本の題名の「破天荒」とあるように、航空ビジネスを築いている過程に型破りな経営方法が多く見られる。
しかし、型破りでありながらも実は当たり前のことなのかもしれない。
サウスウエスト航空の従業員ら
のパフォーマンスは別としても、同業他社が行なわなかった当たり前のことをサウスウエスト航空が先駆け
て次々と行なったことが「破天荒さ」を際立てているのかもしれない。
サウスウエスト航空の成長の過程には、国会議員や同業他社からの妨害があった。まさに出る杭は打た
れるの状態であった。
しかしそのような環境の中でも、サウスウエスト航空が行なってきた戦略は、真
の顧客のニーズに沿ったものばかりである。(客室乗務員のサービスの一部は例外として)例えば、p50の
時間優先のビジネス客と、価格優先のレジャー客の2段階運賃体制に分けたことはまさに2種類の顧客のニ
ーズに合致している。
企業の都合で顧客のニーズを無視していることは多いように思われる。しかしサウスウエスト航空で は「乗客は満席を期待している航空会社の都合に合わせて、わざわざ遠回りするつもりはない」(p73l15) とあるように顧客のニーズに応えること、当たり前であるが、なかなか実行されないことをきちんと行な っているのである。 本当に必要とされていること、それを形に変えてきた。それがサウスウエスト航空 なのだと思う。
それを可能にしたのが企業の柔軟性であり、その柔軟性の元になっているモノが従業員一人一人のソフ
トブレーン(soft
brain)、柔軟な思考なのである。謙虚な気持ちを持つことも従業員のソフトブレーンに繋がっており周り
のことに気がつき、様々な配慮ができるのだと思う。真実の瞬間にもあったように融通の利く柔軟な対応が
必要なのである。
従業員に「自由の幅」を与えることにより、従業員一人一人が企業家精神を持ち更
なる向上に繋がるのだと思う。従業員が自分(たち)の会社だと思えば、どうすれば会社が良くなるのか、
また自分のした行動が会社にとってプラスに生じればうれしいとも感じますます意欲的になるであろう。
このような精神であればこそこれが誰の仕事などと言うことと関係なく臨機応変に対応できるのだと思う。
この本で言えばp64の「パイロットであれ、客室乗務員、職員であれ、手近にいる者が機内に入ってシート
ベルトを整えたり、ごみを捨てたり、新聞を片付けたりするのだ」などがそうである。
これと同様に従業員一人一人が経営者であるという考えを持つことも重要である。自分の会社であれ ばするであろうことを従業員一人一人が行なえばどれだけのプラスになるであろうか。その意味でも企業 は従業員一人一人の行動や意見などをもっと重要視するべきだと思う。従業員は意義ある仕事をすれば大 きな満足感を得て、仕事に喜びや生きがいを感じた人は、その高揚感が忘れなくなり、味をしめた従業員は、 経営者の自覚を持ち、この幸福感を守るためならどんなことでも責任を持って果たそうという気になるの である。(p135)
永続的に企業活動を続けるためには、企業の最大の目的である単なる「利潤の追求」だけではなく、 この本に「ビジネス環境を変えると同時に、新しい市場を開拓するたびに、それを変革していくことだ」 (p25,l2〜3)とあるように企業の成長が社会の成長に結びつかなくてはならないと思う。単なる「金儲け」 や「かたち」ではなく、そこに本質を伴うことこそが大切なのである。
サウスウエスト航空では、どんな場合においても格安運賃を設定している。例えば他社が62ドルの ときに、15ドルと破格的な運賃なのである。それは、サウスウエスト航空は、航空会社を競争相手と考えず 地上の輸送手段を競争相手と考えているからなのである。他の航空会社とは競争している次元が違うので ある。
この安さを実現するためには徹底的なコスト削減を行なっている。それは一時的な削減の従業員解 雇などではなく航空機を737型機だけに絞ることにより、訓練の単純化、保守部品の種類が少なくてすむ こと、管理しやすくなること、商談も有利になることや前にも書いた従業員が意欲的に力を合わせ仕事に 取り組むことにより飛行準備までの時間を10分程度に抑えて効率を上げていること、チケットの廃止など 永続的なコスト削減を行なっている。
また、「シェアにはこだわるな」というのも大切な事である。これは、ザ・ゴールにもあったよう にいくら売上げが伸びたところで利益が上がるとは限らないと言うことである。当たり前の事のように 思われるが盲目的になりやすい部分である。本当に大事なのは利益率なのである。いくら大手になろう とそれだけではほとんど意味はないと思う。
サウスウエスト航空では常に「もし・・・」という問題提起を行なうことにより直面するかもし れないあらゆる問題への対応策を討議している(p115)のである。これはどこかの国の後手後手に回る官 僚的なやり方とは大きな違いである。この「未来図創造」により航空業界の変化に対して柔軟に対応し ていけるのだと思う。
サウスウエスト航空のなかで大事なことに「1つの家族」と言う概念がある。仲間を信頼しあい、楽し く、皆で一団となって働く。これも人を大事にする人間主義の航空会社であるサウスウエスト航空をよく 表していると思う。会社は1人のものではなくみんなで協力し合って成り立っているのである。お互い助 け合ってこそサウスウエスト航空のようなユニークで楽しい企業になれるのだと思う。
人間は環境によってその人のよさが出せたり出せなかったりすると思う。柔軟な思考ができるのも このような環境があってこそだと思う。堅苦しかったり官僚主義的であったりしてはせっかくの才能も 飼い殺し状態になってしまう。一人一人の能力を発揮できる環境を作ること、それはとても重要なこと である。
人を一番に考えるサウスウエスト航空、ここから学ぶこと考えさせられることはとても多い。こ の本から得たものを自分の今後にぜひ生かしていきたいと思う。