4.明治憲法の成立

 

 憲法成立以前の日本
 
・明治維新
 1867年明治天皇が即位。大政奉還。王政復古の大号令を発する。

       当時の日本・・・治外法権を認め、関税自主権がない。  
                    
     ・ 一刻も早い不平等条約の撤廃。 
     ・ 外交において、日本が完全な主権(誰からの制約も受けずに自由に行動できる権利)国家として認められること。
            この2つが求められた。
                    
 しかし、資本主義国家にならなければ不平等条約の撤廃、主権国家として認められるのは無理。



  明治政府
   岩倉使節団が欧米諸国を歴訪させる。
    ・日本の資本主義化を推進するため、欧米の憲法を学ぶ。
                
 神の前の平等、人間はみな平等であるという思想が求められる。

当時の日本は伝統主義=約300年続いた江戸幕府の身分制度が色濃く残る。
農民の生活は変わっていなかった。



1.人はみな平等!?


伊藤 博文 
幕末イギリスに渡り、「宗教なき所に憲法はありえない。」と考える。 
江戸時代、山崎闇斎などによって理論化され、討伐武士だけでなく江戸幕府をすら風靡していた尊王思想を新政府の宗教とした。

「天皇の前での平等」

天皇の神格化(現人神)  「神の前の平等」ではなく、「天皇の下の平等」
     日本人はみな天皇の子になった。
      四民平等(皇族以外)となる。

   ・職業、住居地の選択が自由に。
             
   ・日本に資本主義が誕生。
             
   ・徐々に、日本の資本主義が欧米に認められる。
                
   ・ 1894年(明治27)治外法権の撤廃。 
   ・ 1911年(明治44)関税自主権の回復。 


 

 2.議会政治の誕生

1890年(明治23年)第一回総選挙後、第一回帝国議会が開かれる。

議会=貴族院(皇族や、多額の税金を納める富豪など)
                 &
     衆議院(選挙で選ばれた25歳以上の直接国税(15円以上)を納めた男子

 憲法51条
・・・ 「議員が議会内で行った発言に対して院外で責任を問わない。」という既定。                
                        
            「議員の言論の自由を保障
   


 3.明治憲法の誕生
 
・1876年(明治9年)から自由民権運動グループを中心に90案にのぼる民間草案(私擬草案)が作られる。・・・しかし、いずれも急進的過ぎるという理由で採用されなかった。

・1887年(明治20年)・・・伊藤が欧州から帰国後、彼を中心に井上毅(こわし)、金子堅太郎達によっって最初の試案を完成させる。      


1889年(明治22年)2月11日
大日本帝国憲法(明治憲法)発布。

 天皇が国民に与えるという形がとられた。

 神は憲法で縛ることができないから・・・
天皇と皇祖(天照大神)・皇宗(天照大神直系の神々と歴代の天皇)・皇考(天皇の父、孝明天皇)との契約。

   
 ・ 改正は天皇の発議によってのみ認められる。(明治憲法=不磨の大典

                    

近代民主主義のポイント


1. 人はみな平等であるという思想
 


2.言論の自由が保障される議会政治

(君主が拒否権を持たない。)


3.憲法=権力と国民との固い契約で成り立っている



明治憲法の特徴

1.(天皇の前で)人はみな平等

   皇族以外は…。一般の人の間にも選挙権は平等に与えられていなかった。

2. 言論の自由がある議会政治。(天皇の拒否権行使は議会機能停止時のみ。)

   (・・・ある時期まで・・・

3. 天皇と皇祖(天照大神)・皇宗(天照大神直系の神々と歴代の天皇)・皇考(天皇の父、孝明天皇)との契約

   国民との契約でなかったため、日本には、憲法は国家を縛るためのものという考えが定着しなかった。



                      

       非白人社会で初めて最初の民主主義国家になった。



まとめ
1. 民主主義思想が政府によって与えられた。(市民革命が先行しなかった。)
2. 政権担当者や国民の意識改革が充分に行われないまま、憲法が成立した。
   民衆がその理念を理解するのは簡単ではなかった。