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胚形成部門・転写制御分野
Department of Cell Fate Modulation


    ↓今はヒゲをはやしてます。こんな感じです

  生体内の各器官は多細胞の集体であるため、個体発生に伴うそれら器官の形成は複雑な細胞系譜を秩序立てて創出する分化制御機構の上に成り立っていると考えられる。そのためには、各種細胞系譜の源である幹細胞が多分化能を維持したまま自己複製しつつ必要な時期に必要な場所で分化の運命付けがなされることが重要といえる。発生が完了し個体として完成した後でも各器官の機能維持や損傷後の再生において、やはり幹細胞からの新たな細胞分化が重要な役割を果たしている。これら細胞の運命付け機構の多くは細胞内在性のプログラムと細胞外来性のサイトカインシグナルなどによって、核内遺伝情報が発現制御されることに拠るものと考えられるため、細胞表面受容体から核内転写制御因子にいたるシグナルカスケードに分子基盤を置いて器官形成の制御機構を捉えることが肝要である。

  当分野では最近、生体内には種々の増殖分化因子が混在することを考慮した研究から、異種サイトカインのシグナルカスケードの下流で活性化される転写因子が核内で転写補助因子とともに複合体を形成するというシグナルクロストーク機構による分化制御のモデル提示した。このような核内のシグナルクロストークをも念頭に置いた転写制御機構を分子基盤として幹細胞制御機構と細胞系譜制御機構の解明に努めている。その過程で、細胞系譜の運命付けを規定するシグナルと関与する転写因子複合体の同定を図るとともに、一旦運命づけられた細胞系譜を将来にわたり固定化することにかかわる染色体リモデリング機構にも取り組む。また、ある細胞系譜に分化が運命付けられた場合に他の細胞系譜に向かわせないことも重要であり、この排他性を規定する機構を細胞膜から核へのシグナルカスケードの観点で明らかにする。一方最近では、固定化されたはずのこれら細胞系譜が脱分化したり分化の転換が行われたりする現象が観察され始めた。この可塑性を制御する機構も未解決な部分の多い取り組むべき重要な問題と考えている。

  当分野ではこれらの視点から、主として神経系および造血系を対象として、細胞内在性のプログラムと細胞外来性シグナルによる転写制御が導く幹細胞の多分化能維持機構や各細胞系譜への分化の運命付け機構の解明を目指す。これらの制御機構の分子基盤が明らかとなれば、神経疾患や血液疾患等の病因解明や診断法の開発に結びつく可能性があり、幹細胞もしくは未熟な前駆細胞を利用した細胞移植治療、あるいは生体内に存在する少数の自家幹細胞の賦活化による治療などへの応用も期待される。


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