3.民主主義憲法の成立


16世紀以前のヨーロッパには、「慣習法」と呼ばれる伝統があった。 この伝統主義が終わると近代憲法の構造が徐々に完成していく。

 
1.人はみな平等!?

 先進国の憲法では当たり前になった、民主主義理念の誕生には、16世紀ヨーロッパで   マルティン・ルター によって始められた宗教改革が不可欠だった。
その後、宗教改革を勢い付けたのはルターより論理的な思想を展開した、ジャン・カルヴァンの 「予定説」 だと言われる。この思想が後の民主主義に多大な影響を与えた。
 
 「人権」という発想が生まれると、それまでヨーロッパに長く根付いていた伝統主義に変わって、民主主義が誕生する。 







 2. 議会政治の始まり

「言論の自由」は、議会政治から始まる。
 16世紀、イギリスでヘンリー8世からエリザベス女王在位中(1533〜1603)に、議会政治が急激に発達。
 絶対王政の最盛期だが、王が庶民院と手を組んだことによって、「議会における言論の自由」を確立し、議会政治を発達させる。

君主がいた場合、専制君主となれば民主主義は成立しない。

 専制君主と立憲君主の違い=「拒否権の有無」
 議会が決定した事柄に君主が「拒否する権利」を持てば、民主主義とならない。
 議会政治では、国王といえども言論の自由を脅かして、処罰を与えることができない。

 民主主義思想が生まれ、市民の力が強くなると、後にたくさんの市民革命が起こってくる。

・1642年    清教徒(ピューリタン)革命
・1688年    名誉革命      
・1789年    フランス革命                詳細
・1775年    アメリカ独立戦争 など。




                 
 
3.権力と国民の契約・・・憲法 
  
  「われわれは、自明の真理として、すべての人は平等に作られ、造物主によって、一定の奪いがたい天賦の権利を付与され、その生命、自由および幸福の追求の含まれることを信ずる。」・・・・・ 1776年7月4日 アメリカ独立宣言 
                    
ヨーロッパの多くの革命の集大成、民主主義国の誕生

この11年後に合衆国憲法制定。

   「神の前の平等」       「法の前の平等」 とし、
           国民の平等を謳う。

 ヨーロッパ、アメリカでは、

        憲法 = 権力者を縛るためのもの。
         権力者と国民との固い「契約」

  
 として長い時間をかけて育て、民主主義を確立させていく。



   近代民主主義憲法のポイント

    1. 人はみな平等であるという思想。
   2. 言論の自由が保障される議会政治。

      (君主がいた場合、君主は拒否権を持たない。)
   3. 憲法=権力と国民との固い契約で成り立っている。



まとめ

1. 欧米では一部の特権階級の人々ではなく、民衆の力によって、民主主義憲法を手に入れた。
2. 憲法成立以前にまず市民革命が先行し、長い時間をかけて民衆の間に近代民主主義思想が定着。


 それでは、日本の近代憲法の理念がどのように作られていったのかを、ヨーロッパのものと比較して見ていきます。