写真読影の古典的なテキストが最近改訂されたもの。平易な英語で重要ポイントを繰り返し押さえてあり、あまり時間もかからず、胸部写真のシステマティックな見方を身につけることができる。
・レイアウトは原著が見やすいが、写真は訳書の方がきれい。
・初学者〜理解を深めたい人まで。

 

臨床検査医学

高久「臨床検査データブック」 (医学書院)
・毎年改訂されるのが、臨床医学を学ぶようになったら一冊は持っておきたい。異常値が示す疾患リストだけでなく、「異常値が出るメカニズムと臨床的意義」も簡潔にまとまっていて重宝する。

 

腎臓病学

黒川「SHORT SEMINARS 水・電解質と酸塩基平衡 Step-by-Stepで考える」 (南江堂)
・電解質、酸塩基平衡は理解しにくい分野だが、実にわかりやすく解説している。前半は病態生理を掘り下げ、後半は症例提示を通して実際の場面での検査データ解釈のアプローチが述べられている。
・薄い本なのですぐ読めて、読んだ後には電解質、血液ガスデータを見るのが楽しくなっている。
・初学者〜もう一度やり直したい人まで。

 

神経内科

 神経診察
田崎「ベッドサイドの神経の診かた」 (南山堂)
・敬遠しがちな神経所見のとり方をイラストを交えながらわかりやすく解説している。和書では最もよくまとまっており、ベッドサイド実習から研修医になっても使える良書。
・初学者〜理解を深めたい人まで。

 

感染症科

青木「レジデントのための感染症診療マニュアル」 (医学書院)
・感染症はどこの科に行っても必ず必要とされるにも関わらず、どこの科でもちゃんと教えてもらえない。本書は米国感染症内科専門医の資格を持つ著者が感染症診療におけるglobal standardをまとめたものできわめて実践的。
・冒頭の「感染症診療の基本原則」と題された著者のメッセージには目からウロコが落ちる。
「発熱そのもの(あるいはCRP上昇、白血球増多そのもの)に対する抗菌薬の投与、これはぜひ今日限りやめたい。これが第一のメッセージである」
・全ての研修医に必携の良書。学生のうちは各論を読むのは大変かもしれないが、総論だけ読んでも大いに役立つ。日本の感染症診療の悪習に染まらないうちに読んでおくべきである。
・初学者〜理解を深めたい人まで。

 

小児科学

浦島「病態生理できった小児科学」 (医学教育出版社)
・小児科の初学者用教科書としては最適。本の厚さにしては主要疾患はきちんと押さえられている。この本でまずざっとイメージをつかみ、Nelsonあたりにつなげるとなおよい。
・イラストもきれいで、文中のコラムにも著者の小児に対する想いが現われており、読んでいて楽しい。
・初学者用。

 

麻酔科・集中治療

稲田「麻酔への知的アプローチ」 (日本醫亊新報社)
・読み物的本ながら基本的な知識は網羅されており、教科書として十分使える。文中で著者いわく「整理されていない知識は応用がきかず、脳の限られたメモリーを単に占拠しているだけということになりかねない」という言葉の通り、麻酔科における大原則を中心に実に読みやすくまとまっている。
・初学者〜理解を深めたい人まで。

 

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