ロールモデルを見つけよう
聖路加国際病院の日野原重明先生は、「こんな医師になりたい」と思う医師と出会えたら、そこに至る過程をよく聞き「その医師が20年かかって達成したことを、10年でできるように計画を立てなさい」と言われたそうです。
(「学生のためのプライマリケア病院実習」『医学書院』より)
「こんな医師になりたい」と思えるような人に出会うには待っているだけではなかなか難しいかもしれません。
具体的な目標を見つけることが出来れば、そこから逆算してそれに向かってどのような努力をしていけばいいのかもわかるはずです。
大学病院にもそのような先生はいらっしゃるかもしれません。しかし、狭い世界の中だけに閉じこもるのは自分の可能性や価値観を狭めてしまうことになるかもしれません。
外の病院のいろいろな先生と出会い、いろいろな話をして、いろいろな価値観に触れてください。
そうすれば、自分の人生を変えるような素敵な「出会い」に巡り会ったり、逆にそれまで見えなかった大学病院の先生のよさが見えて来たりするかもしれません。
(以下、前管理人さんより)
上級生のみなさんは学校での実習に満足していますか?
下級生のみなさんは、医学部に入ったという実感のわくような授業がありましたか?
いずれにしろ、ほとんどの方は何かしら大学での実習に不満をもっているのではないでしょうか。「大満足!」という方はとても恵まれた医学部にいらっしゃるのでしょう。うらやましい…(そういう方はあなたの学校でどういう素晴らしい教育があるか是非ご紹介ください。こちらまで)
不満を解消する方法はないか?
ここで一般病院実習のおすすめとなるわけでございます。
ずばり、おすすめする理由は以下の6つ!(前管理人さん)+現管理人より
1.学生を歓迎してくれる。見学だけでなく、いろいろな手技を手伝わせてくれる。受け身でない勉強ができる。
2.研修医の教育システムが充実→教え上手な先生がたくさんいる!(先生方も大学病院よりは時間的余裕がある)
3.common disease(よくある病気)の勉強ができる!
4.大学より施設が乏しい分、本来の診断のながれがよくわかる!
問診の重要性はもちろんのこと、自分で塗抹標本をひいて自ら検鏡、診断するなど。
(施設の整った大学病院ではオーダーして結果待つだけ、になりがちですよね)
5.大学とは違った世界を体験できる。(診療所研修、往診など)
6.様々な大学出身の先生、他の大学からの実習生との交流が持てる!
(医局というタテワリ社会の医者の世界ではこういうつながりは将来重要になってくるはず…)
大学での勉強がこの6つを満足しているかと言えば残念ながらNOでしょう。
システム上、大規模な大学病院ではこれらの項目をどうしても満足できない、という面もあります。
だからこそ、一般病院での実習をおすすめするわけです。
私見ですが、私の経験からすると大学での実習、授業の問題点はこんな感じ。(学校によって様々だと思いますが)
上級生の場合:
1.大学病院では現場の先生方が、研究、診療に忙しすぎて教育まで手が回らない。学生は「ほったらかし」にされることも稀でない。
2.大人数で回るので非効率。(ときには迷惑がられる!)手術に入っても術野が全然見えず、まれに手技の体験があっても代表者のみ。
3.講義が知識偏重で、実習前教育がお粗末。自分で教科書を読めば勉強できる知識は学校でも教える。なのに、教科書では学びきれない問診、身体所見、神経学的所見、聴診、読影などをじっくり練習する時間が与えられていない。病院実習で学ぼうと思っても、お忙しい先生に無理に時間を割くことをお願いして得られる知識は細切れで使い物にならない。
4.大学は専門分化しすぎていて、稀な疾患の患者ばかり診ることになる。医師になるものが全員知っておくべきcommon disease(とても一般的な病気)に触れる機会が少ない。
5.包括的に症例を診て、鑑別診断をする能力が鍛えられない。
6.これだけ医学が膨大化しているのに、カリキュラムに選択の余地がほとんどない。その結果ながされるまま受け身になりがち。
下級生の場合:
1.医者になりたいというモチベーションが維持できない授業が数年つづく。(一般教養、基礎医学が臨床医学とうまくリンクできていない。)
2.early exposure programと銘打って1.の問題を解決しようとする試みがみられるが、とても短期間で付け焼き刃の感は否めない。また、見学・講義中心で受け身になりがち。
などなど…
以上は私の大学の例ですが、共感していただける点、けっこうあるのではないでしょうか?
次に続く体験記その他を読んでいただくと、こういった不満が一般病院実習である程度解消でき、モチベーション上昇につながることがおわかりいただけると思います。